最終回。
●結びに
教育再生会議は、第一次報告を「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩~」と題し、提言の第7に「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」を掲げている。そこで、本稿では、この報告書の言う「社会総がかり」とはどういうものかを確認し、「社会総がかり」についての具体的な提言内容を、家庭、地域社会、企業、社会全体という順に見てきた。
この報告書は「社会総がかりで教育再生を」と呼びかけ、「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」という提言をしている。それゆえ、この提言は報告書の多岐にわたる提案・要望を集約するものとして位置づけられるだろう。同時に、「社会総がかり」で子供の教育にあたることが、教育改革を底から支えることになると思う。
「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」という提言は、次のような文章を揚げていた。
「子供たちは、地域の人と触れ合い、家族とともに生活する中で、社会性が育まれ、学校では学べないことも身に付けていきます。また、子供が学校以外の世界でも人とのつながりを持つことは、様々な悩みや挫折に直面した時に大きな救いともなるものです。教育再生を実現するためには、学校だけの問題ではなく、住民や家族、企業といった地域の関係者全てが当事者意識を持って社会総がかりで、「国の宝」である子供を育てていかなくてはなりません。」
こうした説明文のもとに、報告書は、家庭、地域社会、企業、社会全体という四つの領域での対応を要望している。繰り返しになるが、以下のような対応である。
(1)家庭の対応 -家庭は教育の原点。保護者が率先し、子供にしっかりしつけをする-
(2)地域社会の対応 -学校を開放し、地域全体で子供を育てる-
(3)企業の対応 -企業も「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を実現し、教育に参画する-
(4)社会全体の対応 -有害情報から子供を守る-
私は、報告書が提案しているほかの六つの提言は、全国民が上記四つの対応に参加し、自分のできることを実行する時にこそ、大きな効果を生み出すものと思う。再度引くが、提言の全体は、以下の通りである。
1.「ゆとり教育」を見直し、学力を向上
2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
3.すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する
4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
5.保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
6.教育委員会のあり方を抜本的に問い直す
そして、最後が、
7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる
である。
全国民の参加、まさに「社会総がかり」で、こうした提言を実現したいものだと私は思う。
安部首相は、教育再生会議の緊急対応の要望を受けて、いじめ問題対応のための通知等の見直しを始めた。また、教育三法の改正を国会に提案する意思も明らかにしている。教育再生会議は、5月に第2次報告、12月に最終報告を行なうという。是非さらなる熱意をもって検討がされ、一層踏み込んだ提案・要望が出されることを期待したい。
教育の改革は、政府や教育の専門家がやっていればよいというものではない。私が強調するように、公教育の再生のためには、家庭の再生が不可欠であり、家庭の再生こそが、公教育の再生の要である。そして、家庭を中核として、社会全体で取り組み、国民みなが何かできることを実行してこそ、戦後教育の大改革は成し遂げられる。日本の再建のために、私たち一人一人が自覚と役割をもって、この大改革を推し進めたいものである。(了)
●結びに
教育再生会議は、第一次報告を「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩~」と題し、提言の第7に「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」を掲げている。そこで、本稿では、この報告書の言う「社会総がかり」とはどういうものかを確認し、「社会総がかり」についての具体的な提言内容を、家庭、地域社会、企業、社会全体という順に見てきた。
この報告書は「社会総がかりで教育再生を」と呼びかけ、「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」という提言をしている。それゆえ、この提言は報告書の多岐にわたる提案・要望を集約するものとして位置づけられるだろう。同時に、「社会総がかり」で子供の教育にあたることが、教育改革を底から支えることになると思う。
「「社会総がかり」で子供の教育にあたる」という提言は、次のような文章を揚げていた。
「子供たちは、地域の人と触れ合い、家族とともに生活する中で、社会性が育まれ、学校では学べないことも身に付けていきます。また、子供が学校以外の世界でも人とのつながりを持つことは、様々な悩みや挫折に直面した時に大きな救いともなるものです。教育再生を実現するためには、学校だけの問題ではなく、住民や家族、企業といった地域の関係者全てが当事者意識を持って社会総がかりで、「国の宝」である子供を育てていかなくてはなりません。」
こうした説明文のもとに、報告書は、家庭、地域社会、企業、社会全体という四つの領域での対応を要望している。繰り返しになるが、以下のような対応である。
(1)家庭の対応 -家庭は教育の原点。保護者が率先し、子供にしっかりしつけをする-
(2)地域社会の対応 -学校を開放し、地域全体で子供を育てる-
(3)企業の対応 -企業も「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を実現し、教育に参画する-
(4)社会全体の対応 -有害情報から子供を守る-
私は、報告書が提案しているほかの六つの提言は、全国民が上記四つの対応に参加し、自分のできることを実行する時にこそ、大きな効果を生み出すものと思う。再度引くが、提言の全体は、以下の通りである。
1.「ゆとり教育」を見直し、学力を向上
2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
3.すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する
4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
5.保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
6.教育委員会のあり方を抜本的に問い直す
そして、最後が、
7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる
である。
全国民の参加、まさに「社会総がかり」で、こうした提言を実現したいものだと私は思う。
安部首相は、教育再生会議の緊急対応の要望を受けて、いじめ問題対応のための通知等の見直しを始めた。また、教育三法の改正を国会に提案する意思も明らかにしている。教育再生会議は、5月に第2次報告、12月に最終報告を行なうという。是非さらなる熱意をもって検討がされ、一層踏み込んだ提案・要望が出されることを期待したい。
教育の改革は、政府や教育の専門家がやっていればよいというものではない。私が強調するように、公教育の再生のためには、家庭の再生が不可欠であり、家庭の再生こそが、公教育の再生の要である。そして、家庭を中核として、社会全体で取り組み、国民みなが何かできることを実行してこそ、戦後教育の大改革は成し遂げられる。日本の再建のために、私たち一人一人が自覚と役割をもって、この大改革を推し進めたいものである。(了)
>個人的な考えでは、教職員採用試験の受験資格を変更することが有効だと思います。<
>具体的には、教職資格に、「教職員以外の就労実務の実績3年以上」というのを付け加えていただきたいのです。<
検討に値する意見だと思います。社会経験のまったくない人が学生から先生になることには弊害があるからです。私は、別の考えとして、教職員が民間企業に出向する形で社会研修を受けることを徹底するのもよいと思います。