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再びの巨木巡礼 45 須賀神社のクス


須賀神社のクス(静岡県の巨木153/№121)




平成9年4月12日「巨木巡礼」時の須賀神社のクス

10月8日、三本目の巨木、藤枝市水守の「須賀神社のクス」はお馴染みの巨木で、「巨木巡礼」で出合い、「旧東海道夫婦旅」でも立ち寄り、このブログでも2012年10月1日「駿河百地蔵巡り」の時、訪れている。「巨木巡礼」では次のように記す。

旧東海道を東へ、藤枝の商店街を抜けて、国道1号線を南へ渡って少し行くと、旧東海道沿いに「須賀神社のクス」がある。根元に向けて幹が末広がりで、子供がたやすく攀じ登れるようなスロープをなしていて、幹がそれらしくはげていた。しかし、いまは登って遊ぶ子供もいない。子供が減り、しかも忙しすぎるのであろう。裏へ回ると大きな洞が口を開けていた。(平9.4.12)

さらに、「旧東海道夫婦旅」では、「巨木巡礼」の記録を載せた後、以下のように記す。

この木とも出会ってから数年の付き合いである。この短い間にこの楠も確実に年を取り、以前には無傷であった幹に無粋な治療痕が目立つようになった。大きな洞には蓋がされて写真に入らないようにするのに苦労する。またかっては自由に遊べたのに今は周りがロープの柵でガードされていた。(平13.12.24)

さらに、このブログで以下のように記しているので再掲する。

クスノキに変わりは無かったが、周囲の様子がすっかり変わっていた。道路改修によって、周辺が広々としたため、枝を気兼ねなく広げているように見えた。

案内板も新しいものになっている。といっても、平成13年設置とあるから、10年以上御無沙汰していたことになる。樹齢500年、樹高23.7メートル、根廻15.2メートル、目通10.9メートル、枝張 東西21.2メートル、南北27.9メートルと記されている。昭和33年9月、靜岡県指定天然記念物で、数値は指定時のものと言う。それから50余年も経つから、幹の太さも目通で1メートル以上も太くなっているに違いない。

以前に見たときは、狭いところに窮屈そうに枝を張り、道路側だけが少し開けているイメージであった。旧東海道筋にあるということは、江戸時代以前から街道を行き来する旅人たち、参勤交代、飛脚や早馬など、ずうっと見下ろしてきたわけで、そんな事を考えると、このクスノキはいよいよ大切にされなければならないと思う。 (平24.10.1)


ひこばえが疵を隠してよいが、太さがよく見えない

角度を変えて寄れば、疵の補修が痛々しい

上部も中々太い

以前の記録を並べてみると、意外と面白い。町は再開発で、旧東海道の狭かった道が広々とし、迫っていた人家も幾棟か無くなり、自由に枝を広げているように見えるが、今では子供の声も無く、あちこち疵の手当ては手厚くされているけれども、見に来る人も絶えて、クスノキも一抹の寂しさを感じているのではないか、と思った。

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本来なら、今日は地区の神社のお祭りだが、コロナ禍で早々と中止になっており、神主さんの神事だけが拝殿で行われ、区長として参列した。直会(なおらい)もなく、散会となった。久し振りにネクタイを締めた。
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