弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

【IT法務】データ提供契約(ライセンス型)作成に際してのポイントを解説

2023年10月30日 | 法律情報

ビッグデータ等の活用が言われて久しいですが、データの利活用は今後ビジネスを行う上で必要不可欠になると考えられます。

もっとも、自社のみで有用なデータを収集することは不可能です。

そこで、他社が保有するデータを、今後も他者で利用することを前提に、当方も当該データを利用することを可能にする取引が今後活発化すると思われます。

 

このような取引を行う場合、特に検討するべきポイントは次の通りとなります。

①提供対象となるデータの項目・内容を特定し、明記すること
②提供対象となるデータの品質について、当事者間で誤解を生まないよう明記すること
③提供対象となるデータが第三者の権利を侵害していないか、第三者とトラブルになった場合の対処法を明記すること
④提供対象となるデータの目的外利用の可否、第三者提供の制限の有無につき明記すること
⑤派生データに対する権利帰属、利用権限につき明記すること

以下では、経済産業省が公表している「AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版」に掲載されているモデル契約書案を参照しつつ、提供者側と受領者側のそれぞれの視点で、どのような事項に着目し検討するべきか、その要点を解説します。

 

本記事を読むことで、モデル契約書案だけでは分からない、当事者の立場・属性に応じたデータ提供契約書の作成を行うことが可能になると思います。

 

 

 

データ提供契約(ライセンス型)作成に際してのポイントを解説

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 

 


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【IT法務】画面表示(UI)は著作権その他法律の保護対象になるのか?

2023年10月23日 | 法律情報

ソフトウェアやゲームなどに代表される画面表示(UI)をどのような方法で法的保護を及ぼすのか…かなり悩ましい問題と言えます。

 

例えば、画面に表示される内容(画像)を表現方法の1つであると捉えた場合、著作権法に基づく保護が考えられます。

また、画面表示(UI)を意匠登録することにより保護を図ることが考えられます。

さらに、画面表示(UI)に関連する技術を特許にすることで保護を図る方法が考えられます。

最後に、画面表示(UI)について、不正競争防止法(商品等表示又は商品形態)に基づき保護を図る方法が考えらえます。

 

以上のように色々な法律が思い浮かぶのですが、実はどれも一長一短があります。

本記事をご参照いただくことで、各手法の問題点を把握しながら、適切な手法を選択することポイントを分かって頂けるかと思います。

 

 

 

画面表示(UI)は著作権その他法律の保護対象になるのか?

 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 

 


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【コラム】賃金引上げと護送船団方式

2023年10月16日 | 経験談・感じたこと

最近、政府主導によるあからさまな賃金引上げ政策が目立つようになってきました。例えば、最低賃金の大幅アップ、助成金の支給、賃上げ促進税制などです。


たしかに、物価高に対応するためには、収入アップを目指す必要性がありますので、賃金引上げ政策に重きを置くこと自体は間違っていないかと思います。
ただ、特に最近の議論の行方を見ていると、内部留保を抱えている大企業を念頭に、
「賃上げする余裕はまだまだあるでしょ!?」
という発想が見え隠れしているような気がしてなりません。
つまり、中小企業の現状を見据えた議論のようには思えないのです。

 

しかし、直近では経団連などが賃上げ容認の考えを示していることからすると、まさに官民(※ここでいう「民」は大企業のみを指します)での談合の如く賃上げムードを作ろうと躍起になっています。そして、賃上げできない事業者は、脱落しても致し方が無いという意図も強くなってきたように感じます。
一昔前に「日本企業は護送船団方式により守られている」と言われ批判されていましたが、今は「賃上げできた事業者のみ護送される」といったところかもしれません。

そういえば、インボイス導入についても、(官から見て)保護対象となる事業者と、反故に値しない事業者とを区別するための、一種の踏み絵なのかもしれませんね。
とにもかくにも、経営者は人件費をどのように捻出するのか真剣に考えておかないと、簡単に市場からの退場処分を受けてしまうことを肝に銘じておく必要がありそうです。

 

 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 

 


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【契約法務】システム保守契約・運用契約書作成に際し、特に意識したい条項について解説

2023年10月10日 | 法律情報

少しインターネット検索をすれば、「システム保守契約書」、「システム保守運用契約書」の参考書式がたくさん出てくると思います。

 

ただ、あくまでも参考書式に過ぎず、閲覧者が想定している取引実情に合致しているかは定かではありません。

また、仕事柄、安易に参考書式に頼ってしまったがために、後で契約上のトラブルが発生しても、契約書が全く役に立たない、あるいは自社が必要以上に不利な状況に落ちっている事例を、たくさん見てきました。

 

システム保守契約書及びシステム運用契約書を作成するのであれば、専門の弁護士にご依頼いただくことが確実なのです。

しかし、何らかの理由で依頼することが難しい場合を想定し、システム保守業務・運用業務を受託する事業者において、是非とも押さえておいて欲しいと考える5つのポイントにつき解説します。

本記事を読むことで、100%ではないにしても、相当程度のトラブル防止に役立つ契約書を作成することができるかと思います。

 

 

 

システム保守契約・運用契約書作成に際し、特に意識したい条項について解説

 

 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 


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【法務】クラウドサービス提供事業者へ個人情報を提供する際の留意点

2023年10月02日 | 法律情報

近時は事業活動を行う上で、クラウドサービスを利用することが当たり前のようになってきています。

しかし、当たり前すぎて意外と気が付かないのが、クラウドサービス内に保存されたデータの取扱いです。

例えば、事業者が顧客の氏名や連絡先等のデータを、クラウドサービスとして提供されている顧客管理システム内に保存した場合、個人データをクラウドサービス提供会社に提供したことにならないか、という問題が生じ得ます。

仮に、個人情報保護法上の「提供」に該当するのであれば、事業者は、顧客より第三者(本件ではクラウドサービス提供会社)へ提供することの同意を得る必要があるのですが、おそらくほとんどの事業者は、同意を取得していませんし、そもそもこのような問題が起こること自体認識していないと思われます。

 

本記事では、「個人データ」をクラウドサービスへ提供(保存)した場合に、留意するべき個人情報保護法上の問題点と対処法について解説します。

 

 

 

クラウドサービス提供事業者へ個人情報を提供する際の留意点

 

 

 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

弁護士 湯原伸一

 

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。

 
 
 
 
 

 


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