弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

弁護士業務は浪がある…

2008年11月28日 | その他
11月前半は比較的暇で、「売上大丈夫かなぁ…」と心配していましたが、中旬頃から突然忙しくなり、納期に間に合うかヒヤヒヤしながらの業務となりました。
そして、こういう忙しいときに限って、先週には何年かぶりに高熱で倒れてしまい、連休は布団の中で過ごす、連休明けの仕事の山に愕然とする…という「つらい」経験をしました。

振り返れば「良き?思い出」ですが、11月も何とか乗り切れたことに感謝です。

さて、独立して4ヶ月経過しましたが、今のところは借金することもなく、事務員さんへの給料や取引先への支払いも遅滞することなく、やりくりすることができました。

来月は、ボーナスの支払い等、いつも以上に出費が重なるので売上アップ作戦を実行する必要があるのですが、しかし一方で、来月は証人尋問や遠方出張が目白押しで、既存業務をこなすのにも時間を費やしそうです。

最後の一踏ん張りで乗り切るしかない!というところでしょうか。

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「クライアントを上手に守るマスコミ対応」研修を受講して

2008年11月16日 | その他
大阪弁護士会では、昨年より研修が義務化され、1年間に10単位(1単位は概ね1時間のようです)取得する必要があります。

なるべくなら自分に興味がある研修を受講して、勉強したいなぁと思っているのですが、先週末の14日に「クライアントを上手に守るマスコミ対応」という研修が開催されると聞いたので、受講してきました。

マスコミ対応を専門にしているコンサルタントや新聞記者、某高級料亭側の弁護を行った弁護士と、顔ぶれが多彩で、なかなかおもしろい話を聞くことが出来ました。

私の顧問先でもちょっと前に雑誌にマイナスイメージいっぱいの記事が掲載され、対応指導を行ったことがあるのですが、今回の研修で一番印象に残ったのは、次のようなフレーズでした。

・「法的には問題ない」、「実害はありません」、「私達は被害者なのです」はNGワードであること
(弁護士という職業柄、どうしても法律問題に偏ったアドバイスをしてしまいますので、上記のような指導対応を行ってしまう可能性はあるなぁ…と思いました)

・弁護士が会見等に立ち会っても報道側にとっては関係ない
(新聞記者曰く、「本人にしゃべらせることが目的であって、弁護士が代理人として説明しても関心がないとのこと)

・「謝罪」では見出しにならないので、他の言葉(見出しになりそうな印象的な?言葉)を狙って記者は質問するとのこと
(意地悪な質問にも対応できるよう、相当な事前準備が必要ですね)



今回の研修で学んだことは、自分なりにメモ帳を作成して、いざという時のために保管しておきたいと思います。

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裁判員制度に向けた最高裁の報告書

2008年11月12日 | 法律情報
私の周囲の法曹関係者以外の人に聞いても、「裁判員制度って何?」という人が現状いるのですが、いよいよ来年から導入されます。

この裁判員制度に関し、最高裁が2つの報告書を出したと報道されています。
(私が見たのは日経ネット、社会ニュースです)


1つは「判決文をわかりやすく」するよう求める報告書。
報道文を一部引用すると、「『未必の殺意』や『正当防衛』などこれまで使用されてきた難解な法律用語を裁判員に分かりやすく説明する重要性を指摘した。裁判員が複雑な判例理論を理解する必要はなく、事件の争点を判断できるように説明すればよいとしている。判決文は簡素化されることになるが、被告や被害者、国民に対し、結論を導いた理由を示すことは最低限必要とした」とのことです。

法曹関係者以外の方がいきなり法令用語や判例理論を知った上で裁判を行うことは不可能を強いることなるでしょうから、趣旨は理解できます。
ただ、私のような弁護人として活動する側からすれば、判決理由が簡素化されるのは若干不安なところがあります。
というのも、控訴審では、一審の問題点等を指摘して弁護活動を行うことになるのですが、簡素化されてしまうと何処に問題点があるのか分からない場合が生じるのでは?と考えてしまうからです。
(もちろん、実際に判決理由がどの様に記載されるのか、実際に見ないと分かりまんが…同じ不安は検察側にも生じるように思います)


2つめは、控訴審の審理に関してですが(控訴審は職業裁判官のみで判断されます)、「控訴審は一審の判断尊重を」要請する報告書です。
確かに、一審の判断を何でもかんでもひっくり返してしまったら裁判員制度を導入した意義が無くなるのは分かりますが、一方で、この報告書が裁判官に変なプレッシャーになれなければ…とも思います。
(なお、職業裁判官だけで判断されている、現在の刑事裁判においても、控訴審で一審の判断が覆る確率は非常に低いので、確率論からすれば、裁判員制度の導入によって率に大幅な変動が出ないという結果になるかもしれません)


ちなみに、弁護士会から出てくる裁判員制度に関する資料を見ていると、正直、今の刑事裁判より「労力・負担アップ」という感が否めません。
まぁ、法制度として出来た以上は対応せざるを得ないのですが、正直、今の私の能力で対応できるのか、大きな不安となっています。

