まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

宇高航路を行く

2012年11月14日 | 旅行記G・四国

津山からの列車に乗るために前日に岡山に宿泊したという話の続き。

岡山駅前で夕食ということになったが、このままホテルに戻るにはまだまだ時間が早い。というわけでどこかに出ようということだが、そこで思いついたのが「宇高航路」。

「阿房列車」の傍系とも言える「阿房航海」。フェリーに乗るという経験もありそうでなかなかできるものではなく、岡山から宇野線で宇野まで行き、そこからフェリーで高松、そして瀬戸大橋線で岡山に戻るというミニトリップはどうだろうか。・・・ということで、岡山から宇野線の列車に乗り込む。ちょうど宇野まで乗り入れるということで、すっかり暗くなった車窓を眺めながら列車に揺られる。

Dscn6988そして1時間弱でやってきた宇野。ここは漫画家・いしいひさいち氏の出身地ということで、街の観光にもいしいキャラクターが一役買っている。街中にも作品を展示したスポットもあるらしく、いずれここを目的地として旅するのもいいかなと思う。まあこの日はすっかり夜も更け、駅前の港にフェリーの案内が出ているのを見る。

ここで、遅ればせながらニュースに接することに。国鉄の宇野~高松間の宇高連絡船と並ぶ本四航路の看板であった宇高国道フェリーが、この10月17日をもって休止になっていたというのである。瀬戸大橋の開業の影響が長年響いたということもあるし、このところの瀬戸大橋の通行料の値下げもあって経営は苦しかったという。一種の「国道」という扱いだったのが途切れるというのも切ない話である。何とかならなかったのかと思うが、以前に乗船した時の閑散ぶりを思うと、これも致し方なかったのかな。

Dscn6992現在はもう一つの民間航路である四国フェリーが細々と営業している。宇高国道フェリーがいる時はそれぞれが補完しあうダイヤということもあって、宇野~高松間の航路はそれなりに充実していたが、これでは右肩下がりである。「四国フェリー」のネオンの真ん中の「フ」の文字が消えてしまっているのにも哀愁を感じる。

事前に時刻を調べることなく宇野駅にやってきたが、ほどなく出航するということで乗船券を買い求める。その値段が670円なのだが・・・・何だか高くなってないか?確か片道は300円台と思っていたが、私の間違いだろうか。もし値上げしていたとすればえげつない話である。

Dscn6995何台かのトラック、自家用車と、数人の歩行者を乗せて出航。中央の客席に行くがガラガラ。ベンチ型のシートに横になっても誰も何も言わない。まあ、ドライバー、ライダーにとってはこの1時間というのは貴重な休憩時間である。ボーっとして客室内のテレビを見るともなく見るという人が多い。

Dscn6996短時間の航路なら甲板に上がって周りを眺めながらゆったりするのが私の船旅であるが、この日は風が強い。ジャケットを羽織っているもののそれも役に立たないかのようである。

Dscn7014それでも過ぎ行く宇野港、はるか右側に見える瀬戸大橋の電飾、そしてまだ前方に小さく見える高松の街並・・・潮風を浴びながら眺めるのもなかなかできることではない。ベンチに腰かけて上空を見上げると、このところ全く見ることもなかった星空が見える。こういうのを肌で感じると、フェリーの旅の面白さを思い起こさせるから不思議なものだ。また九州とか、あるいは北海道、沖縄といったところにフェリーで行くのも面白いかと、いずれまたやってみたいなと改めて思うのである。

といっても寒くて甲板にも長い時間いることはできない。出たり入ったりして時間を過ごす。

Dscn7045前方には高松の灯りがだんだんと大きくなってきた。サンポート高松のシンボルタワーや全日空ホテル。宇野港がちょっと寂れた感じだったが、こうして海上から眺めると高松はまだまだ四国の玄関らしくきれいな眺めである。最後は玉藻城跡の櫓が出迎えてくれる。

Dscn7055宇野から1時間で到着。トラックや車両が出る合間を縫って外に出る。ここから高松駅に行くが、折り返しとなるマリンライナーまでは結構時間がある。

Dscn7056どこか店で二次会として飲むには時間が足りないが、せっかく高松に来たのだから締めにうどんでもいただこうか。何せ「うどん県」だから。

・・・ただ、駅前を歩いてみても開いているのは居酒屋とラーメン屋。やはりうどん屋は「早寝早起き」なのだろうか。こういう時には高松在住のうどんフリーク・Ⅰ氏に店を聞くのも手であるが、おそらく氏の推奨するような製麺所型うどん店はこんな時間にやっていることはないだろう。

Dscn7060結局特に何を食べるということもなく高松を出ることにする。まあ、気まぐれで遊びに来ただけだからそれでいいだろう。今度は高松から岡山までマリンライナーで1時間あまり、途中、瀬戸大橋を渡る。電車で瀬戸大橋を渡るのも久しぶりのように思う。

Dscn7062岡山を出る時はまだ早い時間だと思ったが、再びホテルの部屋に戻るともう0時近かった。シャワーだけ浴びて、翌日に備えてもう寝ることにする。天気予報が「雨」というのが気になるのだが・・・・。

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