ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

いわゆる「イスラム国」とオウム真理教に共通する破壊衝動・殺戮願望

2015-03-21 09:24:34 | 時事

 2月14日、私はブログとMIXIに次のように書いた。
 「2月1日ISILが日本国民に対して発したテロ攻撃宣言は、極めて独善的かつ激しく狂信的である。破壊衝動、殺戮願望に取り憑かれた異常な集団心理の表現と思われる。わが国は、仏教やヒンズー教の教えと全くかけ離れた思想でテロを正当化したオウム真理教の事件を経験している。宗教的な文言によって破壊・殺戮を説く指導者と、それに同調して集合し、サリンを撒くなどして無差別大量殺人を行う者たち。私はISILにオウム真理教と同じ異常心理を感じる。人間の心の中に潜む悪魔性が活動しているとも言える。オウム真理教は、核兵器の開発をも策謀していたようである。今後、ISILが核兵器、生物兵器、化学兵器を入手し、無差別大量殺人テロを行うことを警戒する必要がある」と。
 3月19日TBSテレビのニュース番組で、元アメリカ海軍長官で、テロ対策の専門家リチャード・ダンジグ氏が、「『イスラム国』の聖戦を掲げるテロリスト組織に目を向けると、麻原の考えとは違えど若者には同じような現象が起きているのでは」と語った。
 ダンジグ氏は、オウム真理教のサリン製造に深くかかわった土谷正実死刑囚と中川智正死刑囚に20回にわたって面会し、兵器開発に至る詳細な報告書を作成した。それによると、オウムは70トンものサリンの製造が可能な段階になっていたという。地下鉄サリン事件で使われたサリンは10Kgだった。70トンはその7000倍である。またオウム真理教は、純度90%のサリンを製造し得るレベルにあったという。
 もし、オウムのサリン大量生産計画がそのまま実行され、東京都心で高純度のサリンが何トンも噴霧されていたら、我が国は皇室、首相、政府職員、国会議員を含む多数の人命を失い、潰滅的な被害を受けていただろう。恐るべき破壊衝動、殺戮願望がオウム真理教という形を取って、活動していたのである。だが、麻原彰晃らの悪魔的な計画は、すんでのところで防がれた。それによって、日本と日本人は守られた。私は、そこに人間を超えた意志の働きを感じる。
 先に書いたように、今後、ISILが核兵器、生物兵器、化学兵器を入手し、無差別大量殺人テロを行うことを警戒する必要がある。破壊衝動、殺戮願望を以て世界各地から集結するテロリストのたくらみを打ち砕き、平和と安全を確保するために、最善の努力を行おう。
 以下は、関連するTBSニュースの記事。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●TBSニュース 

オウム・サリン大量生産計画「70トン製造可能」、純度90%も

 甚大な被害を出したオウム真理教による生物・化学兵器を使った無差別テロ。その回数は実に20回にもおよびました。地下鉄サリン事件から20年が経とうとするなか、オウムによる「化学兵器・サリンの大量生産計画の詳細」が明らかになってきました。
 「数人の作業者がトラックをサリン気化用に改造しました」(中川智正死刑囚)
 元オウム真理教信者・中川智正死刑囚が描いたイラスト。20年以上前、教団が初めて改造したというサリンをまくトラックを描いたものです。オウムが起こしたテロで繰り返し使われた化学兵器・サリン。JNNが入手した写真には、ガスマスク姿の警察官が持つサリンの袋が写っています。
 地下鉄サリン事件の実行犯・林郁夫受刑者が、地下鉄の電車内に持ち込み捜査をかく乱する目的で、オウムとは無関係の新聞・赤旗で包んでいました。純度は35%、不純物が混じり、色は茶色です。しかし、毒性は強く、甚大な被害を出しました。
 「中川死刑囚は手紙を送ってくれた。正確な図面やその修正があった」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
 元アメリカ海軍長官で、テロ対策の専門家リチャード・ダンジグ氏。サリン製造に深くかかわった土谷正実死刑囚と中川智正死刑囚に20回にわたって面会し、兵器開発に至る詳細な報告書を作成した人物です。
 「中川死刑囚は初めから私たちが何を知りたいか理解していました」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
 報告書には、90年3月からの5年間でオウムが企てた20回にも及ぶテロの詳細が書かれています。サリンの開発を主導していたのは土谷死刑囚です。
 「土谷死刑囚は緻密で化学者としても成熟していた」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
 93年7月、土谷死刑囚はサリンの生成に成功。最初の標的は、創価学会の池田大作名誉会長でしたが、2度にもわたるサリンの攻撃は失敗しました。
 そして、死者8人、負傷者600人以上の被害を出した松本サリン事件が起きます。中川死刑囚が描いた事件で使われたトラックのイラストには、ファンを含む気化装置が。最初のものより改造がさらに進んでいたことがわかります。使われたサリンの純度は70%。高い純度のサリンが作られていたといいます。
 「土谷死刑囚の実験棟では、純度90%のサリンを製造可能でした」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
 そして、翌年の3月20日、死者13人、負傷者6286人を出した未曾有の無差別テロ・地下鉄サリン事件が発生。使われたサリンは10キロにも満たず、小さな実験施設で作られたものでした。しかし実は、オウムは別の巨大なサリン製造プラント建設にも着手していたといいます。
 「サリンを何トン単位で作って、都心にまくという計画があった。少なくとも地下鉄サリン以上の被害が出ていたのかもしれない」(元警視庁科学捜査研究所 服藤恵三さん)
 オウムの化学兵器を詳細に分析した元警視庁科学捜査研究所の服藤恵三さん。
 「反応タンクから配管、そういうものも全部手作りで作っている。素人のグループが作ったとは思えない程よくできていて非常に驚いた」(元警視庁科学捜査研究所 服藤恵三さん)
 巨大プラントのあった第7サティアンでは、サリンは5つの工程で製造されていたといいます。中は配管が複雑に入り組み、最終工程の反応釜で確認されたのがサリンの残留物でした。
 「これでサリンを一度は(プラントを)動かして、作ったことが分かった」(元警視庁科学捜査研究所 服藤恵三さん)
 しかし、付近の土からサリンの残留物が検出されたことが報道され、第7サティアンでの製造は中止されました。
 「彼ら(中川・土谷死刑囚)は70トンのサリンを製造可能だと話した」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
 20年以上前、化学兵器の大量生産を計画していたオウム真理教。報告書をまとめたダンジグ氏は、化学兵器によるテロの脅威は、今、より高まっていると警鐘を鳴らします。
 「『イスラム国』の聖戦を掲げるテロリスト組織に目を向けると、麻原の考えとは違えど若者には同じような現象が起きているのでは」(オウムのテロ兵器開発を調査 R・ダンジグ氏)
(18日23:22)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

関連掲示
・拙稿「いわゆる『イスラム国』の急発展と残虐テロへの対策
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12w.htm
・拙稿「日本赤軍の重信房子・よど号犯とオウム真理教の危険なつながり」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion07.htm
 目次から16へ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