いよいよ本来の目的地五島列島は福江島へ上陸。
いきなり伊能忠敬の天測地へ案内された。
日本全国に彼の足跡は点在しているが、長崎沖の離島にまで来ていたとは知らなかった。
あまり興味がないとは言え、知らなかったのはちょっと恥ずかしい。
五島列島はさすが観光地、街角至る処に楽しい表示板が設置されている。
ガイドの話では、福江島住民最多数の職種はサービス業だと言う。
武家屋敷町を散策すると、各戸にこの風変わりな石垣が眼に入る。
下部は加工度が高い打ち込み接ぎだが、上部に丸い川原石が積まれている。
侵入者が越えようとするとガラガラっと崩れ、異常を知らせるのだそうだ。
当地を支配していた五島氏の居城:福江城の跡には五島高等学校がある。
この学校の生徒のお行儀の良いことには感心させられた。
すれ違えば当然のこと、後ろからでも大きな声で挨拶してくれる。
とても清々しい気持ちになった。
福江城の石垣とお堀も残されている。
閑静な環境で勉学に勤しむ高校生も、やがて就職や大学進学で島を離れていく運命にある。
今時の旅人にもてはやされそうな一つの石垣。
心優しい石工が加工したのかな?
福江城は幕末に外敵(黒船)の脅威に対処するため、幕府の肝いりで松前城と共に築城された。
街中で目に付いたこの樹木はフェニックスだそうだ。
やはり南国の面影が随所に漂っている。
お堀の中に勢いよく湧き出す清水、福江城安泰の気がほとばしっているのだろう。
この伏流水が続く限り、五島氏は永続する。
福江島の夜、隠れ家の様な茶屋に案内された。
鮮度抜群の魚介類、採れたて島の野菜の数々、五島牛に五島うどんと、夕餉は島の珍味を満喫した。
十三夜の月が足元を照らす。
千鳥足の一行は、上機嫌で帰途に就いた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます