弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

海外渡航中であっても、生活保護費の受給は可能?

2008年02月28日 | 法律情報
生活保護費を支給するか否かは国内での生活が成り立つか否かの問題であり、別に支給しなくてもいいんじゃないの?と思うかも知れません。
が、報道によると、最高裁は、海外渡航中であっても生活保護費を支給すべきとの判決を出したようです。


最高裁判決に関する報道へのアドレス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080228-00000095-jij-soci


ちょっと違和感がありますが、今までは海外渡航中は支給しないという運用を自治体は行っていたようですので、変更は必至ですね。

ただ、今回の最高裁判決は、渡航費用を自分で支出したことから、最低限度の生活維持のための金銭を保有していたことは明らかだ」と認定して、結論的には生活保護費の減額分の支払いを求める訴えを棄却していますので、その点は要注意です。

どうも法律解釈論としては、一時的な海外渡航であっても居住地が国内にあれば生活保護の受給資格はある、しかし、海外渡航に行く費用を自分で捻出できるのであれば、生活保護を支給する必要性があるか否かの事実認定を行う、ということでしょうかね。

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ベストプラクティス・パンフレット

2008年02月26日 | 法律情報
題名だけを見たら「???」と思われるかも知れませんが、中業企業庁が下請取引に関する適正化を図るために作成したパンフレットの標題です。
(但し、正式名称は『「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」ベストプラクティス・パンフレット』です)

内容的に特段思ったことはないのですが、何となく

ベスト・プラクィス

なんてカタカナ言葉をあえて使い必要なんて無いのでは!?と思ってしまし、ちょっと取り上げてみました。
(カタカナに弱い経営者であれば、かえって標題を見てもイメージが付かないのでは何て思ったりもします)


ちなみに要は、望ましい理想的な取引事例を掲載したパンフレットです。


中小企業庁が公表したパンフレットへのアドレス
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/080222shitauk_best.htm

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懲戒申立の応酬と不法行為

2008年02月23日 | 法律情報
判例時報1989号に、ちょっと変わった(?)裁判例が掲載されていました。


詳細な事実は省略しますが、懲戒申立を受けた行政書士が報復的措置として弁護士に対して懲戒申立を行ったところ、当該弁護士が行政書士に対し、不法行為に基づく慰謝料請求を行い、一部認容されたという事案です。
(ちなみに、行政書士も弁護士に対し、不当な懲戒申立であるとして慰謝料請求を行ったようですが、請求棄却されています。)


弁護士に限って言えば、昨年は懲戒申立件数が前年比で7倍になったということで(ただ、某弁護士によるテレビを通じた懲戒申立の呼びかけによる影響が大きいと思われますので、実数はもっと少ないと思いますが…)、懲戒申立件数は増加傾向にあるようです。

なお、昨年、最高裁で、不当な懲戒申立に対しては不法行為が成立することを認める最高裁判決が出ましたので、今回の件もその流れに沿ったものであると思います。


ところで、本件では、士業と言われる者同士が懲戒合戦を行ったことになっていますが、私なんかは、「これは酷い」と確信が持てない限り、懲戒請求を行おうと考えません。
(私は、懲戒申立自体を行ったことがありません)

この事件の根底には、よほどの事があったんでしょうね。

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労働契約法のポイント by厚生労働省

2008年02月19日 | 法律情報
実は3月1日から施行される労働契約法ですが、あまり話題にもなっていないようで(私の周りだけかも知れませんが…)、そもそも労働契約法って何?という人もいるかと思います。

そこで、厚生労働省が

『労働契約法のポイント』

というパワーポイントの資料を次のサイトで公表しています。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/080218-1.html


ちなみに、私は、昨日になって思い出したように、日経文庫の労働契約法入門を購入し、今読んでいる最中です。

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弁護士の平均年収!!

2008年02月18日 | 経験談・感じたこと
下記サイトの説明に寄れば、弁護士の平均年収について

・2005年~2097万円
・2006年~772万

と公表されています。


1年で3分の1近く減収しているみたいですが、これはどの様な要因なのか、弁護士をやっている私自身も気になります。
(個人的には、2006年が弁護士業界にとって不況だったという認識はありませんが…。
ただ、2097万円が平均年収だと言われると、ちょっと違和感があるのも事実ですが…)

ちなみに、下記サイトによると、年収幅は400万円から1億円とのことで、個々人によって大きな開きがある業種であることが分かります。

なお、1点うなずけないのが、「田舎に行けば仕事は山ほど転がっています」という記載です。
サラ金からの過払い返還、任意整理、破産、刑事事件という案件であれば、多少なりともあるのかも知れません。が、破産絡みの案件はそろそろ頭打ちになると思いますし、国選の刑事事件のみで生計を立てるのはかなり難しいと思います。
田舎で将来永続的にやっていけるだけの案件数が転がっているとは思えないのですが(私の知らない紛争類型があるのかも知れません)。


年収ラボへのアドレス
http://nensyu-labo.com/sikaku_bengosi.htm

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誰がなっても同じこと…

2008年02月10日 | 経験談・感じたこと
日本弁護士連合会の会長選挙はマスコミでも話題になったせいか、関心が高かったようで、色々なところでコメントが出ています。
(大阪では同時に大阪弁護士会の会長選挙もありました。
ちなみに、会長選挙が終わってから気が付いたのですが、私が所属する事務所の窓から見える隣のビルの一室が選挙対策事務所?だったようで、8日の夕方頃には選挙の慰労会のようなものが行われていました)。

