イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「数学にはこんなマーベラスな役立て方や楽しみ方があるという話をあの人やこの人にディープに聞いてみた本(1 )」読了

2023年11月15日 | 2023読書
数学セミナー編集部 「数学にはこんなマーベラスな役立て方や楽しみ方があるという話をあの人やこの人にディープに聞いてみた本(1 )」読了

数学の本だが、縦書きになっていたので借りてみた。
受験生時代、数学はからっきしダメだった。多分、嫌いではなかった。文科系の受験生だったが共通一次試験では必須であったし、経済系の学部を受験しようとすると二次試験にも数学の試験があったので当然僕も数学の勉強をしていた。
二次試験に出題される問題の答えはほとんどが「0」とか「1」になった。その答えを導くために、A4の解答用紙いっぱいに数式を書くのだが、これがうまく0とか1になるとその時は気持ちがよかった。演習問題の20問に1問程度しかこういう出来事はおこらなかったが、そういったときにはつかえていたウ〇コが一気に放出されたような快感があった。だから嫌いではなかった(ように思う)。ただ、数学ができなかっただけなのである。
微分や積分はとりあえずこうやっておけばいいという程度で、因数分解はなんとかこなせる程度というのが文科系の数学だったが、それでも数列や行列、確率などとなってくるとまったくわからなかった。問題を解くときは運と勘に頼るしかなかった。
それでも、あの当時、僕でも調子がよかったら解答用紙いっぱいに数式を書いていたのだと思うと、今では驚きでしかない。

だから、数学ができる人がうらやましくて仕方がなく、到底そういう人にはなれないと思い、ましてやそれを職業に生かすとか、それをもとに何かを創るということなど想像もできなかった。
この本は、「数学セミナー」という雑誌に連載されていたインタビュー記事をまとめたものだそうだ。
数学はこんなところにまで使われているのだというようなことがそれに携わる人たちのインタビューと共に紹介されている。数式というものはまったくといっていいくらい出てこないのでインタビューを受けているひとの人生録という感じに仕上がっている。

学校の先生というのはまあ、それを教える人というのだから数学をやっているというのはわかるが、デザイナー、漫画家、小説家、木工職人、気象学、折り紙、音楽。こんな職業にまで数学が活かされているらしい。気象予報などといのうは方程式の塊だそうだ。
この本に登場するデザイナーというのは、東京オリンピックのエンブレムをデザインした人だが、あのエンブレムはひし形を組み合わせた幾何学模様になっているそうで、ペンローズタイリングというものの一種だそうである。
3種類のひし形の各辺の中点を結んだ長方形の集まりがあのエンブレムなのだそうだ。



漫画や小説などというと創作の世界だから数学を題材に取り上げるというのはわかるが、当然ながら数学を知らないと創作もできないのであるからこういう人も二刀流というのであろう。
また、Perfumeのパフォーマンスの音楽や映像にも数学が欠かせないそうで、今のシンセサイザーというのは数学的素養がないとまったく音が作れないという。こうなってくると数学はOSのような基盤であるといえる。
そんなものを駆使できる人というのがうらやましすぎる。僕にもそんな素養があればまったく違った人生を歩めたのかもしれないと思うと、悲しい生き方をしてきたと思ってしまうのである。

数学を学んだ人たちではないが、数式を書物にするための版組をしている会社の社員のインタビューも掲載されていた。分数や積分の記号などを1行の中に組み込むというのは機械化をされた今でも熟練の技が必要だそうだ。こういう人たちがいるから数学を勉強することができるのだろうが、せっかく頑張って作ってくれた版組も僕には何の響きも与えてくれなかったのである。

申し訳ない・・。
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