ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

ジョン・F・ケネディ暗殺事件の闇4

2013-11-30 08:39:09 | 国際関係
●JFK暗殺後のアメリカ

 ジョン・F・ケネディが暗殺された後、弟のロバートも暗殺された。ロバートは、ジョンが大統領だった時、司法長官として兄の指示を受けて、活動した。兄の死後は、大統領候補として人気があった。次の大統領選挙で大統領になる可能性が高かった。ロバートは、兄の遺志を継いでアメリカを変えようとしていた。
 しかし、彼までもが、1968年(昭和43年)夏、暗殺されてしまう。ジョンだけではなく、ロバートも暗殺されたということは、ケネディ兄弟が目指していたものを絶対に望まない勢力が、彼らの暗殺を首謀したことをうかがわせる事実である。
 アメリカは、自由とデモクラシーの国であることを標榜している。確かにアメリカには言論の自由、表現の自由、経済活動の自由等がある。しかし、その国家を実際に支配している支配層の中核にいるのは、巨大国際金融資本であり、その資本と結びついた軍産複合体だろうと私は思う。
 私は、9・11、つまり2001年(平成13年)9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件にも、軍産複合体の関与があると見ている。
 たとえば、ハリバートン社は、9・11後のイラク戦争で軍需関連の仕事を多く受注し、多大な利益を上げるようになった。かつて同社のCEO(最高経営責任者)をしていたのが、チェイニー副大統領である。チェイニーがハリバートン社に仕事をもたらし、チェイニーも利益を得ただろうことは、想像にかたくない。
 またアメリカ最大の軍需関連企業カーライル投資グループと、ブッシュ(子)大統領の関係は深く、彼がテキサス州知事から大統領になるのを同社は後押ししている。またブッシュ父は、自分のスタッフだったジェームズ・ベイカー元国務長官とともに、公共事業をカーライル社に発注し、同社を巨大企業に育て上げた。現在のカールッチ社長は、9・11当時のラムズフェルド国防長官と大学が同窓で、関係が深い。
 今日に至るこうした政府と軍需産業の関係が確立されたのは、ケネディの暗殺後である。私はケネディ暗殺事件の真相究明なくして、アメリカ合衆国の深層構造は解明されないと思う。そして、その深層構造の中に、9・11とアフガン=イラク戦争の隠された原因もあるだろうと考えている。
 アメリカ合衆国では、軍産複合体、及びそれと深く結びついた巨大国際金融資本の権益を侵さない範囲であれば、政治や報道は自由に民主的に行われ、人権も擁護される。だが、その権益を犯す行為に対しては、あらゆる手段をもって徹底的な抑圧や排除が行われる。アメリカの国家社会には、そういう構造が出来ているのだろうと私は思う。
 ケネディ暗殺事件を調査したウォーレン委員会は、オズワルドの単独犯行として1964年に報告書をまとめた。ケネディを後継したジョンソン大統領はその証拠資料を75年後の2039年まで非公表と決めた。ジョンソンは繰り返しこの事件は謀略ではないと語ったが、証拠を75年間非公表にしたということは、それだけ長期間公表できない重大なことがあるということを意味している。証拠資料は1992年にCIAによって一部が開示されたが、ほとんど読む価値のないものばかりだった。重要な部分は非公表のままである。しかも、米国国立公文書記録管理局に保存された証拠の一部が火事で焼けたり、何者かに盗まれたことが明らかになっている。それによって既に重要な資料が消却または隠ぺいされている可能性もある。
 ケネディ家の人間がケネディ暗殺事件の証拠書類の開示を求めて、公に米国政府と争ったことはないようである。このたび駐日米国大使となったキャロライン・ケネディも同様だろう。彼女には遺族として政府に情報の公開を求める権利があるが、ケネディ家には自制または政府との間に何らかの合意があるのかもしれない。
 ケネディ暗殺事件の真相が解明されなければ、アメリカの権力構造の実態は把握できない。ケネディ暗殺事件の真相が暴露されたとき、アメリカ合衆国という国家の威信、信用、権力の正統性は大きく揺らぐかもしれない。だが、その課題を乗り越えないと、アメリカ合衆国は、世界を指導する国家としての地位を維持し続けることはできなくなるだろう。(了)

関連掲示
・拙稿「9・11~欺かれた世界、日本の活路」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12g.htm

■追記

 本稿を含む拙稿「現代の眺望と人類の課題」は、下記に掲示しています。
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion09f.htm
 「ケネディ暗殺事件の闇」は、第7章(3)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