イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「饒舌の思想」読了

2010年02月12日 | Weblog
開高健「饒舌の思想」読了
開高健が1960年から1965年にかけて書いたいろいろな文章をまとめた本だ。
新しく編集されたものかと思っていたが1966年に発行されていたものらしい。
4章からなっていてベトナム、中国・東ヨーロッパ、高度成長期の東京・日本、芸術についてまとめられている。
近代史についての知識と芸術についての造詣はまったく皆無なので1,2,4章についての内容はほとんどわからなっかた。唯一、3章の一部分だけほんの少しわかるくらいだ。
ウイキペディアを眺めながら一生懸命読んでみたがやっぱり歴史は難しい。

開高健はいったい何を追いかけていたのだろうか。激動の近代史と高度成長、安保闘争に共通ずるエネルギー、善悪は別にして人間が自分の居場所を求めて一生懸命行動していたことを記録に残したかったのではないのだろうか。
この時期の最後のほう、1965年ごろは日本の高度成長が一服して、日本国民の前へ進む気力が切れかけて退化してゆくことへの警鐘を鳴らしていたのではないだろうか。
中国はこの時期はまだまだ発展段階の前の前、毛沢東との会見の時に彼は今の中国の大躍進を想像していたのだろうか。きっと、日本は斜陽を向かえ中国は昇竜の勢いを取り戻すことを予言していたに違いないと思うのである。
開高健はこの頃30代の前半。自分と比較することはおこがましいが知識と行動力、すごい。せめてこの行動力の万分の一でもあやかれたらと思ってしまうのだ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 海南釣行 | トップ | 加太沖釣行 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事