まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大阪クラシック~近鉄対南海第2戦

2013年04月21日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

「大阪で一番強いんはどっちや?」

Dscn0036開幕前から期待度の高かった「大阪クラシック」。オリックス・バファローズが近鉄の、ソフトバンクが南海の、それぞれ80年代のユニフォームを着用しての3連戦。これまで復刻ユニフォーム試合はオリックスもソフトバンクも行ってきたが、両チームがともに着用しての対戦はパ・リーグで初めてという。「大阪」というのをキーワードにしたこともあるが、今回の企画はむしろ南海側が積極的に協賛しているようだ。

そういう試合ならばと、私よりも野球観戦歴の長い鈍な支障氏をお誘いしての今季初の「混戦BB会」観戦である。私は近鉄の帽子に復刻オリジナルユニフォーム、支障氏も南海のライトグリーンのヘルメット持参で大正ドームに現れる。

Dscn0034開門前にグッズ売り場をのぞいたが、近鉄だけでなく南海グッズも数多く並べられており、両チームのファンがそれぞれの商品を買い求める姿が見られる。面白いもので、グッズ売り場や入門を待つファンの姿を見ると、オリックスのバッグを肩からぶら下げた南海ユニフォームの人や、帽子が南海でユニフォームが近鉄だとか、中には阪急の帽子、ユニフォーム姿もいたりとか。そこにブルーウェーブや現在のオリックス・バファローズ、ダイエーにソフトバンクが加わる。この日はそれぞれのファンの「系譜」を見るようで面白いものであった。当時を知る人も、知らない人も。

Dscn0115さらに、堺市の博物館でも南海ホークスの歴史を展示しているという。この点は近鉄ももう少し見習ってほしいところであるが、やはり関西パ・リーグの歴史と伝統ということになると南海ということになるのかな。5月半ばまでの展示のようだが、時間があれば行きたいものである。

Dscn0042Dscn0043場内では当時藤井寺球場で売られていた幕の内弁当も復刻ということで購入する。掛け紙が藤井寺球場の写真をバックにしたものでこれだけでも十分。ただ私、藤井寺球場で幕の内弁当を食べたという記憶がない。父親と行っていた時は家で作った弁当持参だったし、その後自分で行くようになってからはビールに焼きそばとか、そんな感じだった。でもまあ、昔ながらの盛り付けやおかずは悪くなかった。

Dscn0064試合前のメモリアルピッチには、歴代3位の本塁打数を誇る門田博光氏が登場。その前に一塁ベンチ前で捕手役のT-岡田とキャッチボールをしたり、後輩にあたる森脇監督とも談笑していたが、2人とも最敬礼である。門田氏はT-岡田に長距離砲としての可能性を期待しているようだが、T-岡田も真の「浪速の轟砲」を目指すならもっと精進が必要だろう。門田氏も小柄ながらフルスイングを貫いて、故障を乗り越えて本塁打にこだわりを持っていたのだし。

Dscn0075メモリアルピッチでは、ソフトバンクの将来の大砲候補として期待される柳田を相手に投球を披露。T-岡田を含めた3ショット、門田氏の伝統を受け継ぐ選手になってほしいものである。

Dscn0116Dscn0084さて試合。近鉄は西が先発。レフトスタンドからは早速南海の選手の応援歌が流れてくる。誰がどの応援歌か一部わからないのもあったが、山本、佐々木、門田、岸川、湯上谷など、南海らしい曲調の応援歌を思い出す。

Dscn0087一方の南海の先発は左腕の山田。今度はライトスタンドから大石、新井、栗橋、石井、ブライアントなど、往年の応援歌が流れる。この日一番に入った川端がヒットで出塁し、坂口がバント。その後、李大浩が敬遠気味に歩かされて迎えるは5番に上がったT-岡田。しかし3ボールナッシングから手を出したボールに内野ゴロ。

Dscn00952回、先頭の後藤の打球がライトに高く上がる。これが先制のソロ本塁打となった。この回はさらに川端の犠牲フライで1点が入り、2対0と近鉄リード。

Dscn0103「いてまえ打線」を彷彿とさせたのは3回。糸井がヒットで出塁し、李大浩のところで盗塁。李大浩が鮮やかにタイムリーを放つ。さらにバルディリスが2人目の有馬からタイムリーでこの回合計2点。俄然、ライトスタンドも応援のボリュームもあがる。この回はずっと「いてまえ~!」ということでチャンステーマの「暴れん坊将軍」が続いた。

