弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

明日から独立2期目に突入!

2009年07月31日 | その他
昨年の8月1日に独立し、今日で1年目の最後の日を迎えています。

今のところは、借金することもなく、業界的に白い目で見られるような(?)事件に手を出すことなく、経営的には順調に推移したと思います。
(給料その他経費の支払いの遅延もなく、ボーナスも無事支給できましたし…)


弁護士業を行っているという点では、独立前後で変化はありません。
でも、仕事内容はイソ弁時代(独立前)とは激変しました。

イソ弁時代は、損保関係の仕事(交通事故示談・訴訟対応等)が全案件数の7割近くを占めていたと思います。
損保の案件をメインに据えた場合、経営的にはとにかく数をこなす必要があるため(1件当たりの単価との関係上、大量受任をする必要が…)、まぁ、毎日1件程度は新規案件を受任するという状況になっていました。
とにかく大量処理を行うため、かなりシステム化(但し自己流)をして対処していたと記憶しています。
なお、残り2割は事務所の顧問先からの法律相談等への対応、残り1割が自己事件への対応といったところだったと思います。

前に所属していた事務所との取り決めで、事務所として受任している事件は一切持ち出さないと約束していました(もちろん、自分個人で受任している案件は自分が持っていきます)。
このため、最初は仕事が殆どない状態であり、しばらくは不安との戦いになるなぁ…とちょうど1年前は考えていたことを思い出します。
(結果的には、運良く8月から仕事を取ることができ、今のところは弁護士業を専業としてやっていけています)



上記の通り、独立前は毎日交通事故案件と格闘していたのですが、今は交通事故案件は片手で数えられる程度です。
また、交通事故案件の激減に伴い、訴訟案件も5分の1以下に減ったように思います。

一方で独立後の仕事割合として大きくなってきたのが労使紛争です。
訴訟案件の半分は労使紛争であり、1年前では考えもしなかった状況になっています。
なかなか一筋縄ではいかないため、苦労が多いのは事実ですが、苦労しただけ自分のスキルアップに繋がっていると実感している分野です。自分で言うのも何ですが、1年前と比較すれば、相当吸収できるものがあったと思います。


また、独立後は過払い・任意整理・破産関係の仕事とは一線を画そうと思っていたこと(管財事件の登録もしていないため、管財事件もありません)、中小企業向けの法律問題に力を入れたいと考えていたことから、今では、事業・経営関係の案件が全体の仕事量の8割弱を占めるようになり、この点でも仕事内容が大きく変わったと思っています。
もっとも、割合的には個人からの案件は減ったのですが、顧問先の従業員の福利厚生の一環として(?)、ついでに従業員個人の相談に乗ることは以前より多くなったように思います(ほとんどが相談のみで終了するため、受任して代理人として活動するのは希ですね)。


まぁ、とにもかくにも1年を無事乗り切ることができたことに感謝感謝です。
若干、夏風邪気味で体調を崩していることが心残りですが。。。

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職域論争

2009年07月30日 | 経験談・感じたこと
先週の3連休くらいから、喉がおかしくなり、今週になって鼻水が止まらない状況が続いています。
先週・今週と分かりやすい「鼻声」のため、関係者の方々には聞き苦しい声で大変ご迷惑をおかけしております。


さて、配信されたニュースを見て知ったのですが、私が所属している大阪弁護士会が、NHKに対して、「行政書士が法律相談に乗っている映像を流すのはおかしい!」として申し入れを行ったそうです。

ニュースへのリンク


いわゆる職域論争の話になりますね。
この前も、大阪弁護士会の非弁委員会(?)に所属している弁護士が、司法書士の代理権の範囲が争点になっている裁判に助太刀したことがニュースで配信されていましたが、今度は行政書士に対して異議を唱えた格好になっています。

弁護士と名乗ってさえいれば食っていけるという時代ではありませんので、弁護士会が職域を守るため一生懸命になってくれるのは、大変有り難いです。

が、一方で「そこまでする必要があるの?」という思いもあり(だったらカバチタレという漫画にもクレームを付けるべきでは!?)、若干複雑な気持ちです。
また、弁護士会が組織としてここまで対応するということは、弁護士会は大きな危機感を持っている、危機感の裏側には現実に弁護士として食べていけない人が出現している、ということは、私のような基盤もない零細事務所は弁護士業だけで食べることは既に難しくなっている…という時代に突入したことを否が応でも認識させられます。

冗談で言っていた「副業弁護士」もいよいよ現実味を帯びてきたのかなぁ。。。

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NHKの受信契約に関する判決

2009年07月28日 | 法律情報
NHKが受信料を支払わない受信者に対して、支払督促手続きをはじめ法的手続きを取る旨報道されていたのが一昨年のことだったと思いますが、いよいよ徹底抗戦の受信者に対する判決が出たようです。

やはり結果は、予想通りのNHKの全面勝訴判決です。

報道へのリンクはこちら


報道文だけからですが、
「思想に基づいて受信料の支払いを拒否しており、自宅に受信機を設置してあるだけで受信料の支払いを強制されるのは、『思想・良心の自由』を定めた憲法19条などを侵害している」
という主張もしていたようです。



