イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

水軒沖釣行

2023年11月12日 | 2023釣り
場所:水軒沖
条件:大潮5:39満潮
釣果:コウイカ 5匹

形而上学というのは、「感覚を超越したものについて考える。」学問だそうで、その対義語である形而下というの「感性的経験で知り得るもの。時間・空間の中に形をとって現れるもの。」であるのだが、海の世界ではまったくその逆で、海上の概況は状況としてよくわかっても海面下の世界は想像するしかない。そこは感覚を超越した世界なのである。
11月にもなるとそろそろコウイカが釣れるはずなのだが海の上の形而上を見てみるとまったく釣れそうな雰囲気がない。暖かすぎたのだ。僕の感覚的経験では北風が吹く中、ゴム手袋をはめて釣るのがコウイカなのである。

それがやっと昨日くらいからそんな雰囲気が出てき始めた。去年より2日早く木枯らし1号が吹いたそうだ。もたもたしていた気候が一気に加速した。これくらいになってくると海の形而上だけの判断ではコウイカが釣れる雰囲気だけはしてきた。
釣れても釣れなくてもとりあえずは調査だ。

出港は明るくなってからで十分だと思っていたので、午前4時過ぎに起き出して新聞を読んでいたら汽笛の音が3回、けっこう大きな音量で聞こえてきた。多分、青岸付近を航行するフェリーからの汽笛なのだろうが、寒くなってくると冷たい空気の中を伝わってくる音波が空で反射して5㌔も離れた僕の家の中でもはっきり聞こえるほどになってくるのである。やっぱり寒くなってきたのである。

午前5時を過ぎたのでバイクを引き出して港に向かう。今日は思っていたよりも雲が多いようで、出港支度が整った午前5時半になっても明るくなって来ない。午前6時まで待ってようやくちょっと明るくなってきたのでロープをほどいて船を出す。
いつもの場所で出港時刻の確認も兼ねて写真を撮ろうと沖の方を見てみると、万トンバースがえらく明るい。今日も大きな船が入港してきていた。



そういえば、以前に見たクルーズ船が近いうちに入港するという話を聞いたことがあった。それが今日だったようである。
あの汽笛はこの船が発したもののようだ。

とりあえず写真を撮って沖へ向かう。
ポイントは新々波止の切れ目の跡の前だ。



釣れるかな~。どうかな~と心配していたが、結果はすぐに出た。今シーズン初めてのコウイカだ。そして調子がいい。ひと流しで2匹、30分ほどで3匹を確保することができた。そして型が大きいものもある。
4匹目は少し時間が掛かったがそれでもこの短時間でこれだけ釣れればここ数年の不調の中では上出来といっていいかもしれない。
そして、5匹目はかなり大きかった。ひょっとしたら紋甲イカだったのかもしれないが、一時はリールを巻けないほどの引きと重さだった。なんとか水面まで上がってきたものの、これは竿でブリ上げるのは無理だと思い道糸をつかんで放り上げようと思ったが身切れをしてしまった。カンナには足が1本だけしか引っ掛かっていなかったのは見えていたのでどちらにしてもタモがないと無理だったのだのだろう。
しかし、この釣りの時にはタモは必要がないと思っているので今日も持ってきてはいなかった。むちゃくちゃ悔やまれる1匹だった。次回からはギャフでも用意しておかねばならないかもしれない。と、いいつつ、そんな準備をしてしまうと得てして釣れなくなってしまうので多分そんなことはやらないほうがいいのではあるが。・・。
結局僕の手元に残ったのは巨大イカのゲソの先っちょだけであった。



悔しいのでそれを食べてやったが、吸盤の中に入っているゴミがじゃりじゃりするものの甘くておいしい。
う~ん・・、惜しい。
そして、このバラしで僕のツキも落ちてしまったかまったくアタリがなくなってしまった。ひょっとしたらツキのせいではなく、護岸をかさ上げするための作業船が作業を開始し始めたからかもしれないが、どちらにしてもまったくアタリがない。



せっかくあった魚らしきアタリもアシストフックに掛からなかったのか途中でバレてしまった。
ここをあきらめて赤灯台の前に移動してみる。今日の潮の動きはあまり速くないのでここでもやれそうな感じがしたのである。
なかなかアタリはない。ここにはいないのかと思ったら小さなアタリ。ゴミかと思ったらやたらと足の長いタコが掛かっていた。ちょっと気持ちが悪いのでこれは放流したが、その後にアタリ。今日最後のコウイカであった。
このタコは手長ダコというそうで、韓国で生きたまま食べるやつがこのタコらしい。だから、食べると美味しいらしい。持って帰ればよかったと思ってもあとの祭りだ。



もう一度朝一の場所に戻って流してみたがやっぱりツキは落ちているようで、何のアタリもなく午前8時に終了。

港に戻って円卓会議に出席し、その足でクルーズ船を陸側から見学。やっぱり大きい・・。多分、今日、この船の右舷と左舷の両方を見たのは僕くらいではないだろうか。

 

まあ、僕には何の関係もない世界なのであるが・・。


ここからは昨日の話。
強風で釣りにも行けないので大きい方の船のオイル交換をしていた。



作業自体は特にトラブルもなく終了したが、入れ替えた廃油の捨て場所がない。軽油を買っているスタンドに持ち込んだが、もう引き取れないという。不愛想な社長のいけずなのかと思ったらそうでもないようだ。バイク屋さんでなんとか引き取ってもらったのだが、そこでの話だと、最近は環境基準が厳しくなって、廃油を燃料にしている業者の廃業が相次いでいてお店の方も無料で引き取ってもらえなくなってきているので客からも引き取れなくなってきているというのである。このショップに引き取りにきてくれる業者も年内で廃業するらしい。
これからは廃棄にも費用がかかってしまう。世知辛いというかなんというか、ものの値段が上がり、いままで無料だったものにもおカネがかかるようになってきては僕の楽しみをすべて放棄しろと言っているがごとくである。
この前読んだ宮本輝の本に、「人生は最後の5年間が幸せならそれでよい。」というようなことが書かれていたが、僕の最後の5年間は間違いなく幸せではないのは間違いがない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「量子テレポーテーションの... | トップ | 「数学にはこんなマーベラス... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

2023釣り」カテゴリの最新記事