私も選挙権は行使しましたので、新たに会長になった先生方には、公約を実行するべく色々と活動して欲しいのですが、一若手弁護士としては、正直、
「誰がなっても同じじゃないの?」
という気持ちがあります。


必ずしも弁護士人口増員は何が何でも反対!という立場ではありませんが、仕事の絶対数が増えない中で、弁護士の数だけ増やせば仕事の奪い合いとなることは明らかです。
従って、弁護士という職業としての将来性にはどうしても悲観的になってしまいます。
そうすると、日弁連を含め何か対応して欲しい!と思ったりもするのですが、何か有効打があるかというと、おそらく何も無いというのが現実だと思います。

結局、『自分の身は自分で守るしかない。』という結論に至るのですが、熱心に増員反対運動、その他司法改革に関する活動を行うよりは
・弁護士という商売道具をいかにしてビジネスにするのか
・自分をどうやって売り込むのか
を考えて行動した方が、結局弁護士として生き残ることができる(そういう意味で賢い)と思えてしまうのは、私だけでしょうか?
(こんな事を言ってしまうと、元も子もないのですが…)

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相変わらず、提携弁護士がいるんですね…

2008年02月08日 | その他
相変わらず、貸金業者と手を組む提携弁護士がいるようです。
今日も大阪府警が弁護士を逮捕したと報道されています。

ニュースへのアドレス
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080208p102.htm


私は、あまり破産ビジネスには興味がないので、
・破産管財人の登録はしていない(登録していない以上、破産管財人の経験が無いという状況です。経験はしたいのですが、正直やってる暇がない…)
・過払い金返還案件は現在1件もやっていない(同期の中では珍しいそうです…)
・任意整理・破産申立て案件も滅多にやらない(担当するきっかけは、知り合いの税理士さんからの紹介です)
という状況です。

でも、破産ビジネスは弁護士業界の中では、結構人気のある業務であり(ルーティン化できるので、1度やってしまうと形式的に大量処理ができるらしい…)、私の知り合いでも、複数の破産管財人となってガンガン稼いだり、過払い金返還案件を数多く手がけてすごい金額を回収したり等しています。


収入の面で言えば正直羨ましいのですが、個人的にはどうも積極的にやりたいと思わないんですよね。。。
新規ビジネスと展開する上でリーガルチェックするとか、ビジネス上の問題をクリアーする等の業務に興味があるためですが、一度に大きな収入になることはありません。

私が興味を持っている分野からするとコツコツ稼ぐしかなさそうです。

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英会話教室NOVAの破産に伴う教育訓練給付金の取扱いについて、厚生労働省が公表しています

2008年02月04日 | 法律情報
最近、ほとんど話題にならなくなりましたが、英会話等の語学学校の最大手だったNOVAについて、厚生労働省が

『株式会社ノヴァの破産に伴う受講生の教育訓練給付金の取扱いについて』

と題した情報をWeb上に出しています。

おそらく、教育訓練給付金を用いて申し込んだ方も多いと思われますので、対象者は一度目を通しておくことをお奨めします。

ちなみに、アドレスは次の通りです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken08/index.html

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弁護士会の選挙…

2008年02月02日 | その他
弁護士にとっては重要な(!?)、日本弁護士連合会の会長選挙と大阪弁護士会の会長選挙について、来週より不在者投票が始まります。

日弁連選挙については、おそらく事務局レベルで選挙の電話をはじいたようで、ほとんど私が直接対応することはありませんでした。

しかし、大阪弁護士会の会長選挙については、今回3人(派閥)から出馬しているため、同期の弁護士が直接事務所に訪れては色々と「応援」を頼まれることが多かったように思います。
(ちなみに、私が知っている限り大阪弁護士会は7派閥有ります。)

でも、とある1派閥だけは全く何も連絡もなかったので、「さ~て、色々な関係もあるので、2派閥から決めた方がいいのかなぁ…」と思っていたところ、連絡の無かった1派閥より昨日連絡がありました。
しかも、同期ではなく(よくよく考えると、その派閥でよく知っている同期はいない)、非常にお世話になった先輩弁護士からです。

う~ん。。。
悩ましい。。。

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あっという間に2月に突入…

2008年02月01日 | その他
先月は、有り難いことに目標売上額を達成することができましたが、積極的に新規案件に手を出し、かつ営業(?)も行ったため、ブログを書く暇が無く、気が付いたら2月になっていました。

やはり最初の日くらいは…と思って、今慌てて書いています。
(現在20時30分なので、まだまだ時間はありますね)


さて、「今月もバリバリ仕事をするぞ!」と思っているのですが、そういえば今月は確定申告の準備をしなければならない!という試練が待ちかまえています。

毎年、「今年度こそは青色申告にしよう!」「税理士さんに頼んで作業効率を上げよう!」と思うのですが、時既に遅く、今年も確定申告作業は、私が1人でやる羽目になりそうです。

売上額は銀行通帳を見れば大まかに把握できるのですが、経費の把握に毎年苦労しています。
節税対策(?)を全く講じていないので、今年はどうなることやら。。。

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