まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

東北歴史博物館

2008年01月20日 | 旅行記B・東北

仙台から乗ったのは小牛田行きのロングシート車。市街地を抜けると広大な田園地帯に出る。ササニシキやひとめぼれなど、宮城米の産地である。

P1125900陸前山王を過ぎ、国府多賀城に着く。ちょうど停車したところの窓の外を見て、思わず立ち上がってドア開閉ボタンを押してしまった。「東北歴史博物館」である。ちょうど、奈良時代の東北支配の拠点となった多賀城跡の一角にあたる。また、現在読みかけでバッグの中に入れてきたのが、奈良時代の朝廷内権力闘争と中央・蝦夷の対立を描いた高橋克彦の「風の陣」だったものだから、「ここで降りよ」という暗示が働いたのかもしれない。乗り継ぎの旅といいつつも途中下車が多いが・・・。

東北歴史博物館。文字通り東北の歴史に関する展示であり、旧石器時代から昭和の戦後までの東北の歴史、文化が多くの史料とともに紹介されている。特に多賀城を中心とした朝廷と蝦夷の対立については詳しい。

P1125897畿内で生まれ育った私などは(あるいは、日本の歴史教育もそうなのだが)どうしても大和朝廷を中心とした見方で、未開の地で野蛮な蝦夷を支配下に置き、大和朝廷の勢力範囲を広げた、ということになるのだが、最近では先述の高橋克彦の歴史小説を初めとして、「東北から日本を見つめなおそう」という動きも盛んになっている。これは何も古代のことに限らず、現在の東京一極集中に対するものでもある。歴史の教育というもの、一つの事実に対していろんな角度・立場からのアプローチを心がけたり、「なぜそういう事象に発展していったのか」ということを考えることがもっと必要であろう。

展示物も多く、予定していた1時間半もあっという間に過ぎ、再びロングシートの客となる。先ほど乗ってきたのは小牛田止まりだったのでガラガラだったが、次の一ノ関行きは「青春18」の客も多く見られて通勤電車なみの混雑。ただ駅ごとに少しずつ下車があり、再び周りの地面が雪で白くなったところで一ノ関着。

そして本日最後となる盛岡行きも、言われなくてもわかっているロングシート。外はすっかり雪景色となり、世界遺産の登録を目指す平泉を過ぎ、ひたすら北上する。日が暮れるのが早く、今回初めての乗車となった花巻~盛岡間もほとんど闇の中だったが、まあ昼間の列車での通過ということで、乗車区間に含めることにする。

P1125903盛岡着。この駅に降り立つのはおよそ15年ぶり。東北新幹線の延伸もあるし、また最近ターミナル駅にはさまざまなテナントも入るようになって明るい感じになっている。

駅前のホテルにチェックインし、さていよいよ盛岡名物に挑戦である・・・。(続く)

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