まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

越後湯沢から只見線へ(後)

2006年10月18日 | 旅行記C・関東甲信越

P1011358 昼の列車で小出駅に着く。一番端に位置する只見線ホームには、「只見風っこリレー号」というのが停まっている。トロッコ型気動車の「風っこ」の運転が会津若松~只見の往復で、その先の只見~小出は「リレー号」という名の臨時列車が出る。こちら、元の「急行色」に塗りなおされたキハ58+キハ28という編成。車内はほぼ100%、この先の「風っこ」に乗り継ぐとおぼしき人たちばかりだ。先客がボックス席を占領していたので、車端部のロングシートに陣取る。反対側のロングシートに座っていた男性客が、私の横の窓を全開にする。「どうせこの先トロッコだから、一緒でしょ」と。私も異存はない。そしてディーゼルエンジンの音が大きく伝わってくると「この感じがいいよね。何なら、このまま会津若松まで行ってくれてもいいんだけどなー」と。

P1011364 辺りの水田はほぼ刈り入れも終わったが、秋の風情の下、気動車は走る。車窓には日本の原風景ともいえる田園地帯が広がる。この只見線、列車本数が少ないローカル線というのがファンの「乗り気」を掻き立てるのだろうが、今や懐かしい日本の農村風景をたどるというのが、旅人の心をくすぐるものである。そのあたりが人気の要因だろうか。

リレー号は只見までの間、大白川のみ停車。ほとんど汽車旅ファンの貸切状態。それを見越してか、「魚沼市」のハッピを来た女性がパンフレットを乗客に配布して回り、それだけではなく弁当や飲み物の販売もやりだした。普段ならここで弁当というところだが、何せ先ほど「大爆おにぎり」を食べたばかりである。腹のほうはこの先しばらく持ちそうなので、ワンカップだけ買い求める。(実は先ほど越後湯沢で、アルビレックス新潟のマークの入った、柿の種ならぬ「勝ちの種」をもらっていたので、つまみも大丈夫なのだ)

P1011369 只見ではホームの向い側に、「風っこ」が停車していた。とりあえずホームで記念撮影する人でごった返す。乗り換えがわずか5分しかないのがもったいない。窓が切り取られ、木製のイスが並ぶ席に陣取る。4人がけだが、私のボックスには相客がおらず、買い占め状態である。

P1011373 その「風っこ」、先ほどのリレー号でも窓を開けていたが、あれよりも開放的なので、風がモロに入ってくる。今日はジャケットを持ってきていてよかった。自然の風を満喫できるのは気持ちよいが、トンネルに入るとさすがにヒンヤリとしてきた。それでも普段なかなか体験できないことだけに、乗客からの歓声もあがる。

P1011378 列車は只見川に沿って走る。ダム湖でもあるからか、水量も多く、流れが静かで実にゆったりしている。会津の山奥にあって、水力発電というのは重要な産業なのだろう。

こんな列車なので、沿線からもカメラの被写体になったり、並行する国道で追い抜いて行ったクルマが、先回りしてこの「風っこ」に手を振って出迎える、などという芸当をする。「風っこ」自体はスピードを落として走るが、それだけにじっくりと周りを見ることができる。列車の中と外にいて、お互いに手を振る光景というのもほほえましい。このオープン型車両の存在感は、他の気動車ではマネができない。

P1011391 会津宮下着。ここで列車の行き違い。ここは格好の記念撮影タイム。また、地元の人が、地元の湧き水をふるまってくれたり、ちょっとした小休止である。タブレットの交換が見られるのも珍しい。

P1011399 この後、会津柳津、会津坂下と停車する。もっともこの辺りになってくると、旅の疲れか、ボックス席真ん中のテーブルに顔をおろして昼寝する人もいる。

只見から3時間弱で、終点の会津若松着。当初の予定では磐越西線で郡山に出て、東北線を乗り継ぐのだったが、急に気が変わり、会津鉄道のホームに停まっていた気動車に乗り込む。この会津若松から会津鉄道・野岩鉄道、そして東武鉄道という乗り継ぎで、北千住まで戻ることができる。「鉄道の日記念乗り放題きっぷ」の範囲からは外れるが、どこまで日が持つかわからないまま、初めての路線にカネを払って乗るのもよいだろう。

P1011406 で、結局途中の会津田島まで乗り、会津田島からは東武の急行形、ボックスシートに陣取って帰京したのである・・・・。またこのルート、日のあるうちに通ってみたいな。

今回は日帰りだったものの、朝早くからいろいろなものに触れることができた。まだまだ魅力的なスポット、車窓の美しさを持つローカル線には、まだまだこれからも訪ねてみたいものである・・・。

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1 コメント

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なるきちは、只見を並行したいみたい。 (BlogPetのなるきち)
2006-10-19 17:43:25
なるきちは、只見を並行したいみたい。
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