弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

目を疑ってしまうセクハラ訴訟の報道

2009年10月30日 | 法律情報
女性社員に対して、コマネチを強要されたり、性的な噂を流されるなどのセクハラ行為を受けて退職せざるを得なくなったとして、会社に対して損害賠償請求を求める裁判が提起されたようです。

女性社員に“コマネチ”強要 人材派遣会社でセクハラ訴訟


配信された記事内容だけを見ると、
「とてもじゃないが、常識では考えられない!」
と思うのですが、事実は小説よりも奇なりと言ったところなのでしょうか。。。


報道文だけから判断すると、会社側は、「荒唐無稽な作り話である!」という争い方になるのだと思います(要は否認という答弁です)。
が、会社側は事実が無いという回答しか終始できず、それ以上の主張も立証もできないこととなり、元従業員側からの主張に対して防戦一方になってしまうことが予想されます。
そうなると、裁判官としても、「作り話であればもっと上手な嘘をつくだろう!」と段々と思ってしまうかもしれません。

一種の「言った言わない論争」になってしまうのですが、この手の訴訟の場合、結局はどちらがより具体的に供述しているかによって、裁判所も判断しているような気がします。
ある意味、本件では特徴的な具体的供述が出てきているように思うのですが、
「本当にこんな事があるのか?」
と俄に信じがたいと思うのも正直なところです。
(あったとすれば、相当酷い扱いと言わざるを得ません)




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今日は色々な訴訟の話題が配信されています。

2009年10月29日 | 法律情報
私が個人的に興味を持っている分野なのですが、今日は2つ裁判に関する記事が配信されていました。

1つ目は更新料訴訟。
大阪高裁で、消費者契約法に違反する旨の判決が出て、更新料を徴収することは難しいのではないか、何らかの対策を打たなければならないのではないかと家主側で色々と動きがあるところです。
が、今日は、同じ大阪高裁で更新料を徴収することは適法であるとの判決が出たようです。

更新料訴訟で借り主敗訴=「賃借権延長の対価」-高裁判断分かれる・大阪

やはり最高裁で統一的な解釈を出してもらうしかないようですね。
(これについては、家主側が総力戦で戦っているようですので、果たしてどの様な結果が出るのか注目です)



2つ目は労働法分野。
少々マニアックなのですが、勤務先に損害を与えるような一斉退職を行った従業員に対する退職金支払義務が否定された事例です。

<一斉退職>「背信的行為」退職金請求棄却 東京地裁判決

詳細は分かりませんが、おそらく懲戒解雇に相当するような事由があった場合には、退職金を支給しなくてもよいとする社内規程(就業規則)が制定されていて、それが功を奏したのではないかと思います。
(なお、特に本件では、一斉退職したタイミングと人数、競業他社に就職したという事由が重く見られているのだと思います。)

競業禁止義務は職業選択の自由との関係上、なかなか認められませんが、退職金の不支給OKという判断は、ママ見受けられます。
労働法務に興味を持っている私個人としては、参考なる裁判例になりそうです。






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飛んで火に入る夏の虫!?~傍聴していた被疑者が名乗り出たことでそのまま逮捕

2009年10月27日 | 法律情報
指名手配中の被疑者が、共犯者の裁判傍聴を行っていたところ、裁判所で逮捕されたというニュースが配信されています。

傍聴席から「それはおれだ!」 恐喝未遂の共犯容疑、名乗り出て逮捕(産経ニュース)


被疑者は、裁判所は警察とは違うので、ここで名乗り出ても「まさか逮捕されることはない」とでも思ったのでしょうかね。。。

まぁ、裁判を傍聴するに際して、裁判所に名前を名乗る必要は無く、原則誰でも自由に傍聴可能です。
(ただ、最近の芸能人の薬物関係の裁判のように、物理的に傍聴人の数が多すぎて傍聴席が不足する場合には、誰でも出入りはできず制限されます。
ちなみに、裁判を傍聴するに際しては、立ち見はしないように注意されます。)


なお、よくテレビドラマ等では、傍聴席が埋まっているシーンが流れますが、裁判に関係しない人が傍聴するのは希で、普通は誰もいません。
(同じ時間帯に複数の事件が割り当てられていることから、事件関係者が傍聴席で待っていることはありますが…)

このため、事件関係者以外の人が傍聴している場合、かえって「あれは誰だろうか?」と探りを入れられる場合もあるかもしれません。
(偶に裁判官が傍聴人に対して、「事件関係者ですか」と尋ねる場面を見受けますので)


ところで、最近はなくなりましが、一時期、私は事件とは関係のない傍聴人でいっぱいの法廷ばかり当たったことがあります。
事務員研修や司法書士の研修のための傍聴であったり、中高生の社会見学の一環や大学生のゼミ関係での傍聴です。
(別に私の弁護活動が見本(←悪い見本の可能性はありますが…)となっているわけではなく、偶々その様な場面に出くわす確率が高かっただけです)

あまり人のいるところで裁判をやっているわけではないため、変な緊張感があったのを覚えています。





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セミナー2本が無事終了!

