駅前に出る。米子の駅舎は駅周辺整備事業のため取り壊し、橋上駅舎と南北自由通路を建設する予定である。現在は仮の窓口、改札口で営業中である。
2020年6月に開業したばかりというグリーンリッチホテルにチェックインする。米子の駅前に泊まるのもずいぶん久しぶりのことだが、島根県シリーズの最後が鳥取県に入った米子というのも妙なものだ。まあ、この数日の雪のために直前になってさまざまなルート変更があったためだが。
ロビーのインテリアも個性的で、部屋のベッドもダブルサイズである。大浴場もあるが、これは外から帰った後で楽しむことにする。
17時を回り、さっそく今回の一献。米子駅前には数々の居酒屋が並び、それぞれ日本海の幸、境港直送などとさまざまにPRしている。かといって高級店は懐の関係で見送りだし、ホテル宿泊者特典でついていたクーポン券に書かれた店は日曜定休だった(今回は、10日の日曜日、11日の月曜日という行程)し、さてどうしようか。
その中で入ったのが「山陰郷土料理かば」。島根県を中心に広がるチェーン居酒屋で、これまでの中国観音霊場めぐりの旅でも行こうと思えば行けた。のみならず、広島県でも三原駅の高架下に入っていたり、三次の駅前にもあった。果ては、先ほど安来の駅前には「本店」があった。このように看板は何度か目にしたことがあるが入ったことがなく、今回島根県最後ということで入ってみる。店員、客層とも若い感じだ。
メニューもいろいろ見るが、お得なセットメニューということで、生ビールと、刺身盛り合わせorもう一品(何だったかは忘れた)、プラス枝豆、煮込み、出汁巻き玉子、赤天の中から二品で合計1000円というのがあった。まずはそれを注文。
刺身盛り合わせも、店によってはこれだけで600~700円するかなという3種盛りが来た。また二品は枝豆と赤天にしたが、枝豆は焼いたものだったし、また「サービス。暖まってな」と声をかけられて出汁巻き玉子もつけてくれた。なかなかええで。
山陰らしいものも数多くあるが、あまり高価なものではなく手軽なところでと選択したのが、カニみその甲羅焼き、ブリのカマ焼き。カニの「身」のほうにさすがに手が出ないので(もっとも、この店ではカニは扱っていなかったが)、みそのほうである。それほどカニが食べたければ、ロシア産やカナダ産の冷凍ものでよければ近所のスーパーで奮発して買って自分で鍋でもこしらえるわ・・・と強がってみるが、まだ実現していない。それはさておき、カニみそ甲羅焼き、ブリカマもそれぞれ食べごたえがあってよかった。
カウンターに酒瓶をかたどったメニューがあり「イロハニ枡」とある。山陰の酒の飲み比べということで、「からくち」「うまくち」「はなやか」のコースが選べるとある。それぞれ4種類の銘柄がある。私もそれぞれの酒について語れるほど詳しくはないので、こういうコースは面白い。
「からくち」コースには「八郷」(伯耆町)、「やまたのおろち」(松江市)、「開春」(温泉津)、「瑞泉」(岩美町)と、伯耆、出雲、石見、因幡4ヶ国揃い踏みである。他のコースでも鳥取、島根から2種類ずつ出るようだ。「イロハニ枡」というのは、お猪口4つが入るだけの枡のことで、四辺それぞれに「イロハニ」の文字がある。その文字のところにある酒がそれぞれの銘柄だ。一人酒でもそれぞれに違う味わいを楽しめるのが面白い。
部屋飲み用も仕入れていたし、酒場の風情も味わえたのでこれでホテルに戻る。大浴場へと入浴したのは二股炭酸カルシウム温泉というもの。北海道に二股温泉というのがあるそうで(北海道のどの辺か知らんけど)、そこの天然石灰華の成分を取り出した人工温泉で、炭酸カルシウムを含むという。まあ、皆生温泉の湯にしては少し離れすぎている。ただ、皆生温泉の湯はカルシウム成分を多く含むというから、全くの的外れというわけでもなさそうだ。
湯上りは部屋にて、年明けの本州~九州~四国行きの旅行記のブログ記事を書きつつも、NHK-BSにて「レジェンドの『目撃者』 サブマリン山田久志」を観る。山田久志の独特のアンダースロー、日本シリーズで王貞治に打たれた逆転サヨナラ本塁打、豪速球で1年目に大活躍し、それが山田の野球人生の大きな転換点となった山口高志の存在・・・。パ・リーグを代表する投手で、またしゃべりも上手い。やがてパソコンの手を停めて思わず見入ってしまう。副島萌生アナウンサーのアンダースローもまたよし。
さて翌朝1月11日、朝風呂に浸かった後で朝食である。チェックイン時には、コロナ対策として朝食はプレート形式で提供するという案内があったが、実際には通常通りのバイキング方式だった。まあ、準備する人の立場とすれば、いちいち見込み客分のプレートを用意するよりは、手指の接触や口からの飛沫への対策ができるのであれば、バイキング方式で出したほうがよほど手間が省けることだろう。ここの朝食の売りは旬の野菜で、トッピングもいろいろ用意されている。ホテルの内装も含めて、結構女性客を意識したサービスなのかなと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます