ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

9・11~欺かれた世界6

2007-09-20 10:06:21 | 国際関係
●ワールド・トレード・センターの崩壊

 通説は、ワールド・トレード・センター(WTC)の3つのビルは、航空機の衝突とそれに伴う火災が原因で崩壊したとする。これはまったく説得力がない。物理学の法則に反しており、子供だましである。

①飛行機の機体は溶解しない

 WTCのツインタワーには、2機の航空機が激突したとされる。1機目のアメリカン航空11便は、ボーイング767-200。乗客81名、乗員11名を乗せて、ボストンを午前7時54分に出発。テロリストにハイジャックされて、午前8時46分にツインタワーの第1ビルに突入したという。
 2機目のユナイテッド航空175便も、ボーイング767-200。乗客56名、乗員9名を乗せて、ボストンを午前8時14分に出発。これもハイジャックされ、午前9時3分に第2ビルに突入したとされる。
 1機目が既に第1ビルに突撃し、 全世界が注視している中、2機目が第2ビルに突撃したため、テレビでその瞬間が中継された。飛行物体はユナイテッド航空175便だと言われているが、記録映像で見ると、機体は黒く、窓が見当たらない。機体の腹には、黒い物体が見える。形状は、旅客機ではない。本体は軍用機、黒い物体は爆弾ではないか、という疑問がわく。
 ツインタワーに激突した2機は、ともに炎上し、機体は高熱のため焼失し、残骸は何も残っていないと発表されている。しかし、これは、絶対にあり得ない。航空機は、事故で炎上しても、機体のアルミニウム特殊合金は溶解しない。また、飛行機事故では、わずかな破片でも見つかれば、記してある機体番号(シリアルナンバー)で機名などが分かる。ところが、アメリカ政府は、これら2機の部品は、何一つ発見されていないという。最も強固なエンジンの部分すら見つからないなどとは、考えられない。

②航空機会社が共謀しているのでは

 アメリカ政府は、ツインセンター倒壊後、驚くべき速さで瓦礫を運び出し、廃棄処分にしてしまった。普通は慎重に現場検証をし、収集物を徹底的に調査・分析するだろう。アメリカ政府は、それをせず機体が溶けただの、部品も見つからないだの、エンジンすらないだのという。これは、飛行物体が何であったのか知られないように、完全に破片まで収集して隠したのである。
 もし本当にボーイング767だとするなら、アメリカ政府は残骸を示し、部品やエンジンを公開して、テロリストによる残忍な犯行だと強調するだろう。それをしないのは、飛行物体は、ボーイング767ではなかったからだろう。別の飛行物体が2機、WTCを攻撃した。自国民には、それを旅客機であると思わせることに、アメリカン航空・ユナイテッド航空の幹部も同意していたはずである。そうでなければ、航空機会社は政府に抗議をするだろう。私は、このように考える。

③パスポートだけ残ることは不可能

 飛行機の部品は全て火災で溶解したと政府は言う。それなのに、テロリストたちのパスポートが、瓦礫の中から判別可能な状態で発見されたという。それが実行犯特定の決め手となったという。これは、物理的にありえない。エンジンすら溶けたというのに、紙でできたパスポートが残るはずがない。アメリカ政府は、こんなことすらわからないだろうと自国民を蔑視しているのだろう。

④ジェット燃料ではビルの鋼材は溶解しない

 アメリカ政府の説明では、飛行機が全焼するほどの高熱でビルが燃え、鉄骨が溶けて、上層階の重みに耐えられなって、ビル全体が倒壊したという。しかし、ジェット燃料による火災では、ビルは崩壊しないと、WTCの鋼材を認証した安全試験機関「アンダーライターズ・ラボラトリーズ」の研究所長ケビン・ライアンは言っている。ビルの鋼鉄の融点は、摂氏1649度。ジェット機の燃料では、どんな条件であっても1000度を越すことはない。ジェット燃料の火災による鋼材の溶解は、絶対ありえないのである。
 ビルの鉄骨が溶けて流れ落ちている状態を撮った映像がある。専門家は、高熱を発生する特殊な爆薬が使われない限り、そのような高熱を発することはないという。真相の解明には、溶解した鋼材の分析が必要である。しかい、鋼材の残骸は、冶金研究所で調査されることなく、すぐさま廃品置場に運ばれた。これは、証拠隠しとしか考えられない。
 犠牲者の多くはただ圧死したのではなく、気化してしまった。ジェット燃料よる火災は温度が低く、短時間で消える。ところが、倒壊したセンターの瓦礫は不断の消火活動にもかかわらず、90日以上燃え続けた。ジェット燃料だけではなく、別に特殊な物質が使われたと考えるのが、合理的である。

 次回に続く。

小泉・安倍から福田か麻生へ

2007-09-19 12:19:33 | 時事
 小泉純一郎氏と安倍晋三氏は、それぞれどういう政治をしたのか。そして、次の首相候補である福田康夫氏と麻生太郎氏は、それぞれ彼らの路線・政策の何を受け継ぎ、何を変えようとしているのか。

 まず小泉政治と安倍政治の比較。思いつくままに。基本姿勢とカッコ内のコメントは、私の評価。

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●小泉政治

<基本姿勢>
 経済優先的保守(伝統尊重的保守に対抗、保守系リベラルとは連携)

<路線>
 構造改革(実は従米売国)

<党務>
 派閥政治の破壊(独裁的リーダーシップに)
 公明党との連立(一体化が深刻に)

<内政>
 改革なくして成長なし(景気は回復、財政赤字は増大)
 郵政民営化(アメリカへの身売りのおそれ)
 特殊法人の整理削減(中途半端で、骨抜きに)
 市場原理主義の導入(個人と地域に格差拡大)
 個の自立、個の確立(家族の崩壊が進む)
 男女共同参画の推進(フェミニズムが蔓延)
 皇統は女帝女系容認(親王殿下誕生で阻止)
 首相の靖国参拝の復活(個人的にとどまる)

<外交>
 アメリカ重視(イラク戦争に追従)
 自衛隊の海外派遣(法は未整備のまま)
 会社・会計・司法等の制度改革(年次改革要望書の実行、売国的アメリカ化)
 中国への距離、靖国がらみで首脳会談せず(歴史認識は争わず)
 北朝鮮拉致問題に一定の前進(政権維持に利用)
 国連安保理入り目指す(改憲せぬのではもともと無理)

●安倍政治 

<基本姿勢>
 伝統尊重的保守(経済優先的保守から出て、伝統尊重にシフト。保守系リベラルと対立)

