まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

徳島から高松へ抜ける

2010年07月07日 | 旅行記G・四国

南海フェリーでやってきた徳島。さて、目的地や宿泊地が徳島ということならばどっかりと腰を据えて、市内散策に出かけたり、最後は昨年に訪れて気に入った居酒屋に入って阿波の魚や阿波尾鶏、鳴門のワカメなどを味わうところであるが、この日は折り返し地点であり中継点であるというところ。時間からみて昼食を取るくらいの時間しかない。

時間的に昼食ということだが、徳島ということで徳島ラーメンでも食べようか。・・・といっても、どこかの店に詳しいというラーメン通でもないので、駅前の手ごろなところで済ませよう。

Dscn1009 そんな中見つけたのが、駅から見てロータリーの左手にある「麺王」。徳島ラーメンの特徴というのが醤油豚骨ベースのスープに、肉はチャーシューではなく豚バラ肉のあぶりというもの。店内には「駅前ラーメン激戦区」という見出しの地元新聞の切抜きが張られ、このあたりが県外からの観光客も巻き込んだラーメン激戦区であることを伝えている。まあもっとも、ラーメンは好きな食べ物だが「この店でなければ」というほどのイレコミを持っているわけでもなく、まあ美味しいのではないの?という感想を持って昼食を終了。

Dscn1020 さてこれからの行程であるが、とりあえず自動券売機で高松までの乗車券を購入する。結局徳島の町歩きはまた次の機会ということになった。高松まで1,410円。時刻表を見ると、徳島発12時16分の高松行きの鈍行がある。これでのんびり、高松まで揺られることにしよう。

Dscn1018 徳島県といえば、日本で唯一「電車の走らない県」である。ということは気動車があふれている県であり、県の代表駅である徳島駅ホームの横には気動車の留置線があり、いろいろなタイプの気動車が停まっている。できれば国鉄型のキハ40・47系に乗車したいところだが、やってきた高松行きは1200系というやつ。ボックス席とロングシートが千鳥状に並ぶ車内。ボックス席に陣取ると、その様子を車両反対側のロングシートに座った客がライブで見られるというものである。1両の気動車は出発時刻になると高校生や若者の客が集まってきて座席がほぼ埋まって発車。

Dscn1025 気動車といっても軽快な走りを見せ、吉野川を渡る。2つ目の吉成で早速8分の停車。上下列車の行き違い、特急列車の退避などを見せる。こういうローカル線の鈍行の旅というのも最近ではなかなか味わえないことで、これもまたよしと思う。どうせ急ぐ旅ではないし・・・。

そんな学生たちも勝瑞、池谷でほとんど下車し、1両の乗客は1ケタになった。ボックスシートの前の座席に足を伸ばしてくつろぐ。フェリーの桟敷もよいが、鉄道のボックス席独り占めというのもなかなか快適なものである。

Dscn1026 池谷の次の板東でも10分停車。本当は高松までの近距離切符しか持っていないのだが、ここは車両を降りて駅舎へ。ここは四国八十八ヶ所の1番札所・霊山寺の下車駅とある。ここに1番の札所があるというのは何だかいわれがあることなのだろう。

Dscn1028 無人駅であるが、駅舎内にはお遍路さんの作法を解説したポスターが貼られている。ただ私の乗っている列車にはお遍路さん風の人はおらず、何とも真夏の日差しが照りつける昼下がりの風情。でもいいなあ、こういう夏草を感じられるのって。

Dscn1033 板野でも下車があり、これで徳島から乗ってきた客は私一人になった。ここからげ県境越え。大坂越を過ぎ、トンネルを抜けるとふっと右手に青い海が広がる。次に見えるは播磨灘、そう瀬戸内海である。ここから少しの間、やや遠目に海を見て阿波から讃岐に入ったことを実感する。気のせいか、並走する国道沿いに「うどん」の文字が目立つようになった。

引田や三本松で部活動帰りの中学生、高校生らを乗せてがぜん車内は賑やかになる。高校生ともなれば車内でも落ち着いたものだが、中学生だとまだわんぱく盛り。さすがに暴れまわる生徒はいないが、時折大きな笑い声を立てて元気だ。これも昼下がりのローカル線の一こまといえるだろう。

Dscn1040 さてこのまま乗車していれば14時43分に高松に到着するところであるが、徳島から2時間乗っていると、何だかこのまままっすぐ着くのがもったいない気がしてきた。トイウコトで時刻表を見ると、途中の志度からは琴電の志度線が並走することがわかる。切符の有効区間を途中で放棄する形になるが、ここは変化球をつけるということで席を立つ。志度から信号を渡ってすぐの琴電駅にやってくる。

Dscn1043 しかし、ちょうど今高松は瓦町行きの電車が出たところ。次の便まで20分ある。少し駅前を歩くことにすると、この志度は江戸時代の科学者・平賀源内の生誕の地であることがわかる。記念館が設けられていたり屋敷跡が残っていたりする。残念ながらそれらに立ち寄る時間はないのだが、ある1本の細い道が「源内通り」を名乗っており、そこに源内の言葉を集めたミニ看板が飾られていたりする。エレキテルの発見、日本に「土用の丑の日にはうなぎを食べよう」というキャンペーンを張った源内であるが、街の人にとっては大きな誇りであることだろう。

Dscn1046 さて琴電志度駅にやってきたのは元京王の車両。それにしてもいや~、冷房車というのはよろしいもんですな。高松築港までは瓦町乗り換え含めて40分ほどの道のり。

Dscn1052 志度を出るとすぐに海岸線に出る。海を隔てて先に伸びている陸地は五剣山を中心とした半島で、その先端部が映画のロケでも有名な庵治の町並みである。いずれは出かけなければならないだろう・・・。

ローカル私鉄らしく民家の路地裏のようなところも通る。車掌が回って来ては途中駅からの乗客に乗車券を手売りする。紙の補充券に挟みを入れるという旧タイプ。一方で各駅にはICカード「イルカ」の読み取り機もあり、デジタルとアナログが見事に調和している。私鉄にはまだまだ各社ごとの個性というものを感じることができる。

Dscn1056 琴電のターミナルである瓦町に到着。志度線の線路はここで行き止まりとなっており、動く歩道もある長い通路を渡って高松築港行に乗り換え。ホームのすぐ横に高松城の石垣が見える築港駅に到着。少し変化球も混ぜながら高松に到着した。

さて高松からはどう動こうか・・・・。(続く)

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