弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

まだ司法試験ってあったんですね…旧司法試験の出願者が大幅減に!

2006年04月29日 | 経験談・感じたこと
司法改革によって、法科大学院が誕生し、法科大学院の卒業生を対象とした司法試験を「新司法試験」と呼び、私も受験した従来からの司法試験を「旧司法試験」と呼ぶのだそうです。

それで、法務省から「旧司法試験」の今年度の受験申込者数等が公表されています。
何と受験者数は前年度比22%減!
若手が法科大学院に進学して、新司法試験を受験する影響からでしょうかね。
それにしても気になるのが合格率です。
報道によると、旧司法試験の合格率の見込みは1%程度、新司法試験の合格率の見込みは40~50%程度とのこと。
国の政策とは言え、ちょっと開きすぎでは?と思ってしまいます。

まぁ、いずれにせよ、司法試験に合格しないことには、受験生にとって未来は開けないことになると思いますので、とにかく頑張って下さい!


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060428-00000512-yom-soci

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堀江氏が保釈!-今後の注目は法廷戦術!?

2006年04月28日 | 経験談・感じたこと
昨日、今朝と、どこのテレビ局もホリエモンの保釈に関するニュースで持ちきりでしたが、保釈されたからといって、この事件が終結したというわけではありません。

堀江氏自身は、刑事被告人として、刑事裁判を受ける必要があります。
また、民事的には、株主代表訴訟や取締役としての損害賠償請求訴訟等、たくさんの訴訟の当事者として、今後は動かなければならない立場にあります。

刑事事件については、テレビの識者のコメントによると、今年中くらいには結審するのではないかとのコメントでしたが(実際には1年以上かかるような気がしますが…)、堀江氏にとって、やっかいなのはむしろ民事裁判ではないでしょうか。

民事裁判は、1年やそこらで終われるような案件ではないでしょうし(おそらく結審する頃には、世間も「そういえば、そんな事件もあったよね…」という状態では!?)、敗訴判決を受けたら最後、待ちかまえているのは、破産等の(経済的)破滅でしょう。
そして、これだけ(悪い意味で)有名人になってしまったら、再起更生をかけて再び起業しても、誰も相手にはしてくれないのではないでしょうか。

その意味でも、堀江氏にとっては、刑事裁判・民事裁判は、是が非でも負けるわけには行かない裁判になると考えられます。
そのため、多少法外であっても、優秀な弁護士を選任して、徹底的な法廷戦術を進めてくるでしょう。

私自身は裁判の行く末も気になりますが、堀江氏を取り巻く弁護士が、どの様な法廷戦術を使うのか、特に今までの常識では考えられなかったような「サプライズ」戦略があるのではないかと、密かに期待しています。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060428-00000501-yom-soci

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モーニング娘。の無断掲載写真に対する損害賠償が認められる(プライバシー権とパブリシティ権)

2006年04月27日 | 法律情報
モーニング娘。のプライベート中の写真を無断撮影し、雑誌に掲載したことは違法であるとして損害賠償請求を行っていた裁判につき、東京高裁で、東京地裁より損害賠償額を増額させる判決を行ったようです。

この損害賠償額が増額された理由は、プライバシー権侵害のみならず、パブリシティ権侵害も認められたためと報道では解説されています。

ところで、プライバシー権とはイメージが沸くと思いますが、パブリシティ権とはあまり馴染みのない用語かも知れません。

パブリシティ権とは、芸能人やスポーツ選手などの有名人の名前、肖像から生じる顧客吸引力という経済的利益に関する権利とされています。要は、有名人が持っているイメージによって、お客さんを呼び寄せることができるので、その有名人の持つ商売道具を保護しようとするものです。

雑誌に掲載されることで、プライバシー権を侵害するというのは理解しうるのですが、雑誌掲載によってパブリシティ権が侵害されたと主張して認められた裁判例は、ほとんど無いような気がします。
私も、実際の雑誌を読んだことがないので何とも言えないところがありますが、おそらくは、雑誌のキャッチコピーor宣伝広告が「モーニング娘。のプライベート写真を激写!」(←あまりセンスのあるキャッチコピーじゃないですね…)等として、モーニング娘。が掲載されていることを強調して販売部数の獲得を狙っていたと裁判所で認定されたのではないでしょうか?

