ネット上に「医者に嫌われる患者とは?」という記事が掲載されていたので、何となく読んでみました。
弁護士が増え、依頼者側が弁護士を選ぶ時代であることから、「甚だ時代錯誤」であることを理解しつつ、
◆弁護士として置き換えて読んだ場合、やりにくい依頼者だなぁ…
と個人的に思った部分をまとめてみました。
※「・」の部分はコラムの引用、「◆」の部分は私個人の見解です。
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・「早く診てよ」「点滴でいいから!」
◆顧問先でもなければ、知人でもない、初対面の方がいきなり電話をかけてきて(希に突然来所もあります)、「今すぐ相談にのってよ!」、「ちょっとのことだから答えてよ!」と言われても、弁護士としては困惑することが多いと思います。
しかも、依頼者にとっては「ちょっとのこと」と思っていても、弁護士として回答する以上は責任を伴いますので、安易に回答するわけにはいかないし、安易に回答することでトラブルになってしまうのが嫌…という防御意識が働いてしまうことが多いような気がします。
従って、この様な言い方をされてしまうと、どうしても構えてしまう弁護士が多いように思います。
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・「本当に治るの?」「この薬で効く?」
◆本当にこの方針・手続きで絶対に勝てるの?と問われてしまうと、正直つらいところがあります。
予想できる相手の反論に対しては、この様に再反論できるのでクリアーできると思いますよと言えても、依頼者から提供されてない情報がある場合等は、作戦の練り直しが必要ですし、これはマズイ…という時もあります。
従って、この様な言い方をされてしまうと、弁護士としては回答しようがない状態に追い込まれてしまいます。
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・「先生、私は『○○(病名)』なので注射してもらいたいんです」
◆依頼者の方が判断されている法的地位と、提供された情報を元に弁護士が判断する法的地位とはズレが生じることがあります。
このため、弁護士がベターと考えるアドバイスが、依頼者の満足につながらない場合があり得ます。
従って、この様な場合は、弁護士としては見解に相違がある以上、お引き受けすることができませんと回答しかできないように思います。
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・話を聞かない
◆弁護士としては、依頼者のためにベストな解決法や方針を示しているつもりであっても、依頼者が予め持ち合わせている結論に合致しないため、堂々巡りとなってしまうことがあります。
従って、この場合も、お引き受けすることができないという状態になってしまうことが多いように思います。
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・世間話が長い
◆これが一概にダメという訳ではなく、実は話を追いかけていくと「宝」が潜んでいるときもあります。
ただ、明らかに関係のない話を延々とされてしまう場合や繰り返し同じ話をされてしまうと、どうしても「もう勘弁して欲しい」と思ってしまいます。
従って、最初の頃はともかく、ある程度話が煮詰まってきた段階では、「その話は以前もお伺いしたので、もう結構です」となってしまう場面が出てくるように思います。
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・やたらくわしい
◆最近はネット情報等で知識を持っている人も多いので、この様な事例は今後ますます増えていくように思います。
ただ、ネット情報は玉石混交であり、明らかに間違っている(あるいは法改正前の情報である)場合もあります。
市民法律相談で、1度だけ「ネット上ではこの様に書いてあった。だからあなたは間違っている!」と言われたことがあるのですが、やはりつらいです。
(※もちろんネット上の情報が間違っていましたよ。念のため。)
したがって、依頼者が持っている情報と弁護士の見解に相違がある場合、情報源を提示して欲しいなぁと弁護士としては思います。
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以上、しょせん私の個人的見解に過ぎませんが、弁護士を探す際などで、
「弁護士ってこんなこと考えているんだ。上手く手なずける(?)ためには、弁護士の特徴も知っておかないと」
と考えている方などご参考にしてください。
インターネット・電子(IT)取引、労務・労使・労働問題、フランチャイズ、広告法務、債権回収を中心業務にしている弁護士湯原伸一のホームページはこちらです。
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