まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・京セラドーム大阪

2007年04月29日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

P428167628日からの3連休は大阪に向かう。ただ東京から大阪に向かうだけなら新幹線なり航空機で行けばすぐに着くのだが、今回は新宿を朝出発する中央線の臨時特急「風林火山」号に乗車。通常の「あずさ」のヘッドマークが毛筆体で「風林火山」となっているほか、車体にも「風林火山」。車内にも「風林火山」。そしてよく見れば、この車両のシートに描かれているのは「武田菱」をイメージした模様である。特急列車の名前といえば、ひらがなか横文字がほとんどであるが、「風林火山」と漢字4文字の名前は力強い走りを思わせる。

このところ大河ドラマの放送に合わせて、ゆかりの地で観光キャンペーンをやっており、JRなども臨時列車やイベント開催で一枚かんでいるのだが、この列車もそのひとつ。停車駅ごとに、武田家ゆかりの観光名所の案内が行われたりする。ただ、臨時列車でまだまだ知名度が低いのか、乗客はほとんどいなかった。28日は雨が降ったりやんだりの不安定な天候で、富士山はおろか、八ヶ岳などの甲斐の山々はほとんど見えなかった。

P4281686この日はこの「風林火山」号で塩尻まで行き、「しなの」で木曽の山々を眺めながら名古屋に出る。中央東~中央西線へのリレーだ。そして、名古屋からは近鉄アーバンライナー。結局、普通に新幹線で東京から大阪に行くよりもちょいと高く着いたかな。それだけ、それぞれ個性ある特急3本のリレーは贅沢である。

そしていよいよ、京セラドーム大阪へ。実に2年ぶりの来場で、「京セラ」となってからは初めて。かつてのパ・ドゥーは、阪神西大阪線の延長工事により建物は取り壊され、ドームだけが寒々しくその姿をさらしている。

P4281701そして寒々しいといえば、観客席。GW初日の、それも一番集客が見込まれるホークス戦なのに、ガラガラである。ネット裏上段席に陣取って両翼の観客席を見渡すと、3塁~レフト側のホークスファンのほうが数が多いし、熱気が伝わってくる。ホームのバファローズファンはどうしちゃったのかな? 報道で、オリックスが昨年より40%近く観客動員数が減となっていると聞いたが、まさにその通りだ。「清原・中村という人気選手がいないから」としていたが、それは原因のひとつであって、もっと根の深いところでバファローズの人気が落ちているということがはっきり現れている。

さらに寒々しいのが大阪ドームの食事情で・・・と言い出したらキリがないので、この辺で。

ただ、試合内容は実に熱く、充実したものだった。

P4281712先発はバファローズ・デイビー、ホークス・ガトームソン。立ち上がりから両投手とも調子がよく、打球が前に飛ばない。特にデイビーは初回3者連続三振、2回以降もランナーを出してもきっちり併殺打。ホークスの重量打線、チーム打率リーグ1のバファローズ打線ともに、チャンスが作れない。

P4281713この日は大和人さんと一緒に観戦。これまでにも何度もご一緒しているが、この組み合わせで観戦するとだいたい試合が2ケタ得点の試合になるとか(42安打、16対14の試合なんてのも)、そのうえ延長戦になるとか、投手が12人出てくるとか、4時間超えるなどのように「荒れる」か「ダレる」かのいずれか。しかし今日は両投手の好投とバックの堅い守備。許した得点もデイビーが田上の今季初HR、ガトームソンも後藤のタイムリーによる1点ずつ。四球もほとんどなく7回終了で2時間という早いペース。結局、球数の関係でデイビーが8回途中で先に降板。今シーズン一番とも見える好投に大きな拍手を送ったが、ファンとしては勝たせてあげたかったなあ・・・。

「両チーム点を取るとしたら、一発かなあ・・・」と話していた9回表、この回から代わった加藤大輔から、ランナー1人置いて松中。制球がいまひとつで、ストライクを取りにいった球をバット一閃、打球はあっという間に右中間へ。本当に主砲の一発で決めた試合。

P4281724結局この一発が決勝点となり、その裏は馬原が3人で抑えて試合終了。結局バファローズは負けてしまったが(いいたくないが私の観戦時の連敗は7に伸びた)、内容が濃いものだったのでまあ仕方ないか。昨年までならホークスに一瞬でのされるところだったのだろうけどね・・・。これでホークス6連勝。一時は借金1だったが、やはり地力のあるチームが出てきた。

P4281735会心の勝利に大喜びのレフトスタンド。試合が終わり、スタンドの清掃に入っても、その余韻に浸るかのように大勢のファンが残って「二次会」をやっている。試合時間が短く、騒ぎ足りなかったかな? このあたりは係員もまだ客の追い出しにかかっていなかったので、近くまで行って様子を見る。いつまでもボルテージが上がる。思うに、ビジターチームのファンって、ビジターだからこそわざわざ足を運んで熱心に応援している人が多いように思う。

まして、ホークスの場合は「南海」時代からのファンも多い。白・黒・黄色のソフトバンクカラーに身を包む人が多い中、緑地に「NANKAI」と書かれたユニフォーム姿の一角がある。香川・バナザード・杉浦監督・・・・それが違和感なく溶け込んでいるのがよい。緑だけに調和が取れているのかな。その証拠に、大阪の応援では必ず「南海ホークスの歌」が歌われる。

ホークス、ホークス、南海ホークス・・・。

大阪を離れてから20年近くなるが、この歌が歌い継がれる限り、「南海ホークス」の名は生き続けるだろう。「昭和の日」の前にふさわしく、ほんの少し「昭和の香り」を感じるのであった。

バファローズも、見習わなくちゃ・・・・。

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