カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

鯖くさらかし岩

2019-06-23 | HORROR

 時津町に「鯖くさらかし岩」というのがある。三十何年か前に車の免許を取ったときに、何故か見に行った。僕はバイクの免許は先に持っていたので、何度かこの岩を見に行った覚えはある。というか、そんなに頻繁に見に行くわけないが(時津に友人は住んでいたが)、妙に印象に残っていて、ドライブするならこれを見てみようと思ったのではないか、と推察する。バイクだと主に一人だが、車だと複数の人と一緒に見ることができる。複数の人と鑑賞する喜びを分かち合うには、この岩が最適だと判断したのではないか。
 「鯖くさらかし岩」というのは、要するに奇石で、巨石が崖の上にあって、見た目が落ちそうにしているが、落ちていない状態の岩なのだ。魚商人が、この岩が落ちてくるのを怖がってこの道を先に行くことができずに、商品の鯖を腐らしてしまった、という逸話があるらしい。そのような昔話は、いろんな地方にもあるらしいので、以前の日本人のおおらかさを伝える定番話かもしれない。また、ひょっとすると逆の見方もあって、鯖という魚はそれほど扱いが難しいものだ、ということを言いたい可能性もある。臆病者には、売れる商品ではないのだ。
 ということで見ると楽しい岩である。ただし、時津のこの場所はたいへんに交通量が多く、さらに近くに適当な駐車場が無い。また道からの角度によっては、ちょっと見にくい場所である。車でサーと通り過ぎるときに注意を怠ると、簡単に見逃してしまいかねない。
 そろそろ「鯖くさらかし岩」があるよ、と心の準備と予告を怠ってはいけない。そうして一瞬、見えた? とお互い確認しあって、ちょっとだけウケる。単にそれだけである。
 でもそうまでしてみた割に、さっぱりウケの悪い人が居る。だから何? って感じかもしれない。そうすると、やっぱり何か悔しいというか寂しいというか、そんな気分を味わうことになるだろう。
 幸い時津・長与には、買い物など遊びに行くところも増えたように思う。あくまでそういうついでがあって、楽しむべき名所なのかもしれない。
コメント
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