2009年10月25日 | その他
金曜日に行政書士会の某支部で、「遺産分割協議書作成に際して知っておきたい相続法の知識」に関するセミナー講師を務めてきました。


相変わらず、最後は駆け足になってしまう等、時間配分の読み違えというミスを犯してしまいましたが、5分間延長しただけで、一応予定していた内容をお伝えすることが出来たいので、ひとまずは成功ではないかと勝手に(?)判断しています。



ところで、先週は、日曜日にネット通販に関するセミナーを、そして金曜日に相続に関するセミナーと立て続けにこなしました。

普段セミナーを積極的に展開しているわけではないため、1週間に2度もあると、準備時間が不足し、その分他の仕事にも支障が出ることがよく分かりました(だから日曜日の今日も出勤になってしまっているわけですが…)。


でも、私の場合、自分が全く取り扱ったことのない(要は知らない)分野以外については、依頼がある限り、できるだけ受けるようにしています。

これは、セミナー講師を務める際の事前準備が、自分にとってすごく良い勉強になるからです。
(まぁ、セミナー講師で話をする等の「追い込み」をかけられない限り、勉強しないと言うことも意味するのもかもしれませんが…)
今回取り扱った、ネット通販にせよ、相続にせよ、日常業務として取り扱ってはいるのですが、改めて体系書等を読むと、色々な発見があったり、自分の頭の中では分断されていた知識が一つに繋がったり、自分にとってのメリットが大きいように感じています。

おそらく今年は、これでセミナー講師を務めるのは最後だと思います。
今年もあと残り2ヶ月、浮かれることなく&おごることなく、きとんと仕事を遂行していきたいと思います。




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イトーヨーカー堂のネット通販における誤表示

2009年10月21日 | 法律情報
この種の事例は、通常のリアル店舗でも生じうるのですが、ネット通販の場合、

・なかなか売り主が気がつきにくいこと(異常な注文数で初めて気がつくことが多い…)
・誤表示に関する情報の伝達が異常に早く(掲示板などに面白半分に記載されることが多い)、気がついたときは大量の注文が届いている状態になっていることから、誤表示後の個別対応が難しい場合があること
・中には面白半分で注文を行う人もいること(内心、売ってもらえないことが分かっていながら、誤表示通りで「売れ!」と嫌がらせ的な要求を行ってくる人も中にはいます)

などの特徴があります。



今回の誤表示にニュースを見て、「あ~やっちまったなぁ~。」と思って眺めていました。
また、この前の日曜日に行った、ネット通販に関するセミナーのトラブル事例の紹介の際に、価格誤表示の例を取り上げていたのですが、時間の都合上、駆け足で終わらせてしまったため、「もう少し、ちゃんと説明すれば良かったなぁ」などと思っていました。

そんなことを考えながら、いつものように自分のホームページのアクセス数が表示されるカウンター画面を見たところ、いつもとアクセス件数の桁が2つ違っており、しかも、午前8時までの集計段階で、既に先月のアクセス数を越えていることに気がつきました。

「!?」(どこかの掲示板にでもリンクが貼られたんだろうか?)


最初は、カウンターの誤作動かなと思いましたが、どうやら違うようなので、訪問履歴を調べていくと、上記のニュース配信記事の中に、私のホームページの一部分にリンクが貼られていました。


このニュースのおかげで(?)、私の方はアクセス数の飛躍的増加という副次的効果が得られたみたいです。
でも、アクセス数が増加しただけで、別に新規の問い合わせなどありませんし、仕事にも全く繋がっていません(当たり前か…)。

まぁ、こんな日もあるさ…ということで。。。




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会社経営が瀬戸際となってきたときに、弁護士はどの様に関与するべきか?

2009年10月20日 | 経験談・感じたこと
私が弁護士になってから、何度かぶつかってきた問題なのですが、未だに答えが出せません。


出血が酷くならないうちに、法的手続きを勧めた方が良いのか(ただ法的手続きとなると、スポンサーがいないことには再生は難しく、破産手続きに移行してしまうことが多いように思います)、

それとも、社長が事業意欲を見せているいる以上、輸血しつつも、低空飛行を続けるのか(取引先にはある程度の迷惑をかけるため、取引先の選別や付き合い方、従業員の囲い込み、社長の耐性など検討することが多い割には時間が限られているため、即断即決での判断に迫られます)

大きくは2つの方針があるかと思うのですが、法律論だけで物事を検討しても上手い答えが導き出せません。



私が関与している法人は中小企業ばかりですので、やはりこの不景気の影響はもろに受けているようで、最近、程度の差はあれ、事業立て直しの相談が多くなってきています。

何か指針を与えてくれるような文献や講演等があれば、参加して勉強したいなぁ…と思う今日この頃です。




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セミナーの準備

2009年10月17日 | その他
明日は、商い繁盛館というところで、

「ネットショップ経営者を守るための法律知識」

という題名でセミナーの講師を行うことになっています。

今日は、そのセミナーの準備をするために朝から出勤しているのですが、ようやく90分間話を続けることができるような体制になってきました。
(あれもこれも話をしようとすると90分では収まりませんし、しかし省略しすぎると1時間も持たないことから、取捨選択が大変でした…)

