弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

やっぱりまだいる…提携弁護士と債務整理屋

2007年05月30日 | 法律情報
報道によると、弁護士資格がないのに多重債務者の債務整理をした、いわゆる整理屋11人を逮捕したとのことです(なお、提携していたとされる弁護士は既に死亡しているとのこと)。

債務整理&過払い金返還請求事件は、ビジネス雑誌でも取り上げられるくらい、弁護士側から見れば非常に勢いのある案件のようですが、一方で非弁提携の問題がずっと言われ続けています。

確かに、債務整理&過払い金返還請求事件は、ある程度は類型化でき単純作業になりますので、弁護士が一から十までやる仕事ではないのかも知れません。
が、それは内部作業のみであって、対外的な交渉は弁護士がやらないと、どう考えても弁護士法違反になってしまいます。

それを分かっていながら、非弁提携する弁護士が後を絶たないのは何故なんでしょうか?


http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070530AT1G3001730052007.html

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何でも調書に取れば良いってもんじゃないのでは?-富山の冤罪事件に絡んで

2007年05月29日 | 法律情報
報道によると、富山県で発生した冤罪事件について、冤罪であることが判明後、富山地検が
「富山県警の担当刑事と富山地検高岡支部の副検事を恨まない」
という内容の調書を取っていたとされています。

責任逃れのための防御策を予め講じたということでしょうか?
あるいは調書に取ったから、精神的苦痛はないよね…とでも言いたいのでしょうか?

この様な調書を本当に取っているのであれば、取り調べという名の下で、自分たちに都合良く調書を作成したと批判されても仕方がないような気がするのですが…
というか、やり過ぎですよね!?


関連するニュースへのアドレス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070528-00000095-mai-soci

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裁判所は和解好き?

2007年05月28日 | 経験談・感じたこと
訴訟を提起し、主張・書面等の証拠の提出を行った上で事実関係を整理し、争点確定後、当事者・関係者の尋問手続きを行う…というのが一般的な裁判手続きの流れとなります。
そして、尋問手続きが終わった後は、尋問の結果を踏まえて最終的なまとめの主張を行うこともありますが、通常は裁判を終結し、後は判決を待つのみという形となります。

が、裁判所は、判決を書くのが面倒くさい?あるいは嫌い?なのかは定かではありませんが、訴訟の早い段階から「和解による解決が出来ないか」と提案してくることが非常に多いです。
弁護士としても、尋問手続きには手間・暇がかかりますので、尋問前に和解で終結できるのであれば、正直「楽」ができるので、ありがたい場合があります。
と言っても、弁護士は何処まで行っても依頼者のために弁護活動を行う以上、依頼者が「和解は絶対嫌だ!」と言う場合には、安易に和解するわけには行きません。

私が訴訟提起する案件は(話し合いによる解決が出来るのであれば、多くの案件は示談で終了します)、たいがい「絶対に判決!」という依頼者が多いのですが、裁判所はなかなか判決まで手続きを進めてくれません。

先日も、尋問まで行い、当事者が「和解は嫌だ!」と言っているにもかかわらず、後日、弁論期日を1回開き和解による解決を迫ってきました。
あまり裁判所と喧嘩するわけにも行きませんので、「一応、持ち帰って検討はしますが、おそらく難しいと思いますよ…」とやんわり否定的な事を言って帰るのですが、果たして依頼者へどの様に説明すればいいのか?

弁護士としては、裁判所と依頼者とに挟まれるのが、一番やっかいなんですよね。。。

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あまり話題になっていませんが…特定住宅瑕疵担保責任履行確保法が成立!

2007年05月25日 | 法律情報
約2年前に世間を大きく騒がせたマンション耐震偽装問題ですが、最近ではあまり話題に上らなくなってきましたね。

ところで、耐震偽装問題が発生してから、今後の被害防止策の一つとして被害者の損害賠償の履行確保の方策が強く主張されていました。
その結果できたのが、今回の標題に掲げた「特定住宅瑕疵担保責任履行確保法」です。
要は、売り主に保険加入等させることで、万一問題が生じた場合には買い主の被害保護に充てるための資金を確保することが内容となっている法律です。
被害者保護には一歩前進の法律といえそうですが、市場原理として、保険金の負担は住宅購入代金に上乗せさせる、つまり購入者が負担することになるのではないかと思います。
そういう意味では、結局、購入者が自分のお金で「安心」を買うと言うことになりそうです。

なお、報道によると2009年から適用されるようですので、家を買うなら待った方がいいかも。。。


関連するニュースへのアドレス
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070524AT3S2400Z24052007.html

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裁判員制度に関する質疑応答の催し…

2007年05月24日 | その他
裁判員制度については、導入されることが決定となっている以上、法曹界だけではなく、一般国民も含めて対応の準備をする必要があります。

ところで、奈良で裁判員制度に関する催しがあったと報道されていますが、この記事の中で、ちょっと気にあった質疑応答があります。


(以下、一文引用)
質問「判決後、恨みを買って仕返しされるのではないか」
回答「危害を加えられたら捜査する」
(引用終わり)

「事後的な救済(?)方法を回答しても、不安は取り除かれないだろ!」と突っ込みたくなったのは私だけでしょうか?


