まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

身延線へ・2

2007年04月01日 | 旅行記C・関東甲信越

P3311454身延から身延線で北上する。谷あいを走る列車だが、沿線のあちこちでちょうど桜が見ごろを迎えており、車窓に彩を添える。身延から3駅の下部温泉で下車。

下部温泉。その昔、武田信玄の「隠し湯」があったということで、現在ではそれが温泉のキャッチコピーのようなところがある。案内図によれば、この先山のほうに分け入っていくと、静かな旅館・ホテル街が広がっているとのこと。歓楽ではなく完全に保養向けの温泉のようだ。

P3311455そして、この下部の顔がもう一つ。「甲州金」と呼ばれる良質の金を産出した地であるということ。武田氏の治世に大きな役割を果たしただけでなく、江戸時代には幕府の天領として幕府財政を支えたという。その歴史を伝えるスポットとして、駅のすぐ近くに「甲斐黄金村 湯之奥金山博物館」というのがある。こちらをのぞいてみる。ジオラマ模型や映像、そして史料などで、甲州金の特徴や精錬方法などさまざまなことが学べるようになっている。日本で金山といえば佐渡が有名であり、あちらの金山跡ではもっと賑々しく、それこそ「金」というものを前面に出していたが、こちら甲州はやや控えめな演出である。

P3311460で、こちらでのお楽しみが、「砂金採り体験」。この甲州金山には今でも鉱脈があるということか、このような体験ができる。先に書いた佐渡でも砂金採り体験をやったことがあるが、ゲームとしてなかなか面白いものである。それがこの下部でもできるという。博物館の入場料500円プラス砂金採り体験500円。私も早速挑戦。この砂金採り、これはいずれも同じ手法のようであるが、水槽に砂利が埋められており、参加者は自分の決められた位置で、バンニングと呼ばれる専用の皿で砂利をすくい、水の中で皿をぐるぐる回して、比重の重い砂金を皿の底に落としながら、少しずつ砂利を捨てていくというもの。これを繰り返し、最後に皿の底に砂鉄とともに砂金が混じっていればOK。これを制限時間30分の間繰り返す。係の女性のレクチャーを受けながら作業を行う。ちょうど家族連れと一緒になり、砂利をすくっては皿をゆすって砂利を捨て・・・の繰り返し。すると、ありましたよ。皿の底にごくごく小さな砂金の塊・・・。思わず表情がほころびる。水槽のあちこちでは、大人も子どもも一心になって砂金を獲得しようと皿を回している。

P3311461結局、30分の間水槽で格闘し、ごくごく小さな塊であるが、合計で12粒獲得。これを小型のビンに入れて、お土産である。平均は10粒くらいとか。そして、この成績、「金山博物館砂金採り番付表」によれば、「前頭15枚目」に格付けされるとか(10粒未満の場合、「付き人」とかいう番付外になるとか)。そして希望者はその番付表に名前を載せることができ、博物館内や、あるいはホームページに掲載されるとか。ちなみに、100粒以上を採った「横綱」や、90粒以上の「大関」という番付になっている。どういうワザを使えば「三役以上」になれるのかな。正直、最初に皿を突っ込んだ時点で勝負は決まると思うのだが、あとは皿をゆする作業の時に砂金をこぼさないようにすることか。

P3311463あっという間に途中下車の時間もたつが、やはり「温泉」駅に来たからには温泉に入るということがある。少し歩いて、下部温泉会館へ。外来の入浴料はたったの300円。3~4人入れば満員になるくらいの大きさの浴場だが、窓の外には桜の樹。これを眺めつつのしばしの入浴だ。慌しい入浴だったが、下部に来たのだという印象は十分に残った。

P3311470_1列車の時間も近くなったので下部温泉駅に戻り、そのまま甲府に向かう。そこで向かうは、駅前にある郷土料理の店「小作」。こちらで、甲州名物のほうとうをいただく。私が甲府に来るたびに訪れている店で、ほうとうの他にも甲州地鶏の料理や馬刺しなども味わえる。これまでにも、ほうとう一杯のつもりが気がついたらその他の料理や地酒も楽しんだことがある。ほうとうでも具材をいろいろと変えてみたり、味付けを変えてみたりしている。この日いただいたのはキムチ鍋風の一品。一気に体内から汗が噴出するが、かえってさっぱりした気持ち。

P3311468さて、今年の大河ドラマ(といっても私は観ていないが)は「風林火山」。ということで、先の身延・下部温泉もそうだったが、至るところに「風林火山」の幟が立つ。最近は大河ドラマとゆかりの地の観光がタイアップするような形でPRされており、今年はこの山梨県でさまざまなイベントが行われているとか。またそれをきっかけに、県内のいろんなスポットを訪れてみたいものである・・・・。

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