ネットショップ(ネット通販)となると、特定商取引法や割賦販売法、景品表示法、メール規制法、電子契約法、個人情報保護法、消費者契約法など色々な法律分野が交錯します(もちろん基本法である民法や商法が適用されるのは言うまでもありません)。
私の下手くそな話で聴講者が混乱を起こしてしまうのではないか、非常に心配があるのですが(せめてもの罪滅ぼしのために、詳しめのレジュメを作成し、レジュメを見れば概要くらいは分かるようにしたつもりです)、せっかく日曜日に聴講にお越し頂く方々のために、少しでも情報を伝えることができればと思います。

募集人員は40名だったのですが、先ほど確認したところ38名の申込みが合ったそうです。

ほぼ満席のようであり、聴講者の視線に圧倒されるのではないか心配もありますが、精一杯やってきたいと思います。




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某弁護士のブログに掲載された「同業者ネタ」

2009年10月15日 | その他
とある仙台の弁護士の方が記載されているブログが、少し皮肉を込めた(?)クイズになっていたので、しばらく考えてみました。


そのブログの掲載記事の表題は「クレサラ系小話」となっており、回答者と司会者とのやり取りの中に、クレサラ系では有名な法律事務所や弁護士の名称が秘かに散りばめられています。

「掲載内容はここで確認」


同業あるいはクレサラ系に興味がある方々で、「ちょっと一息」つきたい人はどうぞ。。。


ちなみに、私は4つしか見つけることができませんでした。
(ピンと来た文言は5つですが、キャラクターをもじった文言と事務所名をもじった文言とは重複するかと…)



ところで、クレサラ系で一時代を築いてきた事務所は、今後どの分野に向かっていくのでしょうか?
これらの事務所が進んで行く道をたどっていけば、「おこぼれ」が拾えるかもしれないなぁ…と経営感覚や商才のない、超零細法律事務所の経営者である私なんかは考えたりもします。
(私は完全にクレサラバブルに乗り遅れ、今更参入しても無駄と諦めています。テレビCMを始め色々な媒体に広告を行っている、これらの事務所の羽振りの良さを見たら、一経営者としては羨ましい限りです…)




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弁護士会での法律相談

2009年10月13日 | 経験談・感じたこと
今日は、大阪弁護士会の本館で、弁護士会主催の法律相談の相談員を担当しました。
ちなみに、最近弁護士が増えたためか、それとも抽選で外れているだけなのか分かりませんが、大阪弁護士会本館での割当は年に1回あれば良いところです(今期は今日1回のみです)。


本館(本丸)での相談である以上、さぞかし忙しいのかな…と思ったら、3時間相談室で待っていて、3件しか相談がありませんでした。
(意外にも破産や債務整理の相談はありませんでした。)

やはり有料相談(但し破産関係は30分無料のようです)であることがネックになっているのでしょうかね。。。
(市役所の法律相談は無料であるため、人気があるようです。今までの経験で、3時間で最高9件の相談を受けたことがあります。)


同期の弁護士から、「最近は弁護士会での法律相談は数が少ない。」とか、「法律相談からの案件受任は期待しない方が良い。」等々聞いたことがありましたが、今日担当した限りでは、「確かに、そうみたい」と実感できました。


ちなみに、弁護士会が関与する案件の猛1つの柱として、国選刑事弁護事件があります(厳密には法テラスですが、きっちりと弁護士会が手数料をさっ引きますので、関与はしているはずです)。
でも、大阪でも取り合いになっていると聞きます。

弁護士会を通じての案件紹介が無くなる、すなわち弁護士会が個々の弁護士に対して具体的なメリットを付与できないとなると、ますます個々の弁護士は弁護士会から心が離れてしまい、弁護士会が「笛を吹いても躍らず…」ということになるかもしれませんね。




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台風が過ぎて…

2009年10月08日 | その他
大阪は昼前くらいから、太陽の光が差すようになってきました。
そして、台風が運んできた湿気の多い空気のため、少し蒸し暑く感じます。


今日は、堺の裁判所に行く用事があったのですが、途中、電車が大和川の橋で止まってしまったので、何気に大和川を見たところ、大増水していました。
いつもは両岸が干上がっているのに、今日は両岸を埋め尽くす泥水で溢れかえっていました。
ところで、普段は大和川は両岸に水が流れていませんので、川岸にはテントなどが結構並んでいたりします。
しかし、今日は上記の通り、大増水していますので、ブルシート等で作られたテントが浸水しており、明らかに人が入れる状態ではありません。
大丈夫なんだろうか?と気になりました。



ところで、全く話は変わりますが、台風で大荒れだった今日、大阪高裁では、ウイニーの開発者に対する刑事裁判で逆転無罪判決を下しました。
ある意味、法曹界にも大荒れな1日だったと思います。
(個人的には、開発者を幇助罪で処罰することは疑問があったのですが(処罰するなら違法コピーをした実行者が大原則でしょう)、おそらく賛否両論はあるでしょうね)




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