弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

飲食店における無断持ち込みと持ち込み料の請求

2005年09月26日 | 経験談・感じたこと
居酒屋なんかでは、よく「無断で酒・飲食物を持ち込むことを禁止します。発見した場合は持ち込み料を請求します。」と言われることがあります。

では、実際に持ち込み料を請求することは可能なのでしょうか?

法的には、居酒屋等の飲食店において、顧客は、店舗側が提供する料理・飲み物のみを飲食することを条件として、入店許可し、場所を提供していると考えられます(よく野外のベンチに座ったら、実は野外喫茶のベンチであり、立ち退くよう言われることがありますよね!?)。
そうすると、店舗が提供しない料理・飲み物を持ち込む人の入店を拒むことも法的に可能となります。
この延長線上からすると、無断持ち込みに対して一定額を請求することを入店許可の条件としているのであれば、約束違反として持ち込み料を請求することは可能と考えられます。

次に、具体的にはどの程度の金額を請求できるのでしょうか?

持ち込み料を予め定めていたのであれば、その金額でOKと単純には行かないと思います(例えば、10万円と書いてあったら、10万円支払う必要があるとはならないでしょう)。
おそらく落ち着き所としては、無断で持ち込まれた飲食物を、当該店舗で提供した場合の代金相当額ということになるように思います。

ただ、実際に店舗側は請求しているという話は聞いたことがありません。おそらく顧客ともめたくないと言うことでしょう。

ちなみに、知り合いの店長は、食べ物が持ち込まれたのであればそれに合うお酒を勧め、お酒が持ち込まれたのであればそれに合う食べ物を勧めて、しっかりと売上げを上げるように対処しているようです。
うまい解決法ですね。
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