まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第33番「華厳寺」~西国三十三所めぐり2巡目・28(華厳寺への道)

2018年08月06日 | 西国三十三所
醒ヶ井を10時05分発の列車に乗り、関ヶ原を越えて岐阜県に入る。10時32分に大垣に到着。

これから谷汲山を目指すが、前にも書いたように大垣からだと養老鉄道で揖斐、あるいは樽見鉄道で谷汲口まで行き、揖斐川町のコミュニティバスに乗る。1巡目に満願として来た時は前日に大垣に泊まり、早朝の樽見鉄道で谷汲口まで行き、徒歩で谷汲山に向かった。帰りはコミュニティバスで揖斐に出て、養老鉄道に乗っている。

今回は、10時40分発の樽見鉄道に乗る。養老鉄道で行ってもコミュニティバスの便がないことからこの選択だ。ちょうど大垣までの列車が到着したのと同じホームから出発する。専用の窓口で乗車券を購入しようと運賃表を見ると、大垣から谷汲口までは片道670円だ。

・・とそこへ、窓口にお得なきっぷの貼り紙を見つける。「養老鉄道・樽見鉄道谷汲山周遊券」というものだ。先に書いた谷汲山へのアクセスで、養老鉄道、樽見鉄道のどちらで行ってどちらで帰ってもよく、揖斐川町のコミュニティバスが乗り放題となる。華厳寺だけでなく、その先の横蔵寺への往復にも使える。両鉄道による共同商品である。

面白いのはそのきっぷで、鉄道もアピールしているのだが、かつて国鉄で発売していたミニ周遊券をイメージした紙のきっぷである。貼り紙に「限定発売」とあったのは紙のきっぷだからだろう。2枚綴りになっており、1枚目は大垣から「谷汲山自由周遊区間」までということで谷汲口(または揖斐)までの乗車券、そして2枚目がコミュニティバス乗り放題と谷汲口(または揖斐)から大垣までの乗車券となっている。これで発売価格は1000円。谷汲山への鉄道利用増加をもくろむきっぷで、十分に元が取れる。

他にも、樽見鉄道の1日フリーきっぷもあり、根尾谷の断層や、終点樽見からうすずみ温泉に向かうのにも使える。窓口に並んだ人も1日フリーきっぷもしくは谷汲山の周遊券を買い求める人が多い。ボックス席を備えた車両だが、発車間際に乗り込んでくる客も多く、座席がほぼ埋まる形で発車する。この時間で35度近くまで行っているか、進行右側(東側)の窓のカーテンは皆閉められている。

揖斐川の橋梁を渡り、進路を北に向ける。大垣から4駅目の美江寺(みえじ)は中山道の55番目の宿場町である。こちらも幕末に皇女和宮が徳川家茂に嫁いだ時に通ったのをアピールしている。

またこの辺りは柿の栽培が盛んである。さすがに夏のこの暑さで葉っぱがへたっているように見えるが、また秋になれば実をつけるだろう。毎日暑い暑いと言いながらも、もう3~4ヶ月もすれば寒い寒いと震えることになるはずだ。

モレラ岐阜に到着して、半数以上の客が下車して行った。モレラ岐阜は地元の人たちに親しまれている大型ショッピングモールで、下車したのは小さな子どもを連れたママ友や、中高生といったクルマを運転しない人たちがほとんどだが、樽見鉄道にとってはモレラ岐阜への利用客は貴重な収入源である。

本巣で行き違い停車をして、織部焼のふるさとである織部を過ぎると、揖斐川に注ぐ根尾川が出てくる。水遊びや鮎釣りなど、夏の楽しみがある。水の事故には注意しなければならないが、こうした自然の遊びができるのを羨ましく思うところもある。

11時25分、谷汲口に到着。私のほかに8人が下車した。そして、駅前に停まっていた谷汲山行きのコミュニティバスに乗り換える。10分あるのでトイレやタバコ休憩の後で出発する。ちなみにコミュニティバスの運賃は100円。桜や紅葉の時季は混雑するのだろうが、他のシーズンはこんなものだろう。前回は1時間弱かけて歩いた道を、10分足らずで走る。華厳寺の参道を入ったところのバス停に停車する。

バス停から華厳寺まで八丁(一丁は約108メートル)の石碑が立ち、バスを降りた人たちはぞろぞろ歩く。参道の両側は華厳寺の参拝客を当てにした店が並ぶが、この時季は客が少ないのか店の人も手持ちぶさたのようだ。休みなのか閉店したのかわからないような店も目立つ。その中で、納経軸の軸装を承ったり、散華の台紙や本尊御影の額を取り扱う店には足を停める人もいる。私も西国の2巡目では各札所のカラーの本尊御影を集めており、全部揃ったら額に並べるのもいいかなと思っている。その時市販の額を買ってもいいが、こうしたプロの手に委ねるのもありかなとも思う。

仁王門にたどり着いた。本堂まではあと少しだ・・・。
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