弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

占い師の細木さんの発言にクレーム-養鶏業者が事実無根として

2005年11月30日 | その他
最近テレビでもおなじみの占い師細木和子さんが、某番組で、鶏卵について色々と発言したところ、鶏卵業者より事実と異なる発言で悪影響を受けたとして、テレビ局を通じて日本養鶏協会が抗議文を送付したようです。

テレビの影響力は昔より絶大なものですし、特に有名人が発言したとなると、その社会的影響力は絶大と言わざるを得ません。
もし、細木さん側が確認せずに発言したとするのであれば、やはり不用意と言わざるを得ませんので、何らかの対応を行う必要があるでしょう。

ちなみに、事実無根であることを分かっていながら公表することで被害が生じた場合、民事的には名誉毀損、営業権侵害などに基づく損害賠償(場合によっては謝意請求)が、刑事的には名誉毀損、業務妨害、信用毀損等が問題となります。

事実関係が不明確ですので、今後どのように進んでいくのか分からない点がありますが、ただでさせ養鶏業者は鳥インフルエンザ等でピリピリしている状況ですので、不用意な発言は禁物だと思います。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051130-00000070-kyodo-soci

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会社法施行規則案について意見募集が行われています

2005年11月29日 | 法律情報
会社法が来年5月より施行されると噂される中、ようやく会社法施行規則案が公表され、パブリックコメントに付す手続きに入りました。

会社法の内容でさせ、まだ不十分なのに、分厚い会社法施行規則が規定されてしまっては、ますます勉強するのが大変になりますね。
でも、施行規則を理解しない限り、会社法全体を理解したことにはならないので、我々法曹実務家は、徐々に理解していく必要があります。

それにしても、来年からの司法試験は会社法を受験科目とするとのことですが、受験生は準備が大変ですね。。。


法務省へのリンク
http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI64/pub_minji64.html

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非弁活動で西村議員が逮捕!-その余波

2005年11月29日 | 経験談・感じたこと
非弁活動(=弁護士資格を有していないのに、示談交渉等の法律事件を扱う行為)で逮捕された西村議員ですが、色々な事実が判明してきているようです。
例えば、報酬を折半していたとか、案件名簿の作成を義務づけていた事実とかです。

ここまで来ると、なかなか言い逃れすることは難しいと思われるのですが、少々気になる点があります。

すなわち、今回問題となっている法律は、弁護士法72条&74条の問題だと思われるのですが、実は、当該条文には弁護士と非弁護士とが「提携」した場合については、明文上何ら規定されていないことです。

弁護士法72条と74条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は…してはならない」と規定されてあります。
したがって、犯罪を犯す主体は「非弁護士」(=本件であれば事務職員)であって、弁護士である西村議員については、直接弁護士法72条及び74条の適用があるわけではないということとなります。

おそらく検察&警察側は、西村議員は非弁護士と積極的に提携していたという事実を捉えて、「共犯」として立件するものと思われますが、明文の直接規定が無いことで相当緻密な調査が要求されるものと思われます。


ところで、最近弁護士業界も時代の変化と共に、税理士などの他士業との連携(いわゆるワンストップオフィス)、場合によっては特定の会社(例えば不動産売却をスムーズに進めるための不動産会社)との連携を図り、より広範なサービスを目指すことが求められています。

このような意味で、弁護士業界も「提携」「連携」というのは一つのキーワードとなっていた感があるのですが、今回のような事件を見ると、弁護士と提携する場合、相当気を付けなければならないと言うことが分かります。
一時期問題となった(今でも?)、整理屋との提携弁護士の問題等、色々と考えさせられる問題です。


関連リンク
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051129AT1G2802N28112005.html

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女優のアイコラをインターネット上に公表したとして逮捕!

2005年11月28日 | その他
報道によると、某女優の顔写真と体のヌード写真を合成させたアイコラ写真をインターネット上に掲載した人達が逮捕されたようです。

アイコラの違法性(名誉・プライバシー侵害など)はもう周知だと思っていたのですが、まだまだこの様なことは行われているようです。

ちなみに、どうでもいい話なのですが、アイコラの写真自体にもおそらく著作権は発生するはずです。
但し、アイコラの写真が他のサイト等に転用されても、誰も文句を言わないのが通常です。
なぜなら、アイコラ写真の著作者などが著作権を主張したら最後、著作権を主張する者が、違法なアイコラ写真を作成したことを公表してしまうこととなり、自分で自分のクビを絞めてしまうことになるからです。
権利主張もよく考えて行う必要がありますね。。。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051128-00000071-kyodo-soci

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代理出産による出生届は不可-最高裁が夫婦の抗告を認めず

2005年11月25日 | 法律情報
医学の発展により、代理出産の技術が進歩してきています。
このような代理出産の場合も法律上の親子として認められるか否かについて争われた事件につき、最高裁判所は、親子関係は認められないとして夫婦の申立てを認めないとする決定を行ったようです。

医学の進歩と法律の遅れと簡単に捉えてよいものかどうか分かりませんが、少なくとも、社会的(日本国民の大多数)に見て、代理出産でも親子と認めても良いという風潮がない限り、裁判所としてもなかなか認めづらいのが現状のように思います。

いずれにせよ、医学と法律だけではなく、生命倫理の問題が絡んできたりして、各分野毎の解決は難しく、横断的な検討を要する問題だと思います。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051124-00000126-mai-soci

