●日本・朝鮮・シナの家族型と価値観の違い
日本の移民問題は、日本人と朝鮮人・シナ人の関係を主とする。そこで、この問題をまずトッドにならって家族型という点から見てみよう。
日本と朝鮮は、ともに直系家族の社会である。権威と不平等を価値とし、差異主義の価値観を持つ。ただし、日本は族内婚、朝鮮は族外婚という違いがある。朝鮮はドイツと同じ族外婚の直系家族である。家族型から見ると、朝鮮人は、ドイツと同じく、極端な排外主義になりやすいと考えられる。
日本はいとこ婚に許容的であるが、朝鮮はいとこ婚を禁止する。この点は近親相姦禁止の対象の違いなので、文化的に対立する。朝鮮人から見れば、いとこ婚に許容的な日本人は、人間ではないという風に映るようである。日本は姓氏の違いが結婚の禁忌にならないが、儒教を取り入れた後の朝鮮は、同姓不婚である。他にも、文化の異なる民族の受け入れには、習俗・習慣やそれに根ざした感覚や感情のレベルで、容易に相互理解の得られないものが伴う。
シナは、日本・朝鮮とは違い、外婚制共同体家族の社会である。共同体家族社会では、権威のもとでの平等を求める。この点が共産主義の思想と共通している。共産主義は、外婚制共同体家族の地域で発達した。外婚制共同体家族も、共産主義も、普遍主義の価値観を持つ。
シナは普遍主義を価値観とする。普遍主義は、人間はみな同じという考え方である。ただし、普遍主義の社会では、自分たちの人間の観念を超えた者に出会うと、「これは人間ではない」と判断する。フランス人とマグレブ人は異なる普遍主義によって、互いを間扱いして、激しく争った。トッドは、シナの普遍主義について具体的に論じていないが、私なりにトッドの理論を応用すると、シナの普遍主義は中華思想となった。シナ人は、周辺の異民族を夷狄と呼び、禽獣に等しいものとして差別した。今日、日本に対して向けられる反日愛国主義は、伝統的な中華思想的普遍主義が形を変えたものという性格を持つ。特に青年層を中心に、日本人を激しく憎悪し、残虐な殺戮や核爆弾の投下を訴える言論は、単に江沢民時代からの思想教育によるものではないだろう。そうした言動が生まれる社会的な条件があると見るべきである。
外婚制共同体家族の社会に定着した共産主義は、人間の平等を価値とする普遍主義の思想である。普遍主義は、その特徴として、異なる型の人間に対しては、激しい憎悪と敵意を向ける。共産主義において、その対象は、ブルジョワジーやプチブルジョワジーである。権力を独占し、新たな支配集団となった共産党官僚は、思想・政策の異なる政敵を「人民の敵」と呼んで、徹底的な粛清を行う。憎悪と敵意が階級から異民族に向うと、激しい民族差別を生み出す。スターリンはチェチェン人に対して強制移住を行い、毛沢東はチベット人に対して虐殺・弾圧を行った。これらは、大きな差異を示す集団を間扱いするという普遍主義の暗い側面の表れといえるだろう。
次回に続く。
日本の移民問題は、日本人と朝鮮人・シナ人の関係を主とする。そこで、この問題をまずトッドにならって家族型という点から見てみよう。
日本と朝鮮は、ともに直系家族の社会である。権威と不平等を価値とし、差異主義の価値観を持つ。ただし、日本は族内婚、朝鮮は族外婚という違いがある。朝鮮はドイツと同じ族外婚の直系家族である。家族型から見ると、朝鮮人は、ドイツと同じく、極端な排外主義になりやすいと考えられる。
日本はいとこ婚に許容的であるが、朝鮮はいとこ婚を禁止する。この点は近親相姦禁止の対象の違いなので、文化的に対立する。朝鮮人から見れば、いとこ婚に許容的な日本人は、人間ではないという風に映るようである。日本は姓氏の違いが結婚の禁忌にならないが、儒教を取り入れた後の朝鮮は、同姓不婚である。他にも、文化の異なる民族の受け入れには、習俗・習慣やそれに根ざした感覚や感情のレベルで、容易に相互理解の得られないものが伴う。
シナは、日本・朝鮮とは違い、外婚制共同体家族の社会である。共同体家族社会では、権威のもとでの平等を求める。この点が共産主義の思想と共通している。共産主義は、外婚制共同体家族の地域で発達した。外婚制共同体家族も、共産主義も、普遍主義の価値観を持つ。
シナは普遍主義を価値観とする。普遍主義は、人間はみな同じという考え方である。ただし、普遍主義の社会では、自分たちの人間の観念を超えた者に出会うと、「これは人間ではない」と判断する。フランス人とマグレブ人は異なる普遍主義によって、互いを間扱いして、激しく争った。トッドは、シナの普遍主義について具体的に論じていないが、私なりにトッドの理論を応用すると、シナの普遍主義は中華思想となった。シナ人は、周辺の異民族を夷狄と呼び、禽獣に等しいものとして差別した。今日、日本に対して向けられる反日愛国主義は、伝統的な中華思想的普遍主義が形を変えたものという性格を持つ。特に青年層を中心に、日本人を激しく憎悪し、残虐な殺戮や核爆弾の投下を訴える言論は、単に江沢民時代からの思想教育によるものではないだろう。そうした言動が生まれる社会的な条件があると見るべきである。
外婚制共同体家族の社会に定着した共産主義は、人間の平等を価値とする普遍主義の思想である。普遍主義は、その特徴として、異なる型の人間に対しては、激しい憎悪と敵意を向ける。共産主義において、その対象は、ブルジョワジーやプチブルジョワジーである。権力を独占し、新たな支配集団となった共産党官僚は、思想・政策の異なる政敵を「人民の敵」と呼んで、徹底的な粛清を行う。憎悪と敵意が階級から異民族に向うと、激しい民族差別を生み出す。スターリンはチェチェン人に対して強制移住を行い、毛沢東はチベット人に対して虐殺・弾圧を行った。これらは、大きな差異を示す集団を間扱いするという普遍主義の暗い側面の表れといえるだろう。
次回に続く。