室戸岬を回ってから進路は北西に向かう。室戸市の中心部を過ぎ、やってきたのは道の駅「キラメッセ室戸」である。
朝から走ってきて昼も回り、そろそろ昼食どきである。「鯨の郷」という看板が出ている建物に入る。今では高知の室戸沖といえばホエール・ウォッチングの名所であるが、かつては捕鯨が盛んだったところである。現在は室戸が調査捕鯨の拠点というわけでもないが、こちらではクジラ料理を出してくれるということで昼食スポットとする。
注文したのは「鯨御膳」。赤身の刺身に竜田揚げ、サエズリの酢味噌和えに赤身のタタキ・・・と、御膳の各コーナーを占める。それぞれがしっかりした味を出している。いつぞや、「鯨の町」ということを看板にしている和歌山の太地町で同じような御膳をいただいたのだが、どれも解凍前のカチンコチンの身だったりというのがあった。それと比べれば、現在捕鯨を行っていない室戸でこういうしっかりした味を出せるのは素晴らしいと思う。
順序が逆になったが、この道の駅には「室戸鯨館」というのが隣接している。こちらにもしっかり訪問する。
室戸は古式捕鯨が盛んだったところで、クジラがいるとなれば大勢の船団を組んで網で追い詰め、クジラを網で捕獲してモリでとどめを刺すというやり方。クジラの捕り手も分業制が敷かれており、このように捕獲する組があれば、沖に揚げられたクジラを解体する組もあり、それぞれが一つの船団として動いていたところである。説明資料では「300人以上の社員を抱える大企業」という言い方をしていた。
この室戸でのクジラの水揚げというのは、多い年で年間数十頭にも上ったという。まあ、ホエール・ウォッチングでクジラを見ることができる確率がそれくらいだとすれば、江戸時代にはそれくらいの数は間違いなく獲っていたということだろう。食べるか、見るか・・・まあ、時代の違いなんだろうな。ちなみに、私が室戸を訪れた時にはクジラの気配などこれっぽっちもなかったが。
これも高知の一つの面ということで満足して、雨の中をもう少し走らせることにする・・・。