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驚きと残念と……岡口裁判官のサイトが閉鎖危機に

2008年11月08日 | 法律情報
私が毎日見ているサイトの一つとして、現役裁判官である岡口裁判官のWebサイトがあります。

このサイトは非常に有益な情報が掲載されており、仕事上もよく利用しています。

ところが、昨日付で次のような記事が掲載されていました。

(以下、引用)
[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・

先日,ボツネタの書き込み欄において,管理人が,犯罪被害者となり,捜査当局も巻き込み,大変な騒ぎとなりました。
今回の件が,捜査当局や,管理人の勤務先の当局など,各方面に与えた影響は甚大でボツネタ及びtopページをこのまま継続することがかなり困難な状況となっています。
必要な情報,ソフト等がありましたら,万が一の場合に備え,DL.魚拓などで個人的に保存されることをオススメします。
なお,ボツネタを引き継いでくれる方がいらっしゃいましたら管理人までご連絡いただければ幸いですm(__)m

(引用終わり)


確かに、ここ最近、明らかに不穏当な書き込みがなされており、ちょっと気になっていたのですが、その書き込みが原因で上記のような事態になってしまったというのであれば、憤りを感じます。
貴重なサイトが失われる可能性が生じたことに大変残念でなりません。


岡口裁判官のサイト
法曹関係者のためのHPです。

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首都圏の弁護士が地方に進出してくることは、やっぱり嫌!?

2008年11月05日 | 経験談・感じたこと
弁護士広告が解禁されて久しいですが、最近では、首都圏の弁護士と仙台の弁護士との間で、ちょっとした問題(?)が生じているようです。


(以下引用)
 消費者金融の過払い債務者らからの相談や受任方法などをめぐり、首都圏と仙台など地元の弁護士との間で対立の溝が深まっている。
 首都圏の弁護士は法律相談やテレビやラジオのCMなどを使って、地方の債務者の掘り起こしに懸命だ。首都圏弁護士の進出に、地元組からは「手軽で利益につながる仕事だけを引き受けることにつながり、倫理上、望ましくない」との声も上がっている。
(引用終わり)
上記ニュースを報じているWebページ


現在の制度上は、CMを流すことは原則自由のはずです(先月、プライムタイムに法律事務所のCMが流れているのを見て、ちょっとびっくりしましたが…)。
また、自分が所属している都道府県の弁護士会以外の顧客からの依頼を断らなければならないという決まり事もありません(東京の弁護士が大阪の依頼者の仕事を受任して弁護活動を行うことは問題ないはずです)。

とすると、今回の報道自体は、特に目新しいことではないと思うのですが、地元の弁護士からすると、あまりいい気分ではないでしょうね。
(河北新聞社は「需要開拓vs利益優先」と標題を付けています。また、上記Web上の記事の中には、仙台の某弁護士のコメントとして、「過払い金の返還請求は自己破産手続きに比べ手間が掛からず、最高裁判決後は特においしい仕事になった。需要の掘り起こしは大事だが、楽に報酬を得ようとする手法が透けて見える」とのコメントを掲載しています)


まぁ、地元弁護士の縄張り意識についてはともかく、倫理上の問題はあるかもしれません。
が、今後は、都市部の大資本の法律事務所が地方に進出して、地元の法律事務所と競争する(競争すると言えば聞こえはいいですが、要は地元弁護士の仕事を奪っていくということなんでしょうね)ということは、ますます増加するのではないでしょうか。
(もっとも、今のところ、この様な競争が起こっているのは、破算・債務整理・過払い金返還といった分野に偏っていますが…)


これが司法改革による競争原理の導入だと思いますので、私のような、地方の小規模事務所は、このような状況に耐えうるだけの「何か」を持つ必要があるということになりそうです。
司法改革に対する政治運動を行ったところで、現状が変わると思えませんので、弁護士業で生計を立てたいと思う私は、「自分の身は自分で守る」術を考えていきたいと思います。

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社会情勢とホームページ

2008年11月01日 | その他
標題だけを見ると、何のことか分かりませんが、なんてことはありません。

最近のニュースを見ていると、金融不安を背景とした、来春卒業予定の学生の方々の内定取消し事例が多くなってきているようです。
上記ニュースを報じているWebページ

ところで、たまたま私のホームページには、内定取消に関する記事を掲載しています。
採用内定の取消しに制限はある?by弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の法律情報ページ

上記のような社会情勢を反映してか、ここ2週間くらい、上記ページへのアクセス数が急激に増えていました。
当初、何故増えているのか分からなかったため、ちょっと気持ち悪かったのですが、不幸にして採用内定取消しを受けた方々が閲覧されていたのかもしれません。

ちなみに、閲覧数が増えたからといって、採用内定取消しに関する相談は1件もありません。
(というか、私が言うのも何ですが、私なんかに相談して時間をつぶすより、新たな就職先を見つけるべく、就職活動に時間を当てた方が絶対に良いと思います)

つい最近まで、就職活動は「楽」なんて言われていましたが(私の学生時代は超氷河期と言われた時代です…)、国外の出来事であるにもかかわらず、就職戦線に大きな変化が出ているようです。
学生の皆さんには、来春に向けて、くじけずに頑張って欲しいと思います。

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