ビッグデータ等の活用が言われて久しいですが、データの利活用は今後ビジネスを行う上で必要不可欠になると考えられます。
もっとも、自社のみで有用なデータを収集することは不可能です。
そこで、他社が保有するデータを、今後も他者で利用することを前提に、当方も当該データを利用することを可能にする取引が今後活発化すると思われます。
このような取引を行う場合、特に検討するべきポイントは次の通りとなります。
①提供対象となるデータの項目・内容を特定し、明記すること
②提供対象となるデータの品質について、当事者間で誤解を生まないよう明記すること
③提供対象となるデータが第三者の権利を侵害していないか、第三者とトラブルになった場合の対処法を明記すること
④提供対象となるデータの目的外利用の可否、第三者提供の制限の有無につき明記すること
⑤派生データに対する権利帰属、利用権限につき明記すること
以下では、経済産業省が公表している「AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版」に掲載されているモデル契約書案を参照しつつ、提供者側と受領者側のそれぞれの視点で、どのような事項に着目し検討するべきか、その要点を解説します。
本記事を読むことで、モデル契約書案だけでは分からない、当事者の立場・属性に応じたデータ提供契約書の作成を行うことが可能になると思います。
弁護士 湯原伸一 |