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再びの巨木巡礼 38 円成寺のクスノキ


円成寺のクスノキ
左手奥に円成寺山門が屋根だけ見える
右手にクスノキ



10月2日、3本目の巨木は「円成寺のクスノキ」である。「静岡県の巨木」には所在が「榛原町谷ノ口」とあるだけだった。調べると、谷ノ口は牧之原市細江の一部、字名のようで、樹高30メートルといえば、近くまで行けばクスノキの方から所在を知らせてくれるはずと思った。

国道150号線を南へ、牧之原市に入る坂口谷川を渡ってすぐに、旧道に入り南西へ2キロほど進むと、右手山際にそれらしい背の高い樹が見える。まるで手招いているようだ。それに導かれて小道を進めば、円成寺前に出た。クスノキは円成寺右脇の山際に、とびぬけて高く幹を伸ばしていた。後日調べたら、「円成寺のクスノキ」は牧之原市の天然記念物に指定されていた。



生育地が小山の山際で、家がすぐそばまで建ち、窮屈そうである。唯一明いている天空に、思い切って枝を伸ばしているように見える。





細間を入って根元に至るも、草やひこばえが邪魔で、幹部分が良く見えない。眼を凝らして見れば、何とか幹の太さが判って来る。細間側に根が露出してクスノキの巨大さが感じられる。

これは個人的な感覚だが、巨樹のある社寺は歴史が感じられ、無い社寺よりも格上にみえる。巨樹は建物のようにお金をかければ作れるというものではない。巨樹は長い年月を掛けなければ育たない。当然、社寺がその間、綿々と続いてきたを示している。人々はそれを感じるからで格上に思う。折角の巨樹が顧みられていない社寺を見ると、残念でしかたがない。「円成寺のクスノキ」もひこばえや周りの草を刈れば、その雄姿を顕わすのだが。

「静岡県の巨木」によれば、幹周囲6.6メートル、樹高30メートルで、牧之原市最大のクスノキである。

後日、牧之原市担当に問い合わせた所、何年か前に元気がなくなり、枯れるかと心配したが、枝打ちして養生した所、今のように元気を取り戻したという。市の天然記念物の表示がないのは、所有者のお寺の意向だという。

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午後、「駿遠の考古学と歴史」に出席する。先月、コロナで中止となり、2ヶ月ぶりの講座であった。

読書:「異形の山 南アルプス山岳救助隊K-9」 樋口明雄 著
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