ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

脱少子化を語る5

2007-08-26 16:41:57 | 少子化
司会: 佐々木先生は助産婦石村の嘱託医をされているそうだが、医者の立場から見てどう感じているか。 

佐々木: 私は嘱託医である一方で、病院にも勤めているので両方の立場がある。家庭出産をするか、しないかというのは言ってみればポリシーの差のようなところがある。だからうまくいけば、家庭出産は非常にメリットが大きいと思う。
 石村さんも言っていたが、この人は安産しそうかどうかは分かる。一言で言うと、いい人は必ずいいお産をする。
 お産というのは人生の集大成のようなところがあって、それまで積み重ねてきたすべてが出る。今まで楽な生活ばかり送ってきた人が、分娩のときだけ、自然のお産をしたいというのは虫がよすぎると思う。

司会: 医学者の立場から、人格者でないといいお産はできないという言葉を聞けるとは思わなかった。江藤先生このお話を聞いていかがか。

江藤: 意外にも佐々木先生もそう思っていたのだと驚いた。(笑)
 前に経験したことで、だいたい子宮は十センチで全開大といわれるが、8センチのところで「もう私は駄目だ、陣痛に耐えられない」といった方が4センチくらいまで縮んでしまったことがあった。
 お母さんの「産まなくちゃ、私が産むぞ」という強い気持ちがすごく大切だなと思う。
 それと、その気持ちを支えるのはお父さんだ。「大丈夫、大丈夫」といって太っ腹に構えているお父さんの存在がとても大切だと思う。

司会: 両方のお医者さまからこういうお話を頂くと、いかに人格的なことが重要なのかということが分かる。
 萩原先生もいいお産をされたということで、いままでの話を聞いてどのように思われるか。

萩原: ひとつは、娘にお前が産まれたときはこうだったよと話す。もう何十回も話している。自分で一生懸命苦労した経験というのは、間違いなく子供に伝わる。
 それが家族の絆になっていくのだと思う。少子化の問題というのは、もっと男性が頑張らないと駄目だ。女性に責任を転嫁することが多いが、半分は男性の責任だから。
 そこのところを自覚して、自分の子供を持つことを誇りに思うような社会でなければいけないと思う。これは日本精神の根本、世界精神の根本だと思う。お産とか育児について男性がもっと役割を果たして、その喜びを感じられるような社会にしたいと思う。
 それが日本の少子化を救うし、人間というものを立ち直らせる大きなポイントになると思う。

司会: 細川さんは、いかがか。

細川: 本当に萩原先生のおっしゃる通りだと思う。人間には男女があって、それぞれ役割が違う。子供を産むということは、女の人しかできない。
 人間の場合は子供を産めば、一人前になるには十数年かかる。幼いうちは、母親は子供に付きっきりで、世話をしなくてはいけない。これは動物の世界で見れば、敵から最も襲われやすい状況だ。その状態の母子を男は守っていかなくてはいけない。今でいえば、仕事をして家族を支える。そういう役割があると思う。
 男女がそれぞれの特徴を認め合って、調和していくところに、子供も生まれるし、いい子育てもできる。それが家族の絆の一番の根本であって、親子のつながり、夫婦のつながり、あるいは先祖や子孫とのつながりというものも、夫婦の和があってこそのものではないか。
 日本人が昔から大切にしてきた心を取り戻して、人生に生かしていくことが大事ではないかと思う。

 次回に続く。