皆様、こんにちは。今回の作品はいつものブログ主さんに代わりまして、私マルガレードがご案内致します。え?お前は誰だって? オペラのヒロインよ、ヒロイン。知らないの?エドゥアール・ラロ先生の代表作、歌劇<イスの王様>の主人公なのよ!まいったか。エッヘン。(-Λ-)タイトルになっている「イスの王様」は、私の父。つまり私は、国王の娘。それも長女。えらいでしょ。え?あたしがいつ、このオペラの主人公になったのかって?今よ、今。ここのブログ主さんがそうだと認めたんだから、それでいいの!
じゃ、始めるわね。演奏会などで独立して採り上げられることもある有名な序曲に続いて、まず第1幕。イスの国の人々が、開幕早々から賑々しい合唱を始めるわ。あたしの婚約を祝ってね。この合唱は聴き物なんだから。いかにも、あの<スペイン交響曲>でお馴染みのラロ先生らしい色彩感とリズムでね。楽器の使い方に特徴があるわよね、ラロ先生って。でもお話のポイントを先に言っとくけど、これは愛のない結婚。一種の政略結婚みたいなものね。国王である父が、敵国との宥和のためにあたしをダシにしたのよ。カルナックっていう身の毛もよだつような敵国の男と、あたしは結婚させられるところなわけ。だから今思いっ切り、気分が沈んでいるの。分かるでしょ? (;_;)
あたしが心の中で想っている相手は、イスの国の名戦士ミリオ様。リリコ・テノールの声で、優男(やさおとこ)って感じなんだけど、実はとっても強いのよ。でも彼は戦(いくさ)に出征してから消息が途絶えていて、みんなで心配しているところなの。で、あたしにはローゼンという妹がいるんだけど、この子があたしとは対照的に、とってもおしとやかでね。って言うか、鈍いのよ、はっきり言っちゃうけどさ。このローゼンときたら、よりにもよって、あたしのミリオ様と相思相愛!あたしが意に沿わぬ結婚で沈んでいるところへやって来て、何を言うかと思ったら、「お姉さまは、ミリオ様と一緒に行った男性のことを愛していらっしゃるのね」だって。違うって!あたしが好きなのは、ミリオ様その人です!トロいわねぇ。ーー;)
それでさ、あたしが結婚式場へ導かれたあとにミリオ様が登場して、ローゼンと愛のデュエットを始めるのよね。で、すっかり舞い上がったローゼンが式場へやって来て、「ミリオ様が無事にお帰りになったわ、キャッ」なんて言うの。あたし、もう悔しくて、悔しくて。だからイスの人々とお父様が見ている前で、カルナックに、「あたしは、アンタなんかと結婚しないわ」って、思いっきり拒絶してやったわ。勿論、大騒ぎ。カルナックは怒りまくるし、お父様は愕然とするし・・。「この屈辱は、お前たちとの戦争ではらしてやる」って叫ぶカルナックと、それを受けて立つあたしのミリオ様とのやり合いがあって、第1幕終了。どう?あたしがこのオペラの主人公だってこと、分かってきまして?フッフッフ。(-v-)
続いて、第2幕ね。その第1場は、王宮の広間。ここっていきなり、あたしの聴かせどころ。戦争の開始を告げるトランペットを背景にして、立派なアリアを歌うわよ。内容?勿論、愛しいミリオ様への熱~い想い。でも、彼はローゼンを愛している。だから、歌がだんだんと嫉妬の表現に変わってくるの。あたしの声はメゾ・ソプラノなんだけど、その嫉妬心を歌う後半部分が特にいいわよ~。その後、お父様、つまりイスの王様とローゼン、それにミリオ様が登場してのアンサンブルになるの。三人の会話を隠れて聞いていたら、そこでお父様ったら、「お前が見事勝利を収めて帰って来たら、我が娘ローゼンはお前のものだ」なんて、ミリオ様に言うのよ。で、ローゼンもミリオ様も、「やったーっ」なんて。あたし、もう悔しくて、悔しくて。でね、ミリオ様が出発した後、ローゼンの前に出て、あたし言ってやったの。「ミリオがこのまま、戦いに負けて帰らなければいいのよ」ってね。ここでようやく、あのトロくさい妹が気付くのよ、あたしが心に想っていた相手がミリオ様だってことに。で、珍しく彼女ったら激昂してね、激しいアリアを歌い出すんだけど、やっぱり根っからリリックな子なのね。途中から、「私も、ミリオ様を愛するようになったのです」なんて、優しく哀願するような歌に変わるの。これが男に受けるカワイコ・キャラなのね、きっと。でも、そのカワイコぶりを見てあたし、さらに逆上しちゃってさ、「呪ってやる」って捨てゼリフを吐いて立ち去ったわけよ。どう、やっぱりあたしの方が素敵なキャラでしょ?フッフッフ。(-v-)
