国宝の三重塔にさらに近づいてみると
和様、禅宗様折衷型の塔だが、一層の造作は禅宗様の特徴が多く見られる。
黒く塗られた華頭窓、観音開きの桟唐戸、扉の受けに当たる部分のそ盤など…
一層の垂木は室町建築の特徴が顕著な扇垂木、木鼻の彫刻も手が込んで入る。
回廊四隅の柱は逆宝相華の形をしている。
海岸近くに建てられたお寺の為か、部材の各所に風蝕が見られ痛々しい。
石垣の中に、燈篭の台座と思われる石が流用されている。
信長の安土城や秀吉の姫路城に先駆けて、このような事が行われていたのか?
青空をバックに聳える九輪と本堂の棟を飾る鴟尾、まるで斑鳩に足を踏み入れたような眺め。
紺碧の空が、どこまでもく麗しい。
仰ぎ見ると…