<路線>
 戦後レジュームからの脱却(わが国の最大課題に取り組む)

<党務>
 派閥宥和の中での官邸主導(お友達内閣の弱さ)
 公明党との連立(一体化続く)

<内政>
 構造改革の継続(改革の推進力は低下)
 格差是正に着手(実効はまだ少ない)
 憲法改正を掲げる、国民投票法の成立(志半ばに終わる)
 教育改革に着手、教育基本法の改正(改革まだ前進せず)
 防衛庁を防衛省に(実質がまだ伴わない)
 家族の重視、フェミニズム蔓延の制止(浸透は遅い)
 皇統は男系継承の安定化(進んでいるか不明)
 靖国参拝あいまい(参拝せずに終わる)

<外交>
 アメリカ重視からアジアへの配慮へ(アメリカからは軽視される)
 集団的自衛権の行使を検討(論議不十分のまま)
 北朝鮮拉致問題に情熱(米中朝に振り回される)
 価値観外交の推進(アメリカニズムへの傾倒では)
 インドとの戦略的協力(日米印豪の提携は対中に意義)

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 こうした小泉氏・安倍氏の路線・政策に対し、福田氏・麻生氏はどういう姿勢・立場をとろうとしているか。本日の産経新聞の記事が、なかなかよく書いていた。とりあえずの整理に役立つと思う。
 本紙14版では「総裁選 路線継承でのスタンスの違い 福田氏「親小泉・反安倍」 麻生氏「反小泉・親安倍」と題されたもの。

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●産経新聞 平成19年9月9日号

自民総裁選、どっちが親安倍?、親小泉?
http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070918/shs070918002.htm

 23日投開票の自民党総裁選で、福田康夫元官房長官(71)と麻生太郎幹事長(66)のスタンスの違いが次第に広がりつつある。福田氏は小泉純一郎前首相の構造改革路線を強く打ち出す一方、安倍晋三首相の「戦後レジーム脱却」路線には否定的だ。これに対して、麻生氏は小泉路線の修正を訴え、安倍路線は高く評価する。同じ系譜にある小泉-安倍両政権の評価が分かれたことで、総裁選は複雑な様相を帯びている。
 「小泉改革はすごい改革をした。50年、100年続いた制度を根幹から変えてしまった」
 「小泉内閣があれほど大きな改革を成功させたのは国民の信頼があったからだ」
 福田氏は17日の大阪市での街頭演説で小泉氏を礼賛した。小泉路線への傾倒は日増しに強まる傾向にある。小泉内閣の官房長官を長く務めたので当然ともいえるが、平成16年5月にたもとを分かつ形で辞任しただけに違和感はぬぐえない。
 福田氏が小泉路線を打ち出すのは、各種世論調査で安倍首相の政治路線の変更を求める声が強い一方、小泉氏の構造改革路線への評価が依然として高いことがある。
 加えて、これまで安倍首相を支持しながら福田氏支持に転じた議員には、「福田氏が小泉改革を支持しなければ(同氏を支持する)大義を失う」(若手)との事情もあるようだ。衆院当選1回の「小泉チルドレン」の支持を取り付けるには小泉氏の看板は下ろせないとの事情もある。
 一方、福田氏は、対北朝鮮外交で首相の「圧力」路線から「対話」路線への転換を表明。首相が進めてきた教育再生や憲法改正、集団的自衛権の解釈変更などに言及したことはない。もともと安倍首相とは相性が悪いこともあり、「福田政権になれば安倍路線は全否定される」(中堅)との見方が強い。

   × × ×

 麻生氏は安倍政権を「9カ月間で教育基本法改正や防衛庁の省昇格、国民投票法など難しい法律を次々に成立させた。後世に高く評価されるはずだ」と絶賛する。
 麻生氏は昨年の総裁選で首相の対抗馬だったが、政権発足後は外相、幹事長を務め、「AAライン」と呼ばれるほど緊密に連携した。もともと文教族で教育改革に熱心だった上、外相として外交政策を首相と二人三脚で進めてきたこともあり、「安倍路線の否定」は自己否定につながるのだ。
 その一方で、小泉構造改革については「継承する」と言いながらも、地域格差問題では「光が強ければ影も色濃くでる」「改革の痛みには鎮痛剤や輸血などの手当ても必要だ」と修正を強調。参院選の敗因も「小泉政権から引き継いだ負の遺産が大きなマイナス要因」と断じている。
 党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)な麻生氏が地方党員の支持を得るには「経済政策の軌道修正は不可避」との読みがある。加えて、麻生氏は総務相時代に郵政民営化などをめぐり、小泉氏のブレーンである竹中平蔵経済財政担当相(当時)と激しく対立。竹中氏と親しい中川秀直前幹事長とも仲が悪く、小泉改革を全面支持するわけにはいかないようだ。
 ただ、麻生氏の誤算は、首相の突然の辞任表明で安倍政権への信頼感が低下してしまったことだ。加えて、首相の出身派閥である町村派が丸ごと福田氏支持に回り、安倍首相が影響力を行使できなかったことも苦戦の原因となっている。
(2007/09/18 23:39)
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 こうやって見ると、福田氏「親小泉・反安倍」 麻生氏「反小泉・親安倍」という表題は、スタンスをよくとらえている。
 麻生氏は、安倍氏ほど明確に「戦後レジュームからの脱却」を打ち出してはいないが、基本的にはこれを達成しようという伝統尊重的保守派だと思う。憲法改正・教育改革・国防充実という国家の根幹となる課題を推進できる政治家の一人である。麻生氏は、日本の底力を信じ、これを引き出して日本人に誇りと元気を与えようとしている。
 これに対し、福田氏は、安倍・麻生の伝統尊重的保守とは対極的な位置にいる。経済優先的保守と保守系リベラルの中間あたりにいるように思う。そういう点で、小泉・安倍の後、本音では小泉政治に反対だった保守系リベラルを含めて、自民党の多数の派閥が寄り合って談合政治に戻すには、都合の良い人材なのだろう。最大のポイントは、日本人としての理念や誇りより、中国から経済利益を求める勢力の意向に沿うことだろう。

関連掲示
・私の言う「保守」「経済優先的」「伝統尊重的」「リベラル」については、以下をご参照のこと。
 拙稿「日本的な保守に日本精神の背骨を」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion13a.htm

9・11~欺かれた世界5

2007-09-18 06:58:21 | 国際関係
●フルフォードの本が扶桑社から登場

 私は、今年に入ってベンジャミン・フルフォードの本を手にした。フルフォードは、元『フォーブス』誌アジア太平洋支局長で、最近日本国籍を取ったジャーナリスト。扶桑社が彼の本を続けて2冊出した。『暴かれた9.11疑惑の真相』と『暴かれた闇の支配者の正体』である。
 扶桑社は、産経新聞社系の出版社である。わが国では、9・11の通説を疑う本は、徳間書房・成申書房・三交社・社会評論社等、陰謀論の本を多く出したり、新左翼系の本を出している出版社のものが目立っていた。これに比し、全国紙の系列の出版社から通説に反論する本が出たことの意義は大きい。

 フルフォードは、事件について、広く情報を集め、詳細な検討を行っている。各界の専門家や目撃者が、さまざまな立場から、この事件について見解と証言を述べていること。多くの科学者が、アメリカ政府に真相の解明を求めて運動していること。アメリカ国民の半数以上が、この事件に関する政府の説明に疑問を持っていることなどが記載されている。何より、付録のDVDの映像は、さまざまな映像情報のエッセンスをまとめており、説得力がある。
 フルフォードは、通説には、あまりにも多くの疑問点や矛盾点があり、アメリカ政府は、その疑問にほとんどまったくと言っていいほど答えていないという。そして、自作自演説を唱えている。自作自演説の本が、全国紙の系列の出版社から出たことは、通説を疑う論議が、一般的な社会問題、国際問題の論議とみなされる段階に入ったことを意味すると私は思う。

 9・11の同時多発テロは、黙認利用か、利用加担か、それとも自作自演か。私が、これを機会に自分の理解を整理しておこうと思うにいたったのは、フルフォードが、アメリカを変え、この世界を救うのは、日本しかない、日本人に気が付いてほしい、と訴えていることによる。ここで9・11の真相究明の動きは、私の関心の方向と合致した。
 現代世界人類の二大課題は、世界平和の実現と地球環境の保全である。そのためには、核戦争を防ぎ、また環境と調和した文明を創造しなければならない。これらの課題を実現するうえで、日本には重要な役割があると私は、確信している。人と人、人と自然が調和する日本精神には、人類の文明を転換し、この地球で人類が生存・発展していくための鍵があると思う。
 この21世紀の世界は、9・11以後の世界でもある。9・11以後の国際社会で、日本はどうあるべきか。そういう観点から、この事件について考えたいと思う。

●世界的な世論調査で、自作自演に75%が「イエス」

 わが国では、自作自演説は、陰謀論の類や極少数派の意見と思っている人が多い。ところが、フルフォードは、次のように伝えている。
 「ごく最近(註 平成18年現在)行なわれたCNNの全世界規模の世論調査では、『9・11はアメリカ政府による自作自演だと思うか』という質問に対して、75%がイエスと答えている。そしてアメリカ政府の説明を信じる人は、世界中でたったの12.7%しかいない。
 その後、トロントスターの調査でもカナダ人の63%、ゾグビー・インターナショナルではニューヨーク市民の49%が、自作自演説を支持している。また、CNNの別の世論調査では、5万3000人のうち、83%が『アメリカ政府は嘘をついていると思う』と答えている。
 9・11のテロから5年となる今、アメリカ政府が公表した“事実”には、どれほどの嘘、偽りや矛盾があったかが、どんどんと暴露されてきている。アメリカの政府発表に疑問を持っている人たちが今、世界中で急速に増えているのだ」(フルフォード著『9・11テロ捏造 日本と世界を騙し続ける独裁国家アメリカ』徳間書店)

 これから、いろいろな疑問点を整理しておこうと思うが、最初に私が最も注目していることを挙げておこう。

・ラムズフェルド国防長官は、ワールド・トレード・センターとペンタゴンに、航空機が激突することを、前もって知っていた。
・ペンタゴンに被害を与えたのは、旅客機ではなく、ミサイルである。
・ペンシルバニアで墜落した航空機は、米軍によって撃ち落された。

 これらは、9・11の時点の国防長官だったラムズフェルドが言っていることである。

 フルフォードの著書『暴かれた9・11の真相』(扶桑社)は、ラムズフェルドの発言を三箇所別々のところに書いている。それらを並べて見よう。
 「ラムズフェルド国防長官の時計はちょっと進んでいたのか、世界貿易センター第1ビルに最初の航空機が激突する2分前にテロ攻撃を予言し(『ファイヤットビル・オブザーバー』)、その後ペンタゴンへの激突の数分前にもそれを予言している(英、『デイリー・テレグラフ』)」
 「ラムズフェルド国防長官は01年10月、ペンタゴンの事件について『この建物に被害を与えたミサイル』とうっかり口を滑らせている(パレード・マガジン)」
 「04年12月にはイラクを訪れたラムズフェルド国防長官が、スピーチでうっかり口をすべらして、『ペンシルバニア上空で航空機を撃ち落とし』と言ってしまった(CNN)」

 国防長官、わが国で言えば防衛大臣は、軍事に関する責任者である。安全保障に関する国家機密に通じている者が、事件について予告をしたり、口を滑らせたりしているというわけだ。
これら三つの発言を整理すると、上記のようになる。繰り返す。

・ラムズフェルド国防長官は、ワールド・トレード・センターとペンタゴンに、航空機が激突することを、前もって知っていた。
・ペンタゴンに被害を与えたのは、旅客機ではなく、ミサイルである。
・ペンシルバニアで墜落した航空機は、米軍によって撃ち落された。

 私は、ここに真実が露呈しているのだろうと思っている。もしそうでなければ、アメリカ国民は、マスメディアの前で妄想を口走るような人間に、自国の安全保障を委ねていたことになる。

 次回に続く。


福田氏・麻生氏の政策の違い

2007-09-17 11:57:41 | 時事
 麻生太郎氏の政治信条や政策は、最近の著書に書かれている。サイトにもいろいろ主張が掲載されている。一方、福田康夫氏は、ウェブサイトがお粗末で中身がなく、新聞・テレビの報道によるしかない。
 麻生氏については、国民は十分な情報のもとに、支持・不支持を判断することができる。しかし、福田氏については、どういう思想・政策を持つ政治家かもわからぬまま、自民党の派閥領袖クラスの話し合いで事実上、総裁が確定している。これでは、派閥談合政治への逆戻りである。こういう仕方で新しい総理大臣が決まることは、衆議院選挙で与党にマイナスになるだろう。自民党にはもはや自浄能力、自己変革力がないのか。
 以下は政策に関するクリップ。

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●産経新聞 平成19年9月17日号

http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070917/skk070917000.htm
自民総裁選 政権公約 福田氏・社会的弱者に配慮 麻生氏・活力引き出す政策

 自民党総裁選に立候補している福田康夫元官房長官、麻生太郎幹事長が16日に発表した政権公約で、福田氏は社会的弱者や地方に配慮した政策を多くあげ、麻生氏は企業や地方自治体などの活力や潜在力を引き出す政策をちりばめた。だが、いずれも実施時期や具体的な方策などは盛り込まれておらず、目次的なものにとどまっている。
 「希望と安心のくにづくり」と題した福田氏の政権公約は、項目の列挙が目立つ構成だ。福田陣営は、街頭演説などで詳細に触れるとしている。
 政策課題については、野党が見直しを求めている障害者自立支援法の「抜本的な見直し」や、高齢者医療費負担増の凍結、公務員改革の推進、産科・小児科医の不足解消、中小企業の振興策-など、12分野、計24項目を列記。ただ、具体的な実施年限や数値目標はほとんどなく、マニフェスト(政権公約)にはほど遠い内容だ。「特に留意するべき点」も「年金・医療・介護」「中小企業」「社会的弱者」と分野を並べただけになっている。
 数字が見当たるのは「200年住宅ビジョン」と、観光立国政策の「来日外国人を平成22年までに1000万人にする」という目標。ただ、この観光政策は小泉政権時代から国土交通省が推進しているものにすぎない。財政再建や社会保障の財源など、国民の痛みを伴う政策課題にはまったく触れていないのも特徴だ。
 これに対し、麻生氏は政権公約「日本の底力-活力と安心への挑戦」で、年金記録問題の解消や格差是正、国際貢献など5分野を緊急課題として明記した。
 基本政策でトップに掲げられたのは経済政策で、「政策減税などで日本の潜在力を生かす成長政策をとる」と盛り込んだ。最低賃金の引き上げなど社会的弱者に配慮する「思いやりの政治」も打ち出した。
 増税や財源問題を避けた福田氏とは対照的に「景気回復と徹底した歳出削減の後に必要ならば増税をお願いしたい」と書き込んだが、スケジュールなどの明記は見送られている。
 教育分野では「義務教育を幼児期から行い、しつけや読み書きを徹底する」との持論を展開。外相時代に取り組んだ「自由と繁栄の弧」構想も盛り込み引き続き推進する考えを示した。
 一方で、小泉純一郎前首相の「改革路線」については「方向性は変えられず、後戻りはできない」(福田氏)とするなど福田、麻生両氏ともに基本的に継続する前提に立っている。また、安倍晋三首相が掲げた憲法改正には触れていない。(佐々木美恵)

■福田氏の公約
 「希望と安心のくにづくり 若い人に希望を、お年寄りに安心を」

【基本理念】
(1)自立と共生の社会(2)ストック型(持続可能)の社会(3)男女共同参画社会。特に留意すべき点は▽年金・医療・介護▽地方▽中小企業▽農林水産業・農山漁村▽社会的弱者

【具体的施策例】
▽国連重視、日米同盟堅持、アジアの一員たることを基軸とする外交(1)日朝平壌宣言に基づく拉致問題の解決と朝鮮半島の非核化を目指す(2)国際的なテロ対策の推進
 ▽経済成長戦略 「改革と成長」路線を継続
 ▽年金・医療・介護(1)与野党の壁を越え、国民が納得できる年金制度を構築(2)高齢者医療費負担増の凍結を検討(3)医師不足解消(4)障害者自立支援法の抜本的見直し
 ▽地方の再生(1)頑張る地方が自立できる税制、交付税を検討(2)企業立地促進税制を検討
 ▽農林水産業振興 農山漁村の所得・雇用の増加を図る施策の充実
 ▽中小企業の振興(1)事業承継税制と技術高度化支援の大胆な拡充(2)下請けいじめ解消
 ▽戦略的な社会資本整備 公共事業の地方負担の在り方見直し
 ▽政治・行財政改革(1)政治とカネの明確なルール作りと透明化(2)行政の無駄をなくし、公務員改革を推進

■麻生氏の公約
 「日本の底力 活力と安心への挑戦」
 構造改革によって生じた暮らしの不安と格差の解消を急ぐ。「改革」と同時に弱者にも配慮した「思いやりの政治」を進める。国民の政治に対する信頼回復のため責任を果たす。

【緊急課題】
 年金記録漏れ問題解決▽地域間格差解消のための産業育成と企業誘致推進▽非正規雇用の待遇改善、最低賃金引き上げ▽地方自治体の財源拡充▽テロとの戦い▽政治資金の透明化。

【基本政策】
 政策減税等で日本の潜在力を生かす成長政策採用▽景気回復と徹底した歳出削減の後、必要なら増税を要請▽安定的な年金財源確保のため国民的議論促進▽安心できる介護保険制度構築▽義務教育を幼児期から行い、しつけや読み書きを徹底▽日米同盟を基軸としつつ、アジアの安定を追求▽法の支配や市場経済を安定させる「自由と繁栄の弧」構想推進。

【政治改革】
 簡素で温かい政府を目指す▽自治体に権限と財源を移譲する▽地方分権の推進、道州制を目指す。
(2007/09/17 08:48)
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 ほかに気になった記事から抜粋で。どれも産経のサイトから。

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http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070915/skk070915013.htm
追悼施設は、拉致は… 福田、麻生共同会見詳報 

【臨時国会でのテロ対策特別措置法の対応】
 麻生氏 日本人もテロの被害者である現実を忘れてはならない。世界中がテロとの戦いを宣言し、日本も責任を果たす義務がある。だが、参院第一党が民主党という状況で単純延長は難しい状況だ。新法を含めていろいろ考えねばならない。自民、公明、民主3党の話し合いで世界中の理解を得られると考えている。
 福田氏 だいたい似たようなところだ。補給活動は国際社会から高く評価されており、法律の延長についてはぜひご理解を賜らねばならない。野党との話し合いはとても大事で、政権政党に求められる責務だ。

【北朝鮮問題】
 福田氏 昨今は北朝鮮と交渉する余地がないような非常に硬い状況だ。交渉しようという姿勢、意欲が向こうに伝わる方法がないのか工夫しなければいけない。
 麻生氏 拉致問題は明らかに非人道的な話の極み。今後も「対話と圧力」。圧力がなければ対話にいかないのは経験則ができている。日本のこれまでの対応は決して間違っていない。

