ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

講演「日本精神を復興し、亡国憲法の改正を」3

2015-03-20 08:54:06 | 憲法
(8)改正要件
 現行憲法は、改正要件が非常に厳しい。GHQは簡単に改正できないようにしたものと思われる。

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 この改正要件は、世界的に見て極めて厳しいものである。米国は、上下両院の3分の2以上の賛成で発議し、アメリカ全州の4分の3以上の州議会の賛成で改正。国民投票はない。ドイツは連邦議会・連邦参議院両方で3分の2以上の賛成だけで改正できる。フランスは国民議会と元老院両院でそれぞれ過半数の賛成で発議し、国民投票において有効投票数の5分の3以上で改正となる。わが国は、国会両院の総議員の3分の2以上の賛成で発議することに加えて、国民投票を実施しなければならないので、条件が厳しい。そこで、まず96条を改正し、憲法改正をしやすくするようにするのがよいという意見もある。
 改正においては、発議要件を衆参各議院の「2分の1以上」などと緩和することが必要である。

●改正への取り組み

 わが国は、こうした欠陥の多い憲法を、後生大事に押し頂いて来た。その結果、深刻な危機に陥っている。
 世界の国々は、時代の要請に即した形で憲法を改正している。主要国を見ても、戦後の改正回数は、アメリカが6回、フランスが27回改正している。敗戦国でわが国と比較されることの多いドイツは憲法ではなく基本法というが、58回も改正を行なっている。
 安倍首相は、第1次安倍内閣で、平成19年(2007)に、憲法制定後60年も放置されてきた憲法改正国民投票法を成立させた。第2次安倍内閣では、昨年6月、国民投票法の改正を行った。それにより、ようやく国会が憲法改正を発議する環境が整った。国民の立場としては、戦後初めて、国会の発議を受けて、国民投票で憲法改正を決するという手続きが具体化したわけである。
安倍首相は、憲法改正は自分の「歴史的使命」とし、憲法改正に意欲を示している。自民党は今年秋の臨時国会で最初の改憲項目を絞り込み、来年の通常国会に憲法改正原案を提出、参院選後で改憲勢力が多数を占めれば、秋の臨時国会で憲法改正発議を目指す。発議から6か月以内に国民投票を実施する日程案である。このスケジュールで行くと、来年秋か再来年春までに国民投票が実施されることになる。
 現状では一気に憲法の全部を改正するのは難しく、改憲の必要性の高い重要項目に絞って、最初の改正を行うことになるだろう。本日話したポイントは、主な検討点となるだろう。
 国会の現状は、平成26年12月の衆議院総選挙で当選した議員のアンケートでは、84%が憲法改正に賛成している。最も改正すべき項目は、1位が96条、2位が9条、3位が緊急事態条項の新設、という答えだった。一方、参議院は発議に必要な議席に、自公で27議席不足、改憲賛成の野党議員を加えても7議席不足する。来夏の参院選で改憲賛成の圧勝するのでないと、両院総議員の3分の2以上で発議というハードルを越えられない。憲法改正に向けて、国民の意識を高め、また理解を深めていく必要がある。

●日本精神を復興して、亡国憲法を改正しよう

 憲法改正による日本再建には、日本精神の復興が必要である。押し付けられた憲法を改正して、日本の伝統・文化・国柄に基づく憲法を、日本人自身の手で創り出せるように、人々が日本精神を取り戻すことが求められている。
 現行憲法は、国民主権を謳い、憲法の改正は国民投票の過半数で決すると定めている。憲法について、最終的な判断をするのは、一人ひとりの国民である。日本の将来のため、子供や孫のために、私たちには正しい選択をする責任がある。国民一人ひとりが日本の現在と将来を考え、積極的に選挙や国民投票に参加するように働きかける必要がある。
 昨年6月に改正された国民投票法によって、国民投票権は当面20歳以上とし、4年後から18歳以上に引き下げられる。年齢を引き下げることで、青少年の教育が一層重要となる。日本人としての誇り、伝統・文化・国柄への理解、正しい歴史認識、国民としての道徳心等を育てる必要がある。
 憲法改正による日本の再建のために、日本精神を取り戻そう。

 講演では、わが生涯の師にして神とも仰ぐ大塚寛一先生の言葉を多く紹介したが、ここでは割愛した。大塚先生と真の日本精神を伝える運動については、下記のサイトをご参照ください。
http://www.nsfs.jp/sousai_sousai.htm

関連掲示
・拙稿「日本国憲法は亡国憲法――改正せねば国が滅ぶ」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion08c.htm
・拙稿「日本再建のための新憲法――ほそかわ私案」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion08h.htm

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