国民栄誉賞に一言

女子レスリングでオリンピック３連覇、その他世界選手権でも連覇を続ける吉田沙保里選手に国民栄誉賞が授与されることがほぼ決定という。


先のロンドンオリンピックでも危なげない試合運びで文句なしの金メダルで、日本中が沸き返ったことを見ても、３連覇なら賞も当然かなと思う。おめでとうございます。


・・・ただ、この国民栄誉賞というのも結構曲者のように思う。


まず、何をもって表彰の対象とするかである。法令で基準が決められているわけでもなく、芸術やスポーツという分野ではその時の雰囲気にもよるだろうし。俳優や音楽の分野で表彰された顔ぶれはまだ「なるほど」と思うが、スポーツはどうだろうか。


王貞治は順当としても、千代の富士は国技代表としてまあいいか、衣笠祥雄・・・はギリギリかな。後の柔道山下とかマラソンの高橋とかは果たしてどうか。ましてやなでしこジャパンなんて・・・。


そうひねくれて思うのも、選考基準が曖昧だから。時の総理大臣の主観で決まることで、人気取り、政権浮揚の道具に見えてしまう。このたびの吉田選手への授与も、国会運営に苦しむ野田内閣のための施策かなと思ってしまう。もちろん、選手の素晴らしさを否定するものではないが。


あまり乱発すると、ありがたみが薄れるように思う。世界遺産と同じように・・・（ありますよね、日本人でもそれがどこにあるか知られていないのに世界遺産に選ばれたところ）。


そんなこともあってか、「そんなんもろうたら立ちションできんようになる」と独特の言い回しで断った福本豊や、「現役だ」として複数回の打診を固辞したイチローが立派に見えてしまう。賞を「くれてやるからありがたく思え」という魂胆が見えたんだろう。


国民栄誉賞もいいけど、国際的に地位低下が著しい日本の文化芸術にスポーツ。これらへの実のある援助やサポート、待遇の向上を図ってもらいたいものである。サッカー賭博もそれで認めてるわけでしょ？


そう言えば「スポーツ平和党」というのもあったなと思い出してます・・・・。