まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

日帰りツアーは庄原名物ガイドの独壇場で楽しませる・・・

2023年09月14日 | 旅行記F・中国

熊野神社、竜王山、大トチと庄原市西城町の自然スポットを回り終え、道中は名物ガイド・熊本隊長のトークが繰り広げられ、庄原観光推進機構主催の「比婆山おさんぽ登山」の日帰りツアーは市の中心部近くにある「食彩館しょうばらゆめさくら」に到着。

帰りは備後庄原駅17時発の広島行き高速バスに乗るのだが、それまではお買い物タイムである。ここまで予定より順調に進んでいるということで、「ゆめさくら」で約50分のインターバルとなった。

「ゆめさくら」には地元のさまざまな食材や土産物が並ぶ。また地元の酪農家の牛乳をベースにした乳製品やソフトクリームの販売もある。帰りに荷物になるなと思いつつ、私も米や地酒、地元産こんにゃくなど買い求める。比婆牛もロースからホルモンまでさまざまな部位が並ぶが、これはさすがに手が出ず、加工品にて一応買ったことにする。

ただ施設自体が小ぢんまりとしたもので、他の参加者もあれこれ買ったり、ソフトクリームをなめたりしていたが、そのうち時間を持て余すようにその辺りをウロウロしたり、限られたスペースに腰を下ろしたりする。外に出ても暑いだけだ。

その様子を見てか、熊本隊長と運転手が話をして、「ゆめさくら」での滞在を切り上げて、高速バス発車まで時間の許す限り庄原市街のスポットをバス車内から見物することになった。バス車内で涼めるのもよい。

まず向かったのは、「ゆめさくら」に隣接する「桜花の郷 ラ・フォーレ庄原」。以前は「かんぽの郷」として営業していたが、庄原市が経営を引き継ぎ、2022年にリニューアルオープンしたところ。最初からこちらを立ち寄りスポットにしてくれれば、おさんぽ登山の後にひと風呂・・となったかもしれない。

続いては、右手に広い邸宅の入口を見る。ここは元大臣・国会議員の亀井静香氏のご自宅だという。そんな、個人の邸宅を紹介してもよいのかとも思うが、庄原の人は皆さんご存知なのだろう。亀井静香、広島県内でも独特の存在感を放つ政治家だったなあ。ご自身は政治家を引退しているが、今でも三次、庄原エリアの沿道で見かける「結集ひろしま」のポスターに支援者として登場している。

その亀井邸からすぐのところに上野池がある上野公園。江戸時代に農業用のため池として開かれ、現在は桜のスポットとしても知られる。熊本隊長に言わせれば「上野公園といえば東京が有名だけど、元祖は庄原」とのこと。

そして「相変わらず人の姿を見ませんね~」と言いつつ市役所近辺を抜け、国道183号線に出る。そこは国営備北丘陵公園の入口。庄原の代表的観光スポットだが、さすがに中に入っても中途半端でしかないのでそのまま通過。

代わりにやって来たのは、国道183号線で芸備線の橋梁をくぐったところにある比婆観光センター。そのわけは、店頭の看板代わりの「ヒバゴン」の人形。「ヒバゴンにも会って来たということで・・」いや、ここまで来ると涙ぐましさすら感じる。

ここで折り返しとしたが、今日は熊本隊長もノッているのか半ばヤケになっているのか、「私の豪邸をお見せしましょう!」となった。西城川に沿って走らせる。そして1本脇道に入りしばらく走ると、城の櫓のような構えの一軒家を通過する。こちらがご自宅とのことだ。ガイドの身を削る案内に車内から笑いが起こる。ただこの邸宅、以前広島のローカル番組でも見たことがあるような。

「バスまでもう少し時間がありますけぇ、どこか行きたいところがあれば!」「もし高速バスに間に合わなければ、このバスをそのまま貸切って広島まで行きましょう!」という隊長に対して、「田んぼの中の柿の木」という声が挙がった。そういうスポットがあるのか。

さすがは隊長と運転手で、それがどこかというのはすぐ特定したようだが、そこまで行ったら帰りのバスの時間がギリギリになりそうだと一瞬心配したものの、一か八か行ってみようということになった。

その「田んぼの中の柿の木」とは「川北の大柿」というそうで、先ほどの老杉や大トチのように天然記念物に指定されているわけではないが、樹齢は500年という。

バスの車窓に、この時季のため周囲の林と同化して見えるがそれらしき木があった。秋になると今でも実をつけるそうで、その時に来るとのどかな彩が見られることだろう。

さすがにここで寄り道も時間切れとなり、折り返して備後庄原駅に戻る。「ホント、今日はいろんなことがあるツアーで、お客さんもいい方ばかりで」と締めくくり、下車時には広島行きの高速バスの切符と、お土産として刺身こんにゃくのパックを手渡し。無事に広島行きのバスに間に合い、熊本隊長のお見送りを受ける。

この便だが、市街地を抜けて庄原インターから中国道に入ると、三次に立ち寄ることなくそのまま通過する(千代田インターのみ停車)。かろうじてまだ外の景色が見える時間帯に広島に到着。

行きは芸備線「庄原ライナー」、帰りは備北交通の高速バス利用ということで、芸備線活性化とともにバスの顔も立てて備北地区の公共交通機関の利用機会を提供する一連のツアー。今回訪れたスポットもマイカーで行けばもっと早く回れて、その分他のスポットにも行けるところだが、普段団体行動があまり好きでない私でも楽しめるのがこの企画。途中、熊本隊長も「私も定年なんでお別れの言葉を考えなきゃ」と言っていたが、いやいや(雇用契約を変えてでしょうし)、これからも楽しませてほしいものである・・・。

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