2013年の大晦日、平戸から佐世保を経て長崎に向かう。今回、大晦日と元日は長崎に宿泊し、2日は島原に移る予定だったが、現地での予定変更で2日は佐世保泊となった。よって、これから乗る大村線を往復する形になる。
J2のV・ファーレン長崎仕様のシーサイドライナーから、早岐始発の各駅停車に乗り換える。今回は青春18きっぷを使用していないが、やはり鈍行に乗れるところは乗っておきたい。大村線も久しぶりである。ホームにいるのはキハ66・67形。
国鉄型気動車だが、車内は転換クロスシートが並ぶ。ものの本によれば、かつて関西の新快速として走っていた117系の気動車版とも称される。先のシーサイドライナーが立ち客も多かったのに対して、同じ2両でもこちらは数えるほどしか乗っていない。
早岐を出てしばらくすると右手にしゃれた建物が見える。こちらがハウステンボス。年越しのイベントも行われるようで、駅と敷地を結ぶ通路はそれなりの人だかりがある。この列車からも下車する人が多く、いよいよガラガラになった。私としては車窓で外側だけを見て、ハウステンボス見学は終了。
それよりも「南風崎」とか「小串郷」とか、海沿いの西の路線を走っているなと実感させる駅名の数々が楽しい。
大村湾も沿うようになってきた。朝方は平戸で小雨にも遭ったが、午後の大村湾は時折日差しもあり、暖かさを感じる。時折列車と交換しながらのんびりと進む。久しぶりに、こうした国鉄型車両での「汽車旅」の雰囲気を味わう。
諫早から喜々津を経て、「長与回り」を通る。長崎本線に2つある路線で、こちらのほうがそのまま海沿いを走るので風情がある。すっかり収穫を終えたミカン畑、穏やかな海。この辺りは和歌山の紀勢線の車窓にも通じるものがある。
長崎に到着。経度であれば佐世保のほうが西にあるのだが、やはり日本の西の終着駅ということになれば長崎ということになる。10年半ぶりの訪問、はるばる西に来たなという感じがする。駅前を路面電車が行き交う風情というのもよいものだ。
2泊お世話になるのはワシントンホテル。ネットで検索した時に1泊朝食付き3600円という限定格安部屋を見つけたもの。まずは路面電車の築町まで向かってチェックイン。まあ部屋は、前日に平戸海上ホテルのような和洋室に泊まったから余計にそう見えたのか、狭く感じる。おまけに窓の外は建物に遮られ、かすかにしか景色は見えない。まあ、格安部屋ということならそんなもんだろう。
とりあえず部屋に荷物を置き、2013年最後の夜となる長崎の街並みに繰り出すとして・・・・。