井伊家の本貫地は、浜松市引佐町の井伊谷(いいのや)で、ここに龍潭寺(りょうたんじ)はある。
後に井伊家が佐和山城主となった時、彦根にも龍潭寺が建立された。
臨済宗妙心寺派の名刹である。
簡素な冠木門をくぐれば、境内は鬱蒼とした樹木に覆われ、荘厳な雰囲気を醸し出す。
さらに先へ進めば、どっしりとした薬医門が現れる。
門は開かれているが柵止めが置かれており、脇戸から出入りするようになっている。何故?
自慢のお庭、東庭は枯山水で、補陀落浄土を現す、中央に配置された三尊石。
海を現す部分にも、綺麗に帚目が入れられている。
今まさに船出せんとする、補陀落浄土に向う船石も…
分かりやすい配石である。
南庭は一転して、植生豊かな池泉庭園で、中央手前は亀島である。
奥側の石組は龍門瀑で、鯉魚石も据えられている。
苔むした巨大な仏足石、本当に有難味を感じさせる風情。