ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

COP26~人類は気候変動を生き延びられるか3

2021-11-12 10:27:11 | 地球環境
 COP26は11月12日までの予定。大詰めの段階ですが、各国の立場は様々で、どこまで合意ができるかまだ不透明です。以下は報道のまとめ。

●成果文書案のやりとり

共同通信の記事より 2021.11.10
 「国連気候変動枠組み条約事務局が10日、世界の気温上昇の幅について『1・5度に抑えるための努力を追求すると決意する』との内容を含む、同条約第26回締約国会議(COP26)で採択を目指す文書の草案を発表した。草案には『石炭と、化石燃料への補助金の段階的廃止を加速するよう、締約国に求める』と記載された。
 日本は二酸化炭素(CO2)排出が多い石炭火力の国内利用を続けており、対応が求められそうだ。
 文書草案は、パリ協定の目標に合致するよう、2030年の温室効果ガス排出削減目標を22年末までに再検討し、強化することも各国に求めたCOP26議長国の英国が各国から意見を聞いて草案を作成。各国は、文書の合意を目指して議論する」

時事通信の記事より 2021.11.11
 「(略)議長国・英国が10日示した成果文書の原案について、NGOや途上国から『(内容が)不十分』と批判の声が上がっている。
 国際協力団体オックスファム代表団は声明で、『人々は前例のない異常気象の下での暮らしを強いられ、さらなる貧困へと追い込まれている。(原案は)そうした気候変動問題の緊急性に対応していない』と一蹴。『温室効果ガス排出量削減の設定目標をさらに野心的なものにする姿勢が明確でない』とし、『より良い合意』策定に向けて協議を続けるよう促した」

●ゼロエミッション車への切り替え

産経新聞の記事より 2021.11.10
 「(略)議長国を務める英国は10日、全世界の新車販売について、2040年までに走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない『ゼロエミッション車』に切り替えるとの宣言を発表した。20カ国以上が賛同したが、日本や米国、中国、ドイツは加わらなかった。2大市場である米中の不参加で、温室効果ガス削減の効果は不透明とみられる。
 『ゼロエミッション車100%への移行加速のCOP26宣言』と銘打たれた文書では、世界全体で40年までに、主要市場では遅くとも35年までに新車販売の全てをゼロエミッション車にする目標が明記された。ゼロエミッション車には、電気自動車(EV)などが含まれる」

読売新聞の記事より 2021.11.11
 「英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、日本や米国、英国、ドイツなど約20か国・地域が、電気自動車(EV)をはじめ二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッション車」の普及に向けた実行計画をまとめたことが10日、分かった」
 「COP26では、英国やスウェーデンなど約20か国が2040年までに世界の新車販売のすべてをゼロエミッション車とする目標に合意した。日米やドイツは参加していないが、EV市場の拡大を見据えて各国で協力体制を築く」
 「計画によると、EV用の充電インフラを普及させるため、各国で民間企業に投資を促す政策をとる。また、メーカーが同じ条件で開発や販売を競えるように、走行性能について統一の基準を検討する。車載電池の価値を評価するための基準をつくり、中古車市場で売買しやすくする。
 サプライチェーン(供給網)の強化でも協力する。EVは1回の充電で走れる距離がガソリン車よりも短く、充電は早くても30分かかる。電池の高性能化には希少金属が必要なため、産出国である中国やアフリカなどから安定して調達できる体制づくりで連携する。

●米中のかけひき

時事通信の記事より 2021.11.11
 「米中両政府は(略)COP26で、2020年代に気候変動対策で協力する共同宣言を発表した。これまで外交的に対立を深めてきた両国の共同宣言は異例。米中は温室効果ガスの世界1、2位の排出国で、大詰めを迎えたCOP26の議論にも影響を与えそうだ。中国政府によると、米中両政府は再生可能エネルギーの普及や電力部門の脱炭素化などで協力を進めることで一致した」

産経新聞の記事より 2021.11.11
 「外交や経済で対立する両国だが、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を舞台に「協調」の演出を優先させた形だ。ただ、中国は一段の対策強化には依然、慎重姿勢をみせており、温度差も否めない」
 「共同宣言は2020年代が『重要な10年間』だと指摘。バイデン米政権が30年までの対策強化を重視する方針に呼応した格好だ。ただし、焦点となった温室効果ガス排出削減目標や、強力な温室効果ガスの『メタン』対策で、中国に具体的な対策強化を義務づけるような言及は避けており、これにより中国側に受け入れの余地ができたもようだ。
 米国など100以上の国・地域は2日にメタンの排出量を30年までに20年比で3割削減することで合意したが、中国は参加を見送った。これは従来の目標や対策の強化につながるものだった。中国は共同宣言で、メタンに関する中国独自の行動計画をつくると表明したが、同合意に参加するかどうかは明言していない」

国際政治学者・島田洋一氏のコメント
 「米国の昨年度の電源構成は、火力(化石燃料)60%、原子力20%、再エネ20%。再エネ20%の内訳は風力8.4%、水力7.3%、太陽光2.3%。
 ジョン・ケリー気候変動特使は2035年までに火力全廃と言うが、少なくとも米国は実行不可能だろう。日本の政治家はバイデン政権の言葉ではなく、米国の現実を見なければならない。なおアメリカは小型原子炉の開発に動いている」

●原子力発電の見直し

TBSのニュースより 2021.11.10
 「フランスのマクロン大統領は、原子力発電所の建設再開を発表しました。エネルギーの脱炭素化といった気候変動問題への対応などを理由としています。
 マクロン大統領は9日のテレビ演説で、『外国に依存せず適正価格でエネルギーを購入するためには、省エネとともに国内の脱炭素のエネルギー生産に投資しなければならない』として、原子力発電所の建設を再開すると発表しました。
 フランス政府は電力の原発依存度を2035年には現在の70%から50%に引き下げる計画ですが、有力紙『ル・モンド』によりますと、EPR=ヨーロッパ加圧水型炉と呼ばれる原発6基の新設を検討しているということです。新規のEPR着工は2007年以来となります。
 ヨーロッパでは最近、天然ガスの価格が高騰していることに加え、温室効果ガス削減の手段として原子力を見直す動きが進んでいます」

島田洋一氏のコメント
 「『原発への支持が首脳会議でこれほど明確に幅広く示されたことはなかった』(マクロン仏大統領、EU首脳会議後の会見で)。米国も小型原子炉の利用、輸出に踏み出した。反原発幻想に浸る『井の中の日本』は完全に梯子を外されつつある」

 以下、随時掲載。

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