まぁ、とにもかくにも、日本の報道機関は、何かあるとすぐに「表現の自由」「報道の自由」を口走っては、個人のプライバシー権等をないがしろにする傾向が少なからず見受けられます。

確かに、表現の自由とプライバシー権との調和を図ることは難しいとは思いますが、権利意識が向上している現代では、有名人等の隠し撮り等については、報道機関側に厳しい判決が出されるのではないでしょうか。



関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060426-00000142-mai-soci

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会社法で新設される「会計参与」について行動指針が公表されています!

2006年04月26日 | 法律情報
会社法改正の一つの目玉となっている「会計参与」ですが、会計参与の行動指針が公表されています。

実際に、この制度がどこまで浸透するかは不透明な状態ですが、税理士及び公認会計士の先生にとっては、一つの営業・新規開拓分野になると思われますので、是非とも読んでおくべき資料ではないでしょうか。

また、会計参与の導入を考えている中小企業の社長さんも読んでおいた方がいいかも知れません。


関連リンク
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/060425kaikeisanyo_shishin.htm

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ちょっと便利かも!?-国民生活センターが消費生活相談データベースを公表しています

2006年04月26日 | 法律情報
つい最近知ったのですが、国民生活センターが消費生活相談データベースをインターネット上に公表しています。

検索機能がついていないのと、2006年分しか閲覧できないようですので、ちょっと網羅性が乏しいかもしれません。
また、直接、質問に対する回答が記載されているわけではありませんので、このホームページだけを見たら悩みを全て解決!という訳にもいかないようです。
ただ、質問欄をクリックすると、現状と関連するリンクが付されていますので、情報収集するには便利なサイトだと思います。

昨日もブログに書きましたが、消費者被害にあわないためにも、この様な情報チャンネルを持っておくべきだと思います。


国民生活センターの消費生活相談データベースへのリンク
http://datafile.kokusen.go.jp/

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ちょっと多すぎるのでは…振り込め詐欺で1億45000万円の被害

2006年04月25日 | その他
報道によると、某男性が振り込め詐欺に騙され、1人で1億4500万円もの金額を振り込んでいたとのことです。

振り込め詐欺をやっている方がもちろん悪いのですが、1億円を超えるとなると、ちょっと被害者の方もどうなのかなぁ…と正直思ってしまいます。
(でも、1億4500万円もの大金を準備できるって一体…)

振り込め詐欺にひっかかると、繰り返しあの手この手で騙し、むしり取られてしまうという典型例のような気がします。
それにしても、弁護士等の法律の専門家に相談することは期待できないにしても、ちょっとした知人等に相談できなかったのでしょうか?
やはり、防衛策としては、特別な対応策を採るのではなく、
①その場で即断しない
②怪しいと思ったら一人で悩まず誰かに相談して冷静になる
というのが一番のようです。


関連リンク
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060424it15.htm

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やっぱり刑事裁判の立証は難しい!?-配下組員の拳銃所持は幹部組員の責任ではないとして無罪

2006年04月24日 | 法律情報
大阪高裁は、暴力団組員が所持して拳銃所持につき、暴力団の最高幹部である組員に対して刑事責任(銃刀法違反の罪)を問えないとして、無罪判決を出したようです。

報道によると、「配下組員が拳銃を所持していたことを確定的に認識、容認していたとするには合理的な疑いが残る」ことを理由として無罪判決を出したとのこと。

何となく庶民的な感覚としては!?、暴力団員であれば、拳銃を持つことが組織の決まり事になっていて、最高幹部も認識していたのでは?(というより当該決まり事を作った張本人では?)と思ってしまうのですが、そうではないようです。