この字面だけをおうと、契約締結に関する意思内容と思想良心の自由とは次元の異なる問題じゃないの?と思いますが、それはともかく、おそらくその他にも色々な憲法上の主張を行っていたのではないかと予想します。
でも、中途半端な知識ですが、NHKに対して、憲法上の権利って主張できるんですかね。。。
(私の不勉強ですが…。ちなみに、憲法に規定されている権利は、国家を名宛人にしていますので、原則、国民が国家に対して請求できる規範であり、民間事業者に対して直接請求できる規範ではないと言われいます。
結局、NHKという組織は何者なのかという点を解明する必要がありそうです。)


まぁ、憲法上の論点を熱く議論しても、裁判所はクールに(?)あしらっているような気がしますが、どうだったんでしょうかね。
(ちなみに報道文では、受信者側のコメントとして、「『契約書があるから契約が成立している』ということしか書いておらず、極めて形式的な判決」と批判しているようですので、憲法上の論点はあっさり済まされているのではないでしょうか)


おそらくこの手の裁判は、最高裁まで行くはずですので、まだまだ終結しないと思います。

一個人としては、おそらく受信者に有利な結論は出ないように思いますが、社会に一石を投じるという意味では、意義のある訴訟なのかもしれません。

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口は災いの元…

2009年07月25日 | その他
選挙が近づき、政治家の方々は力が入っているようですが、昨日・今日と不思議な(?)発言が出てきているようです。

麻生総理
「元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは働くことしか才能がない。働くということに絶対の能力がある。80(歳)過ぎで遊びを覚えるのは遅い」


細田官房長官
「役員人事だろうが閣僚人事だろうがどうでもいいことだ。だけど、その方がみんな面白いんだから。それは日本国の程度を表している。国民の程度かもしれない。」



私は政治家ではありませんが、業務遂行中に、ついつい熱くなって余計なことを言ってしまったり、抑えが効かなくなって不適切な発言をしてしまうやもしれません。

「他人のふり見て我がふり直せ」と自分に言い聞かせます。

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3連休が明け…

2009年07月23日 | その他
ブログの更新がご無沙汰になっていました。

5月のゴールデンウイーク明け以降、ひたすら(仕事に)走り続けていたせいか、連休中はダウンし、連休明けも今一つ調子が上がっていません。

このため集中力が持続せず、一方でたまっていく顧問先からの相談事例に、焦り苛立ちの毎日だったのですが、さっき、メール相談等に対して一通り回答が終わり、ようやく一区切りを付けることができた…と思っているところです。
(あ…でも、ブログ書いてある最中に新たにメール相談が来たみたいです…)



今、ヤフーニュースを見ていたのですが、少し興味を持ったニュースとしては、賃貸借の更新料について、消費者契約法に違反し無効と判断した京都地裁の裁判例ですかね。
賃貸借と消費者契約法の問題と言えば、敷引きをめぐる問題があるのですが、この更新料の裁判は、消費者保護委員会に関係する複数の弁護士が支援しているようですので、この裁判は最高裁までとことん争われるのだと思います。
今後、高裁・最高裁とどの様に判断されるのか、追っていきたいと思います。


ところで、最近、10時、11時を過ぎて電車に乗っても、電車内でやたらと子供たちが多いなぁ…と思っていましたが、よくよく考えると、もう夏休みに入っているんですね。
疲れ切ったサラリーマンに対して、テンション高く大声でしゃべっている子供たちの姿を見ると、「俺も歳をとったなぁ…」と改めて思います。
あと1日頑張れば、週末になります。
今週末は体調を取り戻すことに重点を置きたいと思います。

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韓国の弁護士事情

2009年07月16日 | 経験談・感じたこと
「マジですか?」
と思ったのですが、お隣・韓国の弁護士業界は、スーパー衰退産業のようです。



<朝鮮日報の配信記事>

開業しても仕事がない韓国の弁護士たち(上)

開業しても仕事がない韓国の弁護士たち(下)


新人弁護士の就職難、新人弁護士の収入(給料)相場の低額化、弁護士会費を支払わない(支払えない)弁護士の出現、事件をあっせんするブローカーの暗躍など、まさしく日本の弁護士の状況と類似しているように思います。
ということは、日本の弁護士も、あっという間に韓国の弁護士業界のようになってしまうと言うことでしょうかね。。。

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お盆休み中の国選弁護人募集中!