【新国立追悼施設】
 福田氏 すべての戦争犠牲者を追悼できる施設はいつかできてほしい。だが、国民が嫌がるものを造るわけにはいかない。施設に敬意を表してもらえるタイミングを間違えてはいけない。
 麻生氏 追悼施設ができても、靖国神社がなくなるわけにはいかない。
(2007/09/15 20:57)

http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070915/skk070915006.htm
福田氏「戦後レジームからの脱却」と一線画す

 福田康夫元官房長官は15日午前、自民党総裁選への立候補届け出に先立って、自民党本部で記者会見し、安倍晋三首相が任期中に実現させたいとしていた憲法改正について「憲法改正は党是という方針は変わらない。ただ、国会の同意がないといけない。自民、公明両党だけで決めていいものか考えないといけない」と述べ、民主党も含めた合意が必要だとの考えを示した。
 憲法上は許されていないとされている集団的自衛権の行使についても「いろいろ研究することはいい。ただ、憲法に抵触するかは慎重に考えたほうがいい」と述べるなど、安倍首相が掲げる「戦後レジーム(体制)からの脱却」と一線を画す姿勢を鮮明にした。

http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070916/shs070916009.htm
中国各紙「穏健派」福田氏を好意的に紹介

 16日付の中国各紙は、福田康夫元官房長官と自民党の麻生太郎幹事長の一騎打ちとなった同党総裁選を国際面トップなどで紹介、高い関心を示すとともに、首相任期中の靖国神社不参拝を表明した福田氏を「穏健派」「対アジア外交を重視している」と好意的に伝えた。
 北京青年報は国際面トップで「ハト(福田氏)がタカ(麻生氏)を相手に優勢」と報道。北京晩報も「日本の新首相はタカ・ハト対決の中から生まれる」と題した記事で「福田氏の優勢は明らかだ」と伝えた。
 同紙は、テロ対策特別措置法延長問題、日本人拉致問題、消費税増税など5つの争点を表にし、両氏の違いを紹介した。
 中国国内のウェブサイトでは、福田氏びいきの書き込みが増えているのに対し、麻生氏については「他国との対中包囲網形成を狙っている」「右翼的傾向が強い」などと警戒感を示す書き込みが目立っている。(共同)
(2007/09/16 23:58)
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9・11~欺かれた世界4

2007-09-17 10:56:06 | 国際関係
●黙認利用、利用加担それとも自作自演?

 9・11に関する通説は、この事件は、オサマ・ビンラディンを指導者とするイスラム原理者組織アルカイダが行なったテロで、旅客機をハイジャックし、乗客もろともアメリカの重要建造物に突撃・破壊した事件であり、その方法はアメリカ政府の予想できないものだったというものである。通説とは、ブッシュ政権が出している公式見解であり、それをもとにつくられた説である。
 しかし、「イラクに大量破壊兵器は存在しない」というアメリカ調査団の最終報告によって、9・11に関する疑いは、強くなった。もし石油・資源の確保と戦争特需、ドル防衛等のために、テロリストの攻撃を黙認利用したのなら、アメリカ政府は、ビルや飛行機の残骸、ブラックボックスの音声等を使って、徹底的に報道するだろう。ブッシュ政権は、そうしてはいない。そこが、腑に落ちない。WTC倒壊の理由、ペンタゴン突撃の際の状況等、不審な点が多すぎる。

 通説に対して、これを疑う説がある。その一つが、黙認利用説である。ブッシュ政権はテロを予め知っていたが、黙認して攻撃させ、それを中東への侵攻に利用したとする説である。これに対し、利用加担説がある。アメリカ政府はテロ攻撃を単に黙認して利用しただけではなく、秘密裏に攻撃に加担し、より衝撃的、より効果的になるよう利用したとする説である。
 こういう中でわが国でも、徐々に広がってきたのが、自作自演説である。自作自演説とは、同時多発テロ事件は、アメリカ政府中枢が自らシナリオを書き、テロリストによる攻撃と見せかけて実行し、これをテロ事件だとマスメディアを用いて宣伝した。アメリカの政府・軍・メディアが共謀して、アメリカの国民と世界の人々を欺いて真相を隠していると主張する。これが、自作自演説である。

 奇説と言えば奇説だが、アメリカでは、事件後、早くから出ていたらしい。わが国でも、一部のジャーナリストや情報通には知られていたが、有象無象の陰謀論の類と見なされ、一般にはほとんど相手にされなかった。しかし、平成16年(2004)10月、「イラクに大量破壊兵器は存在しない」という公式発表以後、わが国でも自作自演説が単なる陰謀論ではなく、一つの仮説として認知されるようになった。
 私は、たまたま見た週刊誌の記事で自作自演説が紹介されているのを見た。その後、テレビ番組で、事件の疑問点を伝える映像を流したのを見た。これはインパクトがあった。映像の中のいくつかの指摘は、アメリカ政府の発表の矛盾を明らかにしていた。
 だが、私が見たのはその番組だけで、その後、マスメディアが映像や専門家の証言をもとに、この事件を掘り下げているものに出会わない。視聴者からあまり反応がなく、番組を製作する価値がないのか、それとも何らかの圧力によって追跡取材が行なわれないのか。

 真珠湾攻撃の場合は、ルーズベルト大統領は、日本軍の攻撃を事前に知っていて、ハワイを攻撃させ、それをきっかけに国民を報復戦争に駆り立てた。この場合、アメリカを攻撃したのは、外国である。これは、9・11で言えば、黙認利用説にあたる。
 これに比し、自作自演説は、政府が外国勢力によるものと見せかけて、自国民や在米の外国人を無差別攻撃し、それに対して報復を呼びかけ、自国民や他国民を戦争に引き込んだという事になる。もしそれが事実であれば、歴史上、類例のない巨大な権力犯罪となるだろう。

●真相がわかるには時間がかかる

 現代史の真相が見えてくるには、時間がかかる。政府の機密文書の公開には、数十年を要し、非公開のまま隠匿されることもあるからだ。

 20世紀の世界で最も大きな影響をもたらしたのは、共産主義である。私が10代後半から20代の初めころは、共産主義が世界を席巻し、世界の共産化が間近に迫っているかの感があった。その後、ソ連・東欧の共産主義政権は崩壊し、共産主義は大きく後退した。しかし、今も総括のされていないことがある。
 ロシア革命の際、英米独の巨大資本は、レーニンやトロツキーを保護し、多額の活動資金を与えていた。ボルシェビキは、欧米の金融独占資本に石油を提供して体制を維持した。共産主義を批判する学者ですら、こういう事実の意味を考究しない。