第2場も、あたしが主役。でも、ちょっと待って。けたたましく勇壮な前奏が平原に響くところから始まるんだけど、場面はもう戦争終了後。結果は勿論、われらがイスの戦士ミリオ様の勝利!(当然でしょ。)で、イスの国の守護聖人であるサン・コランタン様の礼拝堂へ皆で連れ立って行って、勝利の報告とお祈りをするところなのよ。でね、その一方で、あのカルナックが、しきりにうめいているわけ。「もうお終いだ。敗北だ。畜生」なんて。声ばっかり勇壮なバリトンで、情けない男!あたしさ、あいつのところへ行ったの。何のためにかって?決まってるじゃない。妹に向けた「呪ってやる」っていうあたし自身の言葉を、実行するためによ。
イスの国ってね、海抜よりも低いところにあるの。だから海の水から国土を守るために大きな水門を作ってあるんだけど、その秘密の場所をカルナックに教えてあげちゃおうって考えたのよ。後は分かるでしょ?ホホホホホ。(-w-)でも、その途中で信じられないことが起こるのよねぇ・・・。彫像が動き出すの!ちょっと、あたし、ドン・ジョヴァンニじゃないんですけど。そして、守護聖人サン・コランタン様が本当にお出ましになっちゃうのよ、これが。そんなの、アリ?(@_@;)で、オルガンのジュワァーッって音と、オーケストラ・トゥッティのドッコーンって音を背景にして、あたしたち二人の行動を厳しく諌(いさ)めるのね。さらに天の声なんて合唱が、「悔い改めなさい」なんて歌い出すものだから、あたし本当に怖くなっちゃって、「お許し下さい」って叫んだわ。で、この計画は急遽中止ってことになったわけ。
あら、もう、一回分のページ枠がいっぱいになりそう。これではとても、ラスト・シーンまでのお話は無理ね。じゃ、この続きの第3幕は次回ということで。勿論、あたしが引き続きご案内致しますわ。何よ、決まってるじゃない。あたしがヒロインなのよ、ヒロイン。そこんとこ、忘れないでね。つんっ!(-Λ-)
じゃ、始めるわね。演奏会などで独立して採り上げられることもある有名な序曲に続いて、まず第1幕。イスの国の人々が、開幕早々から賑々しい合唱を始めるわ。あたしの婚約を祝ってね。この合唱は聴き物なんだから。いかにも、あの<スペイン交響曲>でお馴染みのラロ先生らしい色彩感とリズムでね。楽器の使い方に特徴があるわよね、ラロ先生って。でもお話のポイントを先に言っとくけど、これは愛のない結婚。一種の政略結婚みたいなものね。国王である父が、敵国との宥和のためにあたしをダシにしたのよ。カルナックっていう身の毛もよだつような敵国の男と、あたしは結婚させられるところなわけ。だから今思いっ切り、気分が沈んでいるの。分かるでしょ? (;_;)
あたしが心の中で想っている相手は、イスの国の名戦士ミリオ様。リリコ・テノールの声で、優男(やさおとこ)って感じなんだけど、実はとっても強いのよ。でも彼は戦(いくさ)に出征してから消息が途絶えていて、みんなで心配しているところなの。で、あたしにはローゼンという妹がいるんだけど、この子があたしとは対照的に、とってもおしとやかでね。って言うか、鈍いのよ、はっきり言っちゃうけどさ。このローゼンときたら、よりにもよって、あたしのミリオ様と相思相愛!あたしが意に沿わぬ結婚で沈んでいるところへやって来て、何を言うかと思ったら、「お姉さまは、ミリオ様と一緒に行った男性のことを愛していらっしゃるのね」だって。違うって!あたしが好きなのは、ミリオ様その人です!トロいわねぇ。ーー;)
それでさ、あたしが結婚式場へ導かれたあとにミリオ様が登場して、ローゼンと愛のデュエットを始めるのよね。で、すっかり舞い上がったローゼンが式場へやって来て、「ミリオ様が無事にお帰りになったわ、キャッ」なんて言うの。あたし、もう悔しくて、悔しくて。だからイスの人々とお父様が見ている前で、カルナックに、「あたしは、アンタなんかと結婚しないわ」って、思いっきり拒絶してやったわ。勿論、大騒ぎ。カルナックは怒りまくるし、お父様は愕然とするし・・。「この屈辱は、お前たちとの戦争ではらしてやる」って叫ぶカルナックと、それを受けて立つあたしのミリオ様とのやり合いがあって、第1幕終了。どう?あたしがこのオペラの主人公だってこと、分かってきまして?フッフッフ。(-v-)
