イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「釣りエサ(ルアー・エギ・毛バリ・生エサ)のひみつ」読了

2020年05月13日 | 2020読書
長岡寛 「釣りエサ(ルアー・エギ・毛バリ・生エサ)のひみつ」読了

僕が、魚が釣れないのは根本的な情報が足りないのではないかとこんな本を読んでみた。著者は、マルキューの社員だそうだ。

しかし、トルコには、「書物は書かれすぎた」という諺があるように、古代から今まで、あまたの釣り人が無数の餌や疑似餌を試してきたはずである。今さら“これが絶対である”ものなどが生まれるはずがない。ましてや僕のようなヘッポコ釣り師がこの本を読んだからといって何かを発明できるということもないのだ。

少しだけ新しく得たことといえば、魚の味覚を感じる部分についてである。唇の先にもあり、口腔の壁に散在しているそうだ。
真鯛が掛かる時には大概その唇の先のほうに鉤が掛かってくるのだが、あのビニールに味をつけることができればもっと食い込みがよくなってヒット率が上がったりするのではないだろうかと思ったりするのである。
何かいい方法はないものだろうか・・。だが、これもきっと昔から誰かが考えてそれでもできなかったから誰もやらないのだとは思うのだが・・。それとも、そういうことを密かに考えた人が一子相伝の秘儀として代々伝えていたりするのだろうか・・。それなら知りたいものだ・・。

それと、アミノ酸による魚の好みについてである。アミノ酸というと、地球上には20種類あるそうだが、魚によって好みが違うそうだ。味の素の旨味成分もアミノ酸(グルタミン酸)だから、魚も旨味には弱いということだろうか。

海中の魚の餌になる生物(植物も含めて)は栄養を取り込んで自分の体を維持するために必要なアミノ酸以外を体外に排出する。魚たちは排出されたアミノ酸の臭いを辿って餌にありつくそうだ。逆に天敵が発散するアミノ酸も嗅ぎ分けて自分の身を守ってもいるらしい。これはなるほどと思った。排出されるのはその生物にとって不要なものだったとは・・。研究者の探究心はすごい。そしてそれを嗅ぎ分ける魚の能力もすごいのだ。

アミノ酸というと、去年買った秘密の白い粉だ。成分を調べてみると、ほぼ全部がグルタミン酸だった。



そして、このグルタミン酸であるが、真鯛には効くがクロダイには効かないらしい。前回の磯釣りに持って行ってオキアミにまぶしてみたけれども特に顕著な効果がなかったはずだ。
チヌは雑食性の魚だけあって、20種類のアミノ酸のうち、9種類に反応するらしい。
真鯛には効くようだから、あの白い粉をビニールに長時間付着させることができればもっと釣果が上がるのではないかと思うと、何も手だてがない僕は地団駄を踏むしかないのだ。

この本には魚ごとに効き目があるアミノ酸の一覧表が掲載されていたのだが、表にはタチウオが好むアミノ酸についての表記がなかった。あの白い粉は元々テンヤでタチウオを釣っている人が教えてくれたものだったのだが、果たして本当に効くのだろうか。最近の釣りエサのパッケージには成分表が記載されているらしいので今度釣具屋さんに行ったときにはイワシを浸す液の成分を見てみよう。

結論からいくと、生のエサでもルアーでも、自分が釣れると思っているものが一番釣れるというのが僕の今までの経験だ。この本にも、当然なのであるが、「これが絶対である。」というものは記載されていない。そんなことを書いてしまうとマルキューのエサを買ってボウスになってしまった人からえらい苦情が来てしまうのだから。それよりもそれが釣れると信じることだ。

一応、チヌ釣りには少しばかり自信を持っていたりするのだが、僕は刺し餌としてはオキアミしか持っていかない。普通、コーンやアケミ貝(今でも売ってるのだろうか・・)、ボケなど、好みのアミノ酸が多いというだけあってたくさんのエサを持参する人が多いけれども、僕もその人たちとそれほど遜色なく釣っている。これは、僕が単に、「オキアミだけでも絶対に釣れる。」と思い込んでいるからに他ならない。(まあ、ケチな性分で、餌を余らせるのをもったいないと思っているところも無きにしもあらずだが・・)

いろいろなエサの成分や効能を知ったとしても、対象にできる魚種は限られ、いまさら新しい獲物を求めることもないのかもしれないし、たとえ狙ったとしても伝統的なエサを使うだろう。
そういう意味では僕にはあんまり役に立たない本ではあったのだ。


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