関連するニュースへのアドレス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070523-00000250-mailo-l29

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大阪弁護士会の建物

2007年05月23日 | 経験談・感じたこと
私は大阪弁護士会に所属しています。
が、大阪弁護士会の会館にほとんど行ったことがありません(健康診断、講演の受講、図書館利用、国選の刑事事件を受任するための各1回ずつ…)。

このため、巷では大阪弁護士会会館は豪華ですよねと言われても、果たして本当なのか、恥ずかしながら知りませんでした。

今日は偶々、会員室で打合せがあったため、初めて最上階まで行ったのですが、前面ガラス張りで見晴らしもよく、確かに豪勢だと言われたらそうだなぁ…と思ってしまいました(一部弁護士が主張している、「こんな豪勢な建物はいらない!」と言っているのも何となく理解しました)。

まぁ、必要性の有無はともかく、せっかく建っているのだからもう少し利用しようと思った今日この頃なのですが、遠目から見ていつも思うのが、「何故、建物の外装に大阪弁護士会という表示がないのか?」という点です。
せっかく立派な建物を建てたのだから、もっと大阪弁護士会を宣伝しても良いような気がするのですが。。。
遠くから見ると、何の建物か分かりませんので、もったいないなぁ…と個人的には思ってしまいます。

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「イナバウアー」の商標登録はダメ!

2007年05月22日 | 法律情報
このブログ(昨年5月11日)でも書き込みましたが、イナバウアーの商標登録について、特許庁が拒絶査定を出していることが明らかになりました。

報道によると、特許庁が拒絶査定を行った理由は、「技の開発者の名前がついており、本人の承諾もないまま使うことはできない。また、名声に便乗したものを独占的に使うことは、取引の秩序を乱す恐れがある」とのことです。

何となく、一企業が独占的に標章の使用権を取得するのはいかがなものか?と思っていましたので、結論的には納得なのですが、特許庁の理由も何だか結論ありきの理由(?)のような気もちょっとします。

最近、企業経営においてブランドイメージが非常に重要視されています。
このため、ブランド保護のために商標権を取得するという戦略をとることが多いようですが、何でもかんでも商標登録申請するのはちょっと…ということでしょうかね。


関連するニュースへのアドレス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070522-00000004-yom-soci

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弁護士は必読!?  判例タイムズに「弁護過誤をめぐる裁判例と問題点」という論文が掲載されています

2007年05月21日 | 法律情報
専門家に対する責任追及訴訟と言えば、やはり医師に対するもの、いわゆる医療過誤訴訟が有名ですが、弁護過誤に関する裁判というのは、あまり聞いたことがありませんでした。

しかし、今回紹介する、判例タイムズ1235号に掲載されている「弁護過誤をめぐる裁判例と問題点」という論文を読むと、実は結構いろいろな裁判がされているのが分かります。

私個人はまだ内容を読み切れていませんが、自分の職務遂行方法に問題がないか見直す意味で、早急に目を通しておきたいと思います。

なお、よく同期の弁護士と冗談で言っているのですが、今後弁護士の数が増えるにつれて、弁護士の専門分野として、「弁護過誤」という分野が創設されるのではないかと思ったりもしています。
弁護士が弁護士を訴えるというのが日常茶飯事になる時代は、もうすぐかもしれません。。。

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中小企業にとって新会社法とは?

2007年05月18日 | 法律情報
商法が改正され、会社法が施行されて1年が経過しましたが、中小企業庁が、中小企業にとって、会社法がどの位認知され、活用されているのかアンケート結果をまとめて公表しています。


中小企業庁へのアドレス
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/070501katuyoujoukyou.htm


何となくは聞いたことがあるけど、「内容はまではちょっと…」というのが大部分のようです。
また、会社法が与えている様々な制度についても、認知度も低いですが、あまり活用されていないのが浮き彫りとなっているようです。

まぁ、1年目であれば仕方がないことかも知れませんが、現状の会社運営で問題がなければ、制度をあえて変更する必要はないので、当然と言えば当然の結果かも知れませんね。

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新司法試験の受け控え

2007年05月16日 | その他
昨日始まった、第2回の新司法試験について、受験辞退者が受験予定者の13%にも昇ることが報道されています。
(ちなみに去年は1.6%だそうです。率だけで言えば10倍近く今年は増えていることになります。)

新司法試験については、受験回数が3回と制限されているため、自信がない場合には受け控えすることは選択肢としてあり得るとは思われます。
が、気になるのは、合格率が気になる法科大学院側が、あまり受かりそうもない(?)受験生に対して、受験を控えるよう指導したとか、しないとか報道されている点です。

まぁ、(残念ながら)あり得る話だとは思うのですが、本当なのでしょうか?

本当だとしたら、法科大学院を修了したのに、受験を控えるよう指導する法科大学院って一体…と思ってしまいます。
法科大学院ビジネス上、合格率が重要なことは分かりますが、法科大学院を修了しているのであれば、それなりの素養が付いてることが前提になっているはずです。
その様な指導を行うのであれば、そもそも修了させるべきではないのでは?と思ったりもします。


関連するニュースへのアドレス
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/05/2007051501000501.htm

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