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元RCCの中坊弁護士、弁護士業を廃業へ

2005年11月25日 | その他
住専問題や、豊島参拝問題など、数々の社会的影響のある事件を手がけてきた中坊弁護士が、弁護士業を廃業したようです。

出る杭は打たれるのかどうか分かりませんが、色々と悪い噂があり、最後には整理回収機構での債権回収に詐欺があったとして刑事告訴される等して、結局は廃業に追い込まれたという感はありますが、これほど名の知れた弁護士はなかなかいないのではないでしょうか。

私のような若手(中堅?)弁護士に、大きな影響を与えてくれた先生であったことには間違いありません。

ちなみに、私が知っている限り、中坊先生が経営していた中坊法律事務所は残っており、また名称自体も残っているのですが、この名称はどうなるのでしょうかね。
中坊法律事務所には、たしか5人くらいの弁護士が所属していたと記憶していますが、名称自体は残す方向で考えているのかもしれません。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051123-00000011-maip-soci

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被告人に対して懲役25年を求刑-危険運転致死罪等で起訴された被告人に対して

2005年11月22日 | その他
泥酔状態で運転し8人をはねた上、壊れた車の代わりに他の車を盗んだ被告人に対し、検察側は懲役25年を求刑したと報道されました。

厳罰化以前より刑事弁護をやってきた私なんかの感覚だと、「懲役25年!、20年越える求刑なんてあるのか!?」という量刑感覚がありますが、近年の厳罰化の傾向からすると、これくらいは当然なのかも知れません。
ということで、私の感覚も早く慣らさなければならないのですが、今後はアメリカみたいに禁固100年…という時代になるのでしょうか?

ちなみに刑事弁護をしていると、しょっちゅう被告人から「量刑どれくらいですか?」と聞かれます。
以前は、これまでの裁判例等の量刑相場に基づきだいたいの量刑を答えることができたのですが、今後は安易に答えられませんね。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051122-00000204-yom-soci

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皇室典範の改正議論-女性天皇OK、長子が皇位優先で結論を出す

2005年11月22日 | その他
女性天皇を認めるか、皇位はどうするのか等、色々と議論があった皇室典範改正の問題ですが、有識者会議において、
・女性天皇OK
・直系の生誕順で皇位継承
とする結論でまとまったようです。

最近、憲法改正の議論も盛り上がりを見せてきていますので、一緒に憲法上の天皇の地位について議論をしてもよかったのでは…?と勝手に思ったりもしますが、とりあえずは、現天皇制の下で想定しうる問題への対処法はある程度固まってきたと見てよそうそうですね。

あとは、根強い反対論があるといわれている、女性天皇容認について、国会でどのように審議されていくのか興味があります。


関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051121-00000103-mai-soci

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西村衆議院議員の(元)事務員が非弁活動で逮捕

2005年11月21日 | その他
民主党の西村議員は現在も弁護士事務所を運営されているようですが、その弁護士事務所で働いていた事務員が、「弁護士西村」の名前を語って、示談交渉等を行い、報酬を得るという仕事をしていたようです。

そもそも西村議員が同じ大阪弁護士会所属の弁護士だったこと自体を知らなかったのですが、議員活動が忙しいとはいえ、報道されている事項、すなわち残務処理等を任せっぱなしにして、職印(弁護士名義の入った印鑑です)を預けていたという事実が真実なのであれば、やはり大きな問題になると言わざるを得ません。

一般的に日本社会では、印鑑(三文判にせよ実印にせよ)は重要なものであり、簡単に他人に預けてはいけないと言われています。
そうすると、職印も印鑑であり、弁護士であることを対外的に示す重要なアイテムですので、簡単に他人に預けておくのは少々問題でしょうね。
(報道によると、逮捕された事務員は職印を様々な書類に押捺していたようですので…)

ちなみに、非弁活動といえば、2ちゃんねるなんかではよく議論になっている、行政書士との関係はどうなったのでしょうか?
たま~に行政書士の先生から連絡が入ることがありますが、厳密には行政書士の先生が直接代理にして示談交渉はできない以上、いつもどこまで協議に応じて良いものか悩んでしまいます。。。

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裁判官もやっぱり人の子?-勤務中にみだらなメールを送った裁判官が辞表提出

2005年11月21日 | その他
報道によると、現役裁判官が出会い系で知り合った女性に対し、勤務中であるにもかかわらず、色々と(みだらなものもあったようです)メールを送っていたようです。

個人の携帯からのメールのやり取りですので、そもそも何故分かったのか疑問がありますが、まぁ、勤務中にやってはいけないことは当然のことだと思います。

ちなみに、個人の携帯あるいは会社等のPCを利用して私用メールを行った場合、業務に誠実に従事していないとして懲戒処分が下される可能性はあります。また、最近ではメールの監視(モニタリング)も裁判例上、基本的には有効とされていますので、従業員の方々はむやみやたらと私用メールをすることは止めておくのが無難でしょうね。

なお、今もそうだと思いますが、裁判官には各自ノートパソコンが支給されていますが、内部のイントラネットはともかく、外部のインターネットとは繋がっていないはずです(ウイルス対策として、外部からの切断が一番手っ取り早いため)。


関連リンク
http://www.asahi.com/national/update/1121/SEB200511210006.html

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