続いて、第2幕ね。その第1場は、王宮の広間。ここっていきなり、あたしの聴かせどころ。戦争の開始を告げるトランペットを背景にして、立派なアリアを歌うわよ。内容?勿論、愛しいミリオ様への熱~い想い。でも、彼はローゼンを愛している。だから、歌がだんだんと嫉妬の表現に変わってくるの。あたしの声はメゾ・ソプラノなんだけど、その嫉妬心を歌う後半部分が特にいいわよ~。その後、お父様、つまりイスの王様とローゼン、それにミリオ様が登場してのアンサンブルになるの。三人の会話を隠れて聞いていたら、そこでお父様ったら、「お前が見事勝利を収めて帰って来たら、我が娘ローゼンはお前のものだ」なんて、ミリオ様に言うのよ。で、ローゼンもミリオ様も、「やったーっ」なんて。あたし、もう悔しくて、悔しくて。でね、ミリオ様が出発した後、ローゼンの前に出て、あたし言ってやったの。「ミリオがこのまま、戦いに負けて帰らなければいいのよ」ってね。ここでようやく、あのトロくさい妹が気付くのよ、あたしが心に想っていた相手がミリオ様だってことに。で、珍しく彼女ったら激昂してね、激しいアリアを歌い出すんだけど、やっぱり根っからリリックな子なのね。途中から、「私も、ミリオ様を愛するようになったのです」なんて、優しく哀願するような歌に変わるの。これが男に受けるカワイコ・キャラなのね、きっと。でも、そのカワイコぶりを見てあたし、さらに逆上しちゃってさ、「呪ってやる」って捨てゼリフを吐いて立ち去ったわけよ。どう、やっぱりあたしの方が素敵なキャラでしょ?フッフッフ。(-v-)
第2場も、あたしが主役。でも、ちょっと待って。けたたましく勇壮な前奏が平原に響くところから始まるんだけど、場面はもう戦争終了後。結果は勿論、われらがイスの戦士ミリオ様の勝利!(当然でしょ。)で、イスの国の守護聖人であるサン・コランタン様の礼拝堂へ皆で連れ立って行って、勝利の報告とお祈りをするところなのよ。でね、その一方で、あのカルナックが、しきりにうめいているわけ。「もうお終いだ。敗北だ。畜生」なんて。声ばっかり勇壮なバリトンで、情けない男!あたしさ、あいつのところへ行ったの。何のためにかって?決まってるじゃない。妹に向けた「呪ってやる」っていうあたし自身の言葉を、実行するためによ。
イスの国ってね、海抜よりも低いところにあるの。だから海の水から国土を守るために大きな水門を作ってあるんだけど、その秘密の場所をカルナックに教えてあげちゃおうって考えたのよ。後は分かるでしょ?ホホホホホ。(-w-)でも、その途中で信じられないことが起こるのよねぇ・・・。彫像が動き出すの!ちょっと、あたし、ドン・ジョヴァンニじゃないんですけど。そして、守護聖人サン・コランタン様が本当にお出ましになっちゃうのよ、これが。そんなの、アリ?(@_@;)で、オルガンのジュワァーッって音と、オーケストラ・トゥッティのドッコーンって音を背景にして、あたしたち二人の行動を厳しく諌(いさ)めるのね。さらに天の声なんて合唱が、「悔い改めなさい」なんて歌い出すものだから、あたし本当に怖くなっちゃって、「お許し下さい」って叫んだわ。で、この計画は急遽中止ってことになったわけ。
あら、もう、一回分のページ枠がいっぱいになりそう。これではとても、ラスト・シーンまでのお話は無理ね。じゃ、この続きの第3幕は次回ということで。勿論、あたしが引き続きご案内致しますわ。何よ、決まってるじゃない。あたしがヒロインなのよ、ヒロイン。そこんとこ、忘れないでね。つんっ!(-Λ-)
何となく誰かさんの口調を想い出してしまうのは気のせいかしら?
こんな風にお書きになられたら、益々こちらのブログ、目が離せなくなってしまいました。続きが楽しみです。ガンバ。。。p(-_-)q
先日はわたしんちの1周年のご挨拶を頂きましてありがとうございます。(^o^)
イスの王様っていうからてっきり大きなソファーだと思ってたらそういう国があったんですか。へぇ~、面白いストーリーだこと。この前みたいに悲しい結末じゃなかったら良いなぁ。
スタンさん。この書き方だと薔薇の館のちゃーちゃん姫ぽいですよ。まぁ私なら書き出しはこんな所かな。(^w^)
→ やぁ、みんなどうだね。今日は主のいない留守を狙ってワシが代わりに相手になってやろうか。なんじゃぁ、オマエは誰だと?この美女を知らんのかぁ。ぶん殴るぞ。
コメントを有難うございます。
楽しんでいただけたら、何よりでございますわ。
これもひとえに、ヒロインであるこのわたくし、
マルガレードの魅力がなせる業でございますわね。
ホホホホホ。
ところで、イスの国のつづりは Ys でございますの。「椅子」なんて漢字変換なさいませんようにね。
ホホホホホホ。