 昭和戦前期のわが国の歴史でも、張作霖爆殺事件、盧溝橋事件等、通説では説明のできないことがいろいろある。ようやく旧ソ連の諜報機関の機密文書が一部公開され、歴史の闇が少しのぞけるようになった。
 ユン・チアンとジョン・ハリディの共著『マオーー誰も知らなかった毛沢東』(講談社)が、わが国でも大きく話題を呼んだ。中西輝政京都大学教授は、ミトローヒン文書、ヴェノナ文書など、各国の諜報活動に関する文書を分析して、現代史の書き換えに取り組んでいる。全体像が見えてくるのは、まだまだ時間がかかりそうだ。

 私自身が生きてきた時代のことであれば、J・F・ケネディ大統領の暗殺事件(昭和38年、1963)がある。事件は、私が9歳の時だった。その衝撃は、今も忘れない。
 この事件は、依然として真相が解明されていない。アメリカ議会の調査委員会が発表したのは、オズワルドの単独犯行説だった。これは、子供だましだ。ケネディの暗殺は、アメリカだけでなく、その後の世界の動向に重要な影響を残している。暗殺の首謀者にはいろいろな説があるが、事実はどうなのか、21世紀の今日も、はっきりしないままである。

 こうした現代史の重要な歴史的事象の多くが、まだよくわからない。まして今現在の世界の出来事は、すぐ真相が明らかにならない。
 新聞やテレビは、一定の事実を伝えはするが、表面をなぞるだけで、かえって、大衆を定型的な見方に誘導し、真実への関心を覆い隠す役割をしさえする。今日世界で起こっている出来事には、何十年も先にならないと実態が見えてこないものがある。私たちの生きている世界は、そういう世界だ。9・11同時多発テロ事件についても、真相がわかるには、相当時間がかかるだろう。私はそう考えている。

 以下で詳細に入る前に結論を先に述べておくと、私は、9・11について通説はまったく認められない。単なる黙認利用ではない。自作自演の可能性が高いが、利用加担の可能性もある。断定するには、まだ決め手を欠く。アメリカ政府の情報開示と政府中枢の証言が必要というのが、現時点での私の意見である。

 次回に続く。

9・11~欺かれた世界3

2007-09-16 10:00:45 | 国際関係
●わが国のかかわり

 9・11は、2973名の犠牲者を出したといわれる。日本人は24名が犠牲になった。わが国もこの事件の当事者である。
 アメリカのアフガニスタン進攻後、平成13年(2001)11月2日に、テロ対策特別措置法を成立させ、自衛隊を派遣し、インド洋での海上給油作業等を行なっている。この法律は、正式な名前を「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」という。
 名称に盛られている措置を実施することによって、「国際的なテロリズムの防止と根絶のために行われる国際社会の取組に日本として積極的かつ主体的に寄与し、日本を含む国際社会の平和と安全の確保に資すること」を目的としている。
 同法は四つの国連安保理決議を引用している。これらの決議は、すべて9・11は国際的なテロリズムによるものとの認識に立っている。わが国もまたその認識に立って、テロ特措法を制定し、国際貢献の活動をしている。加害者は、イスラム・テロリストであるという前提で、すべてが進んできた。

 平成15年(2003)3月にイラク戦争が開始されると、小泉首相は、いち早くアメリカを支持した。
 わが国は、現行憲法の制約により、自主的な国防力を整備できていない。わが国は、自力では国を守れない。北朝鮮は、平成10年(1998)にテポドンを撃った。万が一、北朝鮮がわが国を攻撃してきたら、頼れるのは、唯一の同盟国アメリカしかない。こういう状態では、わが国はアメリカの戦争を支持し、協力せざるをえないというのが、小泉首相の判断だったのだろう。
 現行憲法の放置と、従米的な安全保障体制、そして専守防衛・非核三原則等の防衛政策が、わが国の選択肢を限っている。

●イラク戦争の正当性は揺らいだ

 わが国に続いて、多くの国々が、アメリカを支持して参戦した。アメリカは自衛権の行使として先制攻撃を行なった。NATOははじめて集団的自衛権の行使として参戦した。戦争は短期間に決着を見て、アメリカ側はフセイン大統領を逮捕し、世界の耳目にさらした。そして、勝利宣言を行った。
 開戦理由の第一は、イラクの大量破壊兵器保有だった。ところが、アメリカが派遣した調査団は、平成16年(2004)10月、最終報告として「イラクに大量破壊兵器は存在しない」という報告を提出した。大量破壊兵器を保有しているというCIAの情報は、誤っていたことが明らかになった。それによって、この戦争の正当性は、根底から大きく揺らいだ。
 大量破壊兵器とは、第一に核兵器である。ブッシュ政権は、誤情報を鵜呑みにしたのか。それとも、核兵器は存在しないことはわかっていて、戦争を始めたのか。真相は明らかではない。アメリカの議会も、国連安保理も、この点を徹底的に追及しようとはしていない。

 私が思うに、イラク戦争におけるアメリカの真の戦争目的は、エネルギー資源の獲得と中東を管理下に置くことだろう。世界の石油埋蔵量は、年々少なくなってきている。石油メジャーが自己を維持するには、現存のものを奪取し、商品を確保する必要がある。資源確保のために、自由とデモクラシーの名の下に産油国の政権を親米政権に変え、中東に軍隊を駐留させて、力で管理する。それが、目的だろう。
 アメリカ政府の背後で、政策決定に影響を与えているものの一つは、石油・エネルギー会社だろう。その所有者は、巨大国際金融資本である。巨大国際金融資本の筆頭は、アメリカではロックフェラー財閥であり、ヨーロッパではロスチャイルド財閥である。世界の政治経済を実質的に支配している勢力が、イラク戦争に深く関係していることが想像される。

●9・11への疑問が強まる

 イラク戦争の大義は、失われた。それにより、9・11同時多発テロ事件に関する疑問は、強くなった。アメリカではそれが一つの世論ともなり、わが国においても、この事件を疑う人が増えた。アメリカは、身に降る火の粉は払わねばならぬ、とやむをえず開戦したのではない。アフガニスタンにしてもイラクにしても、中東の石油・天然ガス・麻薬を支配するために、中東への米軍の作戦を正当化する大義名分を得ようとして、事件を利用したのではないか。