2009年07月15日 | 法律情報
大阪弁護士会から、大阪弁護士会の全会員宛だと思いますが、
・8月13日
・8月14日
に開催される刑事裁判の国選弁護人となる人を急募している旨のFAXが送信されてきました。

確かに、裁判所にはお盆休みはないので、この時期であっても刑事裁判の法廷は開かれてはいるんだろうなぁ…と思います。
ただ、弁護士は一民間人ですので、世間の相場通り、ほとんどの方はお盆休みを取るはずです。
従って、人数が不足し慌てて募集をせざるを得ない状況となるのも合点が行きます。


それにしても、迅速な刑事裁判のためかもしれませんが、裁判所も世間がお盆休みする期間中に、わざわざ裁判を開かなくても…と若干思ったりもします。

だいたい、裁判所は「夏期休廷」と称して、各裁判官が交代で7月~8月にかけて裁判を開かない時期を作り、その夏期休廷期間中は絶対に裁判を入れないようにするににもかかわらず(このため、変に次の裁判期日が間延び状態になったりし、弁護士にとっては迷惑なときがあります。だいたい依頼者に説明がしづらいです)、たまたま、お盆休み期間中に休みにならない裁判官が刑事法廷を開くので、弁護人もそれに合わせろ!と指示してくるのも、何か勝手な理屈だなぁ…という気がします。

もちろん、国選弁護人の募集なので、やりたい人だけ手を挙げればいいので、お盆休みを取りたい人は担当しなければ良いだけの話なのですが…。

なお、国選弁護事件も最近は取り合いになっていると聞きます。
このため、直ぐに募集枠は埋まるかもしれませんが、お盆休みを潰してまでやりたいかと言われると、ちょっと悩んでしまうかもしれません。

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またまた出版社の社長個人の損害賠償責任を認める判決が!

2009年07月13日 | 法律情報
最近、雑誌による名誉毀損訴訟に関する報道が目立ってきているように思うのですが、今年の2月に東京地裁で、

・雑誌を発行する出版社(法人)
  +
・社長(個人)

の損害賠償責任を認める判決が出て、大きな話題・関心を呼んだのですが、またまた社長個人の損害賠償責任を認める判決が出たようです。

ニュースへのリンク


2件とも、被害者は日本国内では有名人に分類される「貴乃花親方」であることから、有名人ならではの特殊事例かもしれませんが、今年になって東京地裁が相次いで、社長個人の損害賠償責任を認めるようになってきたのは、名誉毀損裁判の新たな潮流になってくるのかもしれません。


それにしても、報道機関側としては、
「きちんと裏付けを取ってから報道する」
という基本を再度確認する必要があるかと思いますが、
「裁判に耐えうるだけの裏付けとは何か?」
となると、専門的判断を要するため、ややもすれば迅速な報道への抑制になりかねないかもしれません。

また、社長個人の損害賠償責任を回避する「社内体制構築」となると、正直手探りになるのだと思います。

しかし、報道機関側としては、単に報道の自由への抑制になるという裁判批判を展開するだけではなく、自らの社内体制を見直す時代に突入しているのではないでしょうか。

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事務所の内装替え

2009年07月11日 | その他
事務所を開設してから、今月いっぱいで1年経過することになるのですが、色々な本を買い込んだり、あるいは受任案件の記録が増加してきたため、書庫が不足してきたなぁ…と最近感じていました。

そこで、今後に備えて、今日は事務所の内装替えを行いました。
といっても、冷蔵庫や食器棚の位置を変え、空いたスペースに新たな書庫を設置するというだけですが。。。


これで、「仕事どんと来い」と言いたいところなのですが、営業的なことを言うと、今月に入ってから、非常に調子が悪いです。。。


ふと頭に
・いよいよ弁護士増員の影響が出てきたのか?
・今後生きていけるのか?
とマイナス思考になり始めたのですが、よくよく考えてみると、独立してようやく1年経過しようとしているレベルですので、昔の状況が分からない。
さらに考えてみると、昔がどうだったのか知らない以上、比較のしようがないので、影響が出ているかどうか何て分からないじゃん!
という結論に至りました。


こんな単純発想で良いのか?と自分でも若干不安なのですが、まぁ、地に足付けて一歩一歩やっていきたいと思います。

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暑いぞ!裁判所!!

2009年07月10日 | 経験談・感じたこと
先日、某裁判所で尋問手続を行いました。

法廷に入った瞬間から、ムワ~とした何とも言えない暑苦しさを感じたのですが、いくら何でも7月なのでエアコンは入っているだろうと思っていました。
(※裁判所はエコ推進のためか、6月はエアコンは入っていません。
ちなみに私が司法修習生として研修を行っていた当時の大阪地裁は、5時30分になるとエアコンが停止するため、その後の裁判官室内は異常な暑さでした。
裁判官の方々が扇風機持ち込みで、汗をかきながら一生懸命仕事をしている姿が印象的でした)


ところが…どうやらその法廷はエアコンが入っていなかったようで、尋問の最中から、弁護士も汗だく、証人席に座っている人も汗だく(双方の弁護士はスーツの上は着用していなかったのですが、証人席に座る方々は、裁判なのできちんとスーツの上下を着用しました。余計に暑いはずです)、裁判官も何となく暑そうという状況でした。


一方、1人平然と座っている人がいました。
それは…書記官(女性)です。
おそらく、その書記官があまりエアコンには強くないため、あえてエアコンを入れなかったのではないか!?と思っているのですが、さすがにこの時期は28度設定でもいいので、
「エアコンプリーズ!!」
と言いたいところです。


尋問手続きは集中力を持続させる必要があるため、手続き終了後の精神的な疲労感があるのですが、この時ばかりは、何故かスポーツをした後のような肉体的な疲労感までありました。

暑さで途中から尋問がおかしくなっていないだろうか…尋問調書の内容が気になります。。。

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