まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

松江・2日目の夜

2013年01月11日 | 旅行記F・中国

日御碕を訪れた後で出雲大社前駅に戻る。こちらまで戻ると雨も小降りとなり、先ほど強い海風にさらされた私をあざ笑うかのようである。

Dscn8036列車の発車まで時間があったので、駅横に保存されている一畑電車のデハニ50を見に行く。これを体験運転するということは叶わなかったが、こちらでは内装を開放しており、昭和初期の名車と触れ合うことができる。朝に松江からやってきた時ものぞいてみたのだがまだ扉が開いておらず、このタイミングということになった。

Dscn8081Dscn8084今でこそ鉄道ブームだとか、映画「RAILWAYS」で登場するところから一般の観光客にも人気の一畑電車であるが、鉄道旅行作家のあの故・宮脇俊三氏が編集者と全国のローカル私鉄を訪問した紀行文の「時刻表おくのほそ道」では、1980年代初めのルポとは言え、おそらくデハニ50と思われる車両や出雲大社前駅の建物はオンボロにこき下ろされている。時代によって何が乗客に受け入れられるかわからないし、鉄道紀行作家の書くことが必ずしも後の世にマッチするものではないということを現しているようである。

Dscn8087洋風のステンドガラスもはめ込まれた駅舎で待つうち、多くの観光客が入ってきた。外の雨はやんだとは言え風は強く感じる。窓越しにデハニ50を眺めることができる駅併設のカフェもカップル客中心に賑わっている。

Dscn8093ここからもう松江に戻るわけだが、乗るのは急行の出雲大社号。元京王の車体を一畑オリジナルに塗色し、内装のシートは元小田急ロマンスカーのそれを一部使用している。

Dscn8095Dscn8096車内は1列×2列の構造になっているのも、特別な車両であるとのアピールだろう。2列シートの元特急車両の座席に腰かける。なかなか座り心地のいいものである。

松江しんじ湖温泉駅に到着。ここでいったんバスで松江駅前に戻る。この日もどこかで海産物を中心とした夕食になるが、さすがにホテルから店案内のパンフレットを持ってきた。これを見る限りでは松江駅前でも「探せばある」という感じである。

Dscn8106その中で選んだのが、宿泊とは別のホテルアルファーワンの1階にある「丸善水産」という店。ちょっと値が張りそうだが、松江らしいものの品揃えのアピール度は高そうである。

 

Dscn8101私が店に入った時はカウンターにも十分空席があったが、すぐ後から次々に客が来て満席に。えらい人気の店のようである。目の前には境港水揚げという松葉ガニが活きたまま生け簀の中を右に左に這っている。10杯はいるかな。1杯捌くと4千円ということもあり今回は見送り、カニの動きを目で楽しむ。そんな中、私の目の前で3杯くらいは掬われた。地元の人の忘年会、あるいはグループ旅行の客用だろうか。

Dscn8099代わりにいただいたのが、寒ブリに宍道湖七珍の一つでもある白魚の造り。白魚はツルッとした感じだが歯応えは十分にある。なかなか味なものだ。

Dscn8103そしてしじみ。しじみのガーリック醤油というのがあったので注文すると、コンロに乗った小鍋にしじみがどっさり。何匹いるのかな。オルニチンは体にいいと呪文のように言い聞かせながら中身をほじくり出すのも結構間が持つものである。その後の汁も、しじみのエキスが染み出ているようで美味しく感じた。

Dscn8105そして最後に(このメニューが目についたのがこの店を選んだ決め手)「松江おでん」をいただく。ローカルなおでんといえば名古屋や静岡、姫路当たりが思いつくが、松江というのは初めて聞いた。

店内のメニューによれば、日本海の魚介類の出汁をベースに、具材の上からは岩海苔、水菜、そしてゴマを振りかけるのが特徴という。結構あっさりした味だが、岩海苔がいい香りを出している。なかなか、悪くない感じだ。

Dscn8111この日は「一杯一杯復一杯」の李白は飲まなかったが、松江の味というのもいいなと連夜感心することになった・・・・。

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