自らは手を下さない暴力団幹部の刑事責任を問うために、判例・学説も間接正犯の理論(=末端の者は幹部の指示に従って弾丸のように飛んでいくだけであり、実際には幹部組員が手を下したのと同じという理論)だとか、共謀共同正犯の理論(=一緒に共同して犯行を行おうと決意した以上、一方が手を下し、他方が手を下していなくても、一心同体で犯罪を犯したのと同視できるという理論)とか、色々な理論を生み出して、刑事責任を問えるように考えているようですが、どうやら本件は限界事例のようです。

まぁ、別の似たような案件では幹部組員に対する有罪判決がなされているようですので、どの様な違いがあるのか検討してみたいですね。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060424-00000404-yom-soci

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会社設立を目指す人は必見!!-法務省が商業登記申請書類の書式集を公開しています

2006年04月22日 | 法律情報
法務省が新会社法の施行に向けて、新会社法用の商業登記申請書類の書式集を公開しています。

リンク
http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI109/minji109.html

少しでも安く会社設立をしたい!という方は、参考になると思います。
ちなみに、公開されている書式は次の通りです。定款は自分で作成する必要がありますのでご注意を。


公開書式
01 株式会社設立登記申請書(発起設立)
02 株式会社設立登記申請書(募集設立)
03 株式会社役員変更登記申請書(住所移転)
04 株式会社役員変更登記申請書(取締役会設置会社・取締役及び会計参与の全員が重任する場合)
05 株式会社役員変更登記申請書(取締役会を設置していない会社において取締役全員が各自会社を代表する場合又は株主総会で代表取締役を選定する場合において,取締役及び会計参与の全員が重任したとき)
06 株式会社役員変更登記申請書(互選により代表取締役を選定する会社において取締役及び会計参与の全員が重任する場合)
07 株式会社役員変更登記申請書(役員が辞任又は死亡した場合)
08 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
09 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
10 株式会社本店移転申請書(管轄登記所内での移転)
11 株式会社本店移転申請書(管轄登記所外での移転)
12 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
13 株式会社清算結了登記申請書
14 特例有限会社商号変更登記申請書
15 合同会社設立登記申請書

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差押え家電製品の公売はPSEマーク不要!?

2006年04月22日 | 法律情報
報道によると、経済産業省は、税金の滞納等で自治体が差し押さえた家電製品をインターネット等で売却する場合、自治体がやっていることは「販売事業ではない」ので、PSEマーク不要という見解を出したとのことです。

正直う~ん…です。
理解できないのが、PSEマークは、電化製品の安全性を図り、消費者保護を図ることが目的だったはずです。
だったら、自治体が売ろうが、事業者が売ろうが、消費者保護を図る必要性があるのは同じであるはずです。差押え物件ですから、事業者以上に、電気製品の安全性など自治体がチェックしているとは到底思えません。

経済産業省の見解って本当なのでしょうか?
ちょっと筋が悪いような気がします。


関連リンク
http://www.asahi.com/life/update/0419/006.html

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奈良の騒音おばさんに対して懲役1年の実刑判決!

2006年04月21日 | 法律情報
ワイドショー等でかなり話題になった、奈良の騒音おばさんですが、奈良地裁は懲役1年の実刑判決を行ったようです。

肉体的な暴行ではなく、無形(騒音)による暴行に基づく傷害罪で、実刑判決が出たのは極めて稀ではないでしょうか。
被告人は、法廷でも罪状を否認していたようであり、また「何が悪いのか」等逆ギレの様な陳述を行っていたようですので、裁判所が認定した「反省していない。再犯の可能性がある」というのは納得がいくものだったと思います。

ただ、1年の懲役ですので、このまま判決が確定した倍、未決勾留日数等を加えると、実際には今年の年末くらいには出所してくるでしょう。
そうした場合、いわゆる「お礼参り」等の恐怖が被害者には残るのではないでしょうか。
一応、奈良県平群町も対応策として条例を定めたようですが、おそらくは十分な対応は難しいと思われます。

被害者保護が言われてきている中、この様な犯罪についても、どの様にアフターフォローを図るのか注目されます。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060421-00000003-yom-soci

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