まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

関西私鉄「サイコロしりとり」の旅2013秋・2-1

2013年11月22日 | 鉄道企画もの

秋というよりは朝晩も冷え込む11月も早くも下旬。今年もあっという間に残り1ヶ月あまりである。

先に伊勢神宮への参拝記事を書いたが、16~17日の予定がそのように変わったということで、それならばと17日は「サイコロしりとり」を行うことに。拙ブログの読者の皆さんからすれば「いつまでやっとんねん」と思われるかもしれないが・・・。

Dscn3368さて、前回の和歌山市に続いての出発点となったのは京阪京津線の四宮。京阪の京津線、石山坂本線というあたりは駅数が少ないが、滋賀里、三井寺に次いで3つ目の駅となる。ということでまたも朝の京阪電車に乗り込む。朝の時間帯だと急行でも特急型車両を使った便があり、最前列に陣取って前方の景色を楽しみつつ・・・眠りを補充する。この「サイコロしりとり」、朝の移動というのが結構長く感じる。これまで中書島、八家、松ノ浜、貝塚、志染、大開と、自宅から比較的遠いところまでまずアプローチしている。

Dscn3369Dscn3370三条から地下鉄東西線~京津線直通運転の浜大津行に乗り、四宮に来た時には7時半を回っていた。ここは京津線の小ぶりな車庫があるなという記憶を持ってやってきた。ちょうど京都と滋賀の境目ということで、国道1号線、東海道線などが寄ってくるところである。

Dscn3373この四宮というのは何か由来があるのだろうか。少し駅前を歩くことにして駅前に出る。やや狭い幅の道に出るが、これは旧の東海道。別に宿場であったということはなく、古くからの街並みが残っているというわけではないが、表札に「四宮」とあるお屋敷もあったりする。

Dscn3374旧東海道を歩いて3分ほどのところに、小ぶりなお堂を見つける。徳林庵の六角堂というもので、「伏見六ぢざう」の道標もある。ここに四宮の解説があったので見てみると、平安の世、仁明天皇の第四皇子の人康(さねやす)親王というのがいたのだが、病気で失明し、出家して山科のこの地に入ったという。四番目の宮様ということで「四宮」になったとか。隠棲生活の慰みか、和歌や琵琶に長けていたということで、後に琵琶法師の祖とした崇められるようになったそうだ。

Dscn3379徳林庵のところに、周辺の案内図とシールがケースに入れられていた。弦楽上達の祈願めぐりということで、徳林庵をはじめ4つのスポット(四宮に因んで)でシールを集め、それを四宮駅の改札口に提示すると記念品がいただけるという。残りのスポットもそれぞれ5分ほど歩けば行けるところで、ちょうど四宮駅に戻るコースになっている。朝の散歩も兼ねて歩いてみることにする。

Dscn3377Dscn3378徳林庵に次いでやってきたのが、JRのガード下をくぐって少し歩いたところにある諸羽神社。こちらも9世紀後半の創建で、小ぶりではあるが清々しさを感じる。先の人康親王が座って琵琶を弾いたとされる琵琶石などという岩も残されている。もっとも、21世紀の現在は拝殿などに「下校性はここに座らないように」という注意の貼り紙がしてあったが、子どもたちの遊び場というところなのかもしれない。

続いては十禅寺。こちらも人康親王が開山したとされるが、戦火などで荒廃し、江戸時代に再興されたもの。拝観することはできなかったが、こちらには親王の坐像や琵琶なども安置されているという。ここで3つ目のシールを獲得。

Dscn3380最後は人康親王が琵琶や琴など弦楽器の祖として祀られた四宮大明神である。ただここは立派な境内が広がって・・・というのではなく、地図では「狭い路地を抜けたところ」とある。確かにその通りに狭い路地の奥に、住宅と線路に挟まれるように小さな祠が立っていた。親王を祀るにしてはえらく粗末なもので、これならいっそのこと諸羽神社に遷したほうがよいのではないかというくらいである。しばらく立っていると、する横の家からトースターの「チーン」という音がした。

この祠の下にシールの入ったケースがあり、そこには別の紙も入っていた。これに名前などを書いて駅に持っていくと記念品をいただけるというものである。4つのシールを集めながらの4つの神社や寺参り、「四宮」という駅名とうまく合わさったミニ散策コースである。弦楽器の神様というのも、ひょっとしたらその筋の人たちには有名な存在なのかもしれない。

さて、四宮から次はどこに行くか。せっかくなので、四宮大明神、人康親王のご託宣?ということで、ここでサイコロタイムとしよう。四宮の「や」から始まるのは・・・

1.八戸ノ里(近鉄奈良線)・・・これはひょっとしてあの歴史作家の記念館の最寄駅か。

2.近鉄八尾(近鉄大阪線)・・・藤井寺の隣の市だが、駅前のことはあまりよく知らない。

3.八木西口(近鉄橿原線)・・・古い町家の並ぶ今井町の最寄駅。

4.八瀬比叡山口(叡山電車)・・・比叡山のたもと。

5.矢田(近鉄南大阪線)・・・毎日通過している駅だが降りたことがない。

6.山下(能勢電鉄)・・・妙見口と日生中央の分岐駅。

近鉄の駅が4つ、ただ京都にいるのだから八瀬比叡山口もいいかなと思う(ただし、その次は自動的に大阪南部まで行くことになるが)。さてどうだろうか。

そしてサイコロは・・・・「1」。八戸ノ里である。なかなかいいところを出してくれたと思う。

Dscn3382駅に戻り、先ほどの用紙と4枚のシールを改札口に差し出す。物腰柔らかそうな駅員は「ようお参りでした」と、神社のお札授与所の人のようなことを言って、奥から何やら出してくる。四宮と人康親王に因んで、琵琶のイラストが描かれた4枚の小さなマグネット。これも京都の一つの姿だなと、何だか奥ゆかしさを感じた(もちろん、シールはそのまま持ち帰りとなった)。

Dscn3383さて四宮からはどう移動するか。まずは三条まで戻り再び京阪本線に乗るが、このまま天満橋、北浜辺りまで戻って地下鉄~近鉄奈良線に乗るか、あるいは丹波橋で近鉄京都線~近鉄奈良線をたどるか。もう京阪本線は「サイコロしりとり」で何度も行ったり来たりしているので、ここは初めての近鉄京都線に乗る。そして少しでも早くということで、丹波橋からあえて有料の特急に乗車。柔らかな日差しを浴びながら、ゆったりとした特急で大和西大寺まで向かう・・・。

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