さらに4回も有馬、金無英からヒットと四球で満塁として、今季満塁本塁打2本のバルディリスを迎える。結局押し出しで1点で5対0と一方的な展開。ここまででかなりの試合時間となっており、これも混戦BB会らしいといえばらしいのだが、支障氏も「勝っている試合だからそれほど時間も気にならないでしょう」と余裕なものである。

西も南海打線相手に力投を見せ、5回に今宮にタイムリーを許したものの6回まで安定した投球。

Dscn01066回裏には李大浩が激走を見せる。右中間への二塁打で出塁し、T-岡田の右飛で三塁へのタッチアップ。そして後藤のところで南海3人目の山中が暴投。この隙を突いて三塁から突入を図る。返ってきたボールにタイミングはアウトかと思われたが、そこをうまく回り込んでセーフ。「滅多に見られないプレーやね。李大浩の激走、ええもんでした」と支障氏。

Dscn01187回表には灰田勝彦バージョンの「南海ホークスの歌」が流れる。この曲も今に受け継がれる懐かしい応援歌である。ホークスファンも大合唱だし、私も口ずさむ。

Dscn0122さて西もこのまま完投で・・・・と思った矢先、グラウンドに輪ができて西本投手コーチとトレーナーが急いで駆け付ける。何があったか、ここでベンチに下がりそのまま岸田に交代となった。「前の試合でも終盤に何か変な動きだったから、何か故障が発生したのかな」という支障氏であるが、それが本当だとしたらちょっと心配である。まあ6対1という差になったから大事を取ってということもあると思うが。

Dscn01287回裏、今度は近鉄バファローズの歌。「飛ぶ雲、飛ぶ声、飛ぶボール・・・」当時の12球団でもっとも短く、シンプルな歌詞の球団歌ではないだろうか。両方の懐かしい球団歌が流れるのもよいものである。

この後は両軍とも得点には至らず、5点差であるが7回は岸田、8回佐藤、そして9回には平野を投入する。何も平野まで投入しなくてもと思うが、それだけ森脇監督が「勝ち方」にこだわりがあるのか、あるいは登板間隔が空きすぎてもよくないというのか。

Dscn0139レフトスタンドからの声援はずっと落ちることがなかったが、結局は6対1で近鉄の勝利。前夜は20何年かぶりに「南海、近鉄に雪辱」となったが、今回はお返しである。「南海電車ではよ帰れ!」のコールも久しぶりに聞いた。

Dscn0144インタビューは先制本塁打の後藤と、7回初めにマウンドを降りた西。「インタビューに出て来られるということは、大丈夫と思っていいですよね?」という質問に「大丈夫です」と答えていた。まあ、何事もなければよかったが「次は完投や!」との声も飛ぶ。

Dscn0070勝ち負けもそうだが、近鉄、南海、双方の風情を感じることができて支障氏ともども満足である。この「大阪クラシック」、今後も何らかの形でぜひとも続けてほしい。ここまで1勝1敗、21日の第3戦で「大阪で一番強いんは・・・?」が決まるが、今年に限らず継続してほしいイベントである。

え?・・・そうなると現在のオリックスのもう一つの系譜(というか、こちらが本流だと思うが)である阪急はどうなるのか。このところ、やたら近鉄が優遇されているのではないかというのもあるし。

支障氏と話したのは、阪急ユニを復刻されるとして格好の舞台がある。それは阪神との交流戦ではないだろうか。近鉄対南海が「大阪で一番強いんはどっちや?」ならば、阪急対阪神なら「西宮で一番強いんはどっちや?」というのはどうだろうか。日本シリーズでは結局対戦する機会のなかった、鉄道会社同士でもライバル関係にあった両チームを復刻させるのも面白いかも(ただ、西宮で一番強いて・・・・。市内の不良グループ同士が武庫川の河川敷あたりでガチ勝負するのとは違う)。

21日の試合は観戦することができないが、このクラシック企画を次に生かすことも含めて選手たちには頑張ってほしいものである・・・・。

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