 もう一つ、こういうことも考えられる。アメリカの覇権は、軍事力だけでなく、ドルに基いている。ドルは事実上の世界通貨であり、抜群の価値を持っている。アメリカは、ドルを大量に発行して、虚構の繁栄を誇っている。ドルの暴落はアメリカの覇権の崩壊となる。同時にそれは、世界の資本家に大損失をもたらす。アメリカは未曾有の繁栄の一方、財政赤字が異常な規模で膨れ上がっている。過去の歴史が示しているのは、巨額の財政赤字は、大恐慌に至るか、戦争を僥倖とするかしかない。
 戦争は、莫大な需要を生み出す。二度の世界大戦以後、「死の商人」たちは、戦争という巨大なビジネス・チャンスを求めている。軍事関連会社は、戦争がなければ、経営が悪化する。軍需産業は、幅広く各種の産業とつながっている。軍需産業の経営悪化は、国家経済に深刻な影響をもたらす。9・11以後の中東での戦争は、石油・天然ガス・麻薬を確保するとともに、戦争特需によって、アメリカ経済・世界経済の破綻を避ける道となったのではないか。

 このように考えると、9・11の同時多発テロ事件は、アメリカが被害者となって、やむを得ず応酬したのではなく、テロリストの活動を黙認して利用したとも考えられる。また、黙認しただけでなく、政府や軍や財界の中枢が加担し、事件をより効果的なものにするために工作したという見方も成り立つ。
 私自身、平成16年(2004)10月の「イラクに大量破壊兵器は存在しない」というアメリカ調査団の最終報告によって、9・11に関する疑いをいっそう強く持つようになった。

 次回に続く。

9・11~欺かれた世界2

2007-09-15 09:51:17 | 国際関係
●9・11以後に生まれた文明の対立構造

 9・11の後、アメリカは、中東で戦争を開始した。
 ブッシュ大統領(息子)は、テロリズムとの戦争を唱え、国民に支持・協力を呼びかけた。報復に沸騰する世論を後押しにして、アメリカは、アフガニスタンに進攻した。ブッシュ政権は、この戦争を「対テロ戦争」と名づけた。従来のような国家と国家の戦争ではなく、テロリスト集団と国家が戦うという新しい戦争だという。この規定は、従来の戦争の概念を変えた。

 対テロ戦争を推進したのは、ネオコンと呼ばれる政策集団である。ネオ・コンサーバティブ(新保守主義)の略だ。ネオコンは、アメリカの国益の追求のために、積極的に軍事力を用いて、世界的な覇権を確立しようとする。その政策は、イスラエル擁護を最重要視し、シオニストを支持する。昭和42年(1967)の第三次中東戦争以後、アメリカはイスラエルとの関係を深め、イスラエル・ロビーの活動が、外交政策に強い影響を与えている。ブッシュ政権下で、この親イスラエル政策を極端に推し進めてきたのが、ネオコンである。

 ネオコン主導の対テロ戦争は、イスラエルとアラブ諸国の対立を助長し、ユダヤ=キリスト教とイスラムの抗争を激化させた。ユダヤ=キリスト教文明とイスラム文明との「文明の衝突」とも言える。
 この対立の構図の中で、存在感を増しているのが、共産中国である。中国は発展する経済力をもとに、急激な軍拡を進めている。また中東・アフリカ・南米等で、石油・資源の確保を行なっている。とりわけ東アジアでは、核大国としてアメリカと対峙している。

 ユダヤ=キリスト教文明とイスラム文明の対立の構図の中に、アメリカに対抗する形で共産中国が台頭している。今後、シナ文明=イスラム文明連合が形成された場合は、ユダヤ=キリスト教文明VSシナ・イスラム連合の抗争が、世界規模で展開するかもしれない。その焦点にあるのが、中東である。アメリカの世界戦略が親イスラエルで行くか、中東での共存調和を図るかが、世界全体の動向に主調的な影響を与える。日本のあり方は、こうした国際関係の中で考えねばならないと思う。

●アメリカはアフガニスタンとイラクに進攻

 9・11以後、アメリカは、同時多発テロ事件を計画・実行したとして、アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンを主犯に名指した。アメリカは、アフガニスタンから、ビンラディンを保護するイスラム原理主義勢力タリバンを排除するため、イギリス等とともに、平成13年(2001)10月7日、空爆を開始した。連合軍は圧倒的な優勢のうちに作戦を進め、12月には戦争終結にいたった。反米的なタリバン政権に替わって、親米的な政権が樹立された。

 アフガニスタンについては、カスピ海地域の石油・天然ガスを輸送するパイプラインの経路の確保が目的だろうが、もう一つの理由は、ここが世界最大のケシの産地であることだ。麻薬は、石油に次ぐ国際的な商品である。麻薬ビジネスにとって、失うことのできない場所が、アフガニスタンなのだ。しかも、アメリカの麻薬ビジネスの中心は、CIAがあることも知られている。

 次にアメリカは、平成15年(2003)3月19日、イラクに対し、イギリスなどと共に空爆を開始した。湾岸戦争(1990)以来のイラク攻撃であり、第2次イラク戦争とも言われる。ブッシュ大統領は、開戦理由を三つ挙げた。①イラクは大量破壊兵器を保有し続け、その事実を否定し、国連の武器査察団に全面的な協力を行わないことに対する武力制裁のため、②イラクの一般市民をサダム・フセイン大統領の圧政から解放するため、③テロリストに対する支援国であるイラクを「民主的」な国に変えるため、という三つである。

 このうち主要な開戦理由は、大量破壊兵器、つまり核兵器の保有である。しかし、中東では、イスラエルが核兵器を保有していることは、常識である。約200発の核兵器を持つと見られており、中東諸国の中では、圧倒的な軍事力を誇っている。アメリカは、イスラエルの核保有を追認しており、イスラエルに対しては、制裁を行なおうとはしない。
 イスラエルが自由とデモクラシーの国であり、アメリカと価値観を共有しているというのが、その理由だろうが、核の問題は核の問題であって、アメリカは明らかにダブル・スタンダードを使っている。イラクだけでなく、イランもそうで、イランの核開発は認めないが、イスラエルが持つのは擁護するというのでは、アラブ諸国が反発するのは、当然である。
 
 次回に続く。


首相候補・福田康夫氏とは

2007-09-14 17:40:00 | 時事
 安倍氏の辞任表明によって、自民党は総裁選を行なうことを発表した。ポスト安倍の最有力候補と目されてきた麻生太郎氏に対し、福田康夫氏が急速に存在感を増し、多数の派閥の支持を集めている。

 私は、森内閣・小泉内閣の官房長官をしていた時代の福田氏の発言から、氏の政策には期待していない。どうして、首相候補に名前が挙がるのか、福田氏の政策・信条を詳しく知りたいと思い、オフィシャルサイトを訪ねた。
 ところが、プロフィールばかり詳しく、国会報告のページは工事中。オピニオンのページは掲示なし。トピックスというのは、名だけで、活動の写真はあるが、それがクリックしても拡大しない。写真も4年位前から新しいものが上がっていない。
 首相の座をめざすほどの政治家が、ウェブサイトに主張・見解を載せていないことに、ちょっとあきれてしまった。

 これが、一流の政治家のサイトだろうか。このインターネット時代に、有権者に自分の意見を伝え、政治活動の報告をするのは、公職にある者として当然の務めだろう。本人が直接しないとしても、本人の書いたものを公開するのが秘書の仕事だろう。その指示も出していないのだろうか。
 福田氏には、訴えたいことがないのか、訴えられることがないのか。今後、テレビや新聞での発言に注目したい。

 それにしても、以下のサイトには、がっかりした。
http://www.y-fukuda.or.jp/e_index.html

9・11~欺かれた世界1

2007-09-14 10:08:17 | 国際関係
 9・11のアメリカ同時多発テロ事件から、6年たった。9・11は、世界を変えた。この事件をきっかけにアメリカは、アフガンニスタンに進攻し、イラク戦争を始めた。わが国は、アメリカを支持し、また、多くの国がこれに関与してきた。それによって、国際関係が大きく変わった。その変化が生み出した構図は、21世紀の世界を長く支配することになるだろう。

 平成13年(2001)9月11日、多発テロ事件のニュースを見たとき、私はいくつもの疑問がわいた。矛盾や不合理を指摘する声が、多数上がった。この事件に疑問を抱く米国民は、増え続けている。日本にも世界にも納得のいかない人々は、多数いる。私もその一人である。
 真相は、依然として解明されていない。今日、集団的自衛権やテロ特措法等の検討をするには、この事件についての考察を抜きに、なしえない。9・11の真相と、9・11以後の世界と日本のあり方について、改めて考えてみたい。

●9・11直後の感想

 自分が事件直後に感じた疑問は、次ぎのようなものだった。

・ワールド・トレード・センター(WTC)への飛行機2機の突撃と倒壊
 なぜアメリカ政府は、飛行機を撃ち落さなかったのか。
 飛行機がぶつかったくらいで、ビルが倒壊するか。せいぜい一部破損したり、変形したりするくらいだろう。
 墜落事故のニュースは多く見たが、これほどの火災や爆発は見たことがない。機内に爆弾を持ち込んだのか。仮に持ち込んでも、小型の爆弾ではこれほどの破壊力はない。それに、航空機会社に組織的な協力がないとできないだろう。
 なぜ第7棟まで倒壊したのか。飛行機はぶつかっていないし、火災も起こっていないのに、突然倒壊したのは、異常である。

・国防総省(ペンタゴン)ビルへの飛行機の突撃と破損
 WTCなら一般のビルゆえまだしも、国家安全保障の中枢をめざす飛行機を、アメリカ空軍が見逃すことは、ありえない。乗客が乗っていようが、米軍は撃ち落すだろう。ミサイルで簡単に出来る。
 仮にWTCに突撃されてしまっても、その後は、厳戒態勢下を取れたはずだ。
 
・ペンシルベニアでの飛行機の墜落
 乗客がテロリストに抵抗した末、飛行機が墜落したというが、なぜ多量の残骸が残っていないのか。乗客の検死や身元確認は、どうしたのか。

・4機に共通する疑問
 なぜブラックボックスが出てこないのか。必ず残るはずだし、録音を再生して、徹底的に世界に報道して対抗行動を呼びかけるべきだろう。
 犠牲者の発表も、不自然だ。テロリストが乗っ取ったという4機に、本当に多数の一般客が乗っていたのか。

 事件直後に、私が感じた疑問は、以上のようなものだった。その後、6年が経過した。この間事件に関するさまざまな証言や告発や、推理や仮説が多数出ている。しかし、アメリカでは、政府も議会もメディアも、事件の解明に積極的でない。事件は、多くのなぞに覆われている。そして、事件の真相が隠されたまま、9・11は世界と日本のあり方に深い影響を与え続けている。

 次回に続く。

安倍総理が辞意表明

2007-09-12 14:23:16 | 時事
 本日午後1時、安倍総理が辞意表明へという衝撃のニュースが流れた。
 
 参院選で大敗しながらも、安倍首相はすばやく続投の意思を表わし、内閣改造をして、今国会に臨んだ。所信表明をして政策実現に強い決意を述べたばかりなのに、辞意表明とは、情けない。一国の指導者としては、精神力の弱さを感じる。かつて細川護煕首相が政権を投げ出したことがあったが、それ以上に、責任感に欠けると思う。
 安倍首相は、インド洋での海上自衛隊の給油作業の継続に、「職を賭して」取組むと述べた。それを聴いて、私は小沢民主党代表の術中にはまっていると思った。非常にいやな感じがした。これでは、相手にアドバンテッジを与え、強気の策を許す。勝負は決まったようなものである。
 期日内には延長が難しいテロ特措法に替わって、海上自衛隊の活動を給油等に限定した新法案を出して国際的な責任を果そうという対策を、与党は講じていた。先ほど伝えられるところでは、小沢党首に党首会談を申し込んだが断られたことが、辞任を決めた理由だという。これでは対決の前にゲームを降りたことになる。

 おそらく辞意決定の理由には、自分が任命した閣僚の不祥事や、自民党内の四分五裂に嫌気をさしていることもあるだろう。今のままの自民党では、安倍氏に限らず、誰がリーダーに立っても、国家の危機を導くことは難しい。
 安倍氏の辞任は、安倍晋三という政治家のイメージを落とすだけではなく、自民党のイメージをも落とす。そこに民主党やマスメディアが追い討ちをかけるだろう。近いうちに衆議院の解散総選挙が行なわれた場合、与党の歴史的惨敗が予想されているが、今回の辞任は、これまでの予想以上の大敗北に影響するだろう。現在、連立与党は衆議院で3分の2以上を占めているが、それに近い議席を野党連合が占め、民主党が衆参両院で第1党になる可能性が高い。民主党が日本の舵取りをすることになれば、わが国は崩壊・衰滅の道に転落する。日本は、非常なる危機に直面している。

 いかなる改革も精神の改革なくしては成功しない。財政・税制・特殊法人等の改革から、教育・国防・憲法へとより重要な、より根幹に関わるレベルの改革をしようとすればするほど、精神の改革が不可欠となる。日本の再生は、日本精神の復興、日本人の精神の再生なくして、なしえないと思う。