>私はなにか今凄く得してる恵まれてる感じがします。
そんなことありませんよ。私はこのブログを読んでいただき、悪質な金融機関からみなさんを守りたい、その一心です。
>毎月を満期にして年12回外貨で受け取る。大体の寿命を想定して・・
>それか資産と一緒に海外移住も視野に入れてます。
ななしさん、とてもよく今後のことを考えていますね。それからオーストラリアのリスクのことも。絶対安全という投資対象はありませんから、ご自分なりにリスクを把握されることはとても大切ですね。
さて、ななしさんの質問に答え、仕組みの解説をしてみます。難しいと思ったら、何度でも聞きなおしてください。
EB債は、またの名を「ノックイン債」と呼ばれることもある債券です。しかし実態は債券ではなく、ノックイン価格が株価に連動すれば株式投資、為替に連動すればFX投資だと説明しました。
例を私が5月21日に解説したソニー株への転換社債にとります。豪ドルなどの仕組債も全く同じ原理です。
ソニー株の例を復習します。
一口;10,000円
発行体;ソブリンより格の高い国際機関(発行体AAA格)
期間;2年
金利;年2%
償還条件;現在2,700円のソニーの株価が、2年後に2,500円を上回っていたら、現金10,000円をそのまま償還。もし下回っていたら、ソニーの現物株式で2,500円に対して1万円分相当の4株を償還。(4株は固定され、たとえ半値になっていても、倒産していても株式で4株だけの償還です)
これをじっくり見て読み取る必要があるのは、「2%の金利がもらえる」ではなく、「ソニー株に強制転換された場合の損得」の仕組みです。
それは、「ソニー株が値上がりしても1銭も得はせず、値下がりしたらその分はすべて損失になる」という損得の仕組みです。豪ドルでも全く同じです。
「値上がり分は1銭の得にもならず、値下がり分はすべて損失になる。」
と商品説明書に書いてあったら、ななしさんノックイン債に投資しますか?
しませんよね。でもこの商品はそういう商品なんです。そのように書いてないことが罪に問われない。それが今の日本の金融庁の監督とは言えない監督です。
この商品の原理はオプションを使っているのですが、オプションはとてもわかりづらいと思いますので、別の説明を試みます。
みなさん損害保険に入っていますよね。この商品は損害保険と同じです。ただし投資家は保険金をもらう加入者ではなく、逆に保険金を支払う保険会社になっているのです。
ソニー株にもしものことがあると、保険会社は損害に応じた保険金を払わないといけません。もし半壊なら半分、全壊なら全額を保険会社は補償します。保険を買った加入者は、保険会社に2%だけ支払い、保険を買っているのです。
ソニー株のEB債では、保険加入者はオプション市場の不特定の参加者でソニー株に保険を掛けたい人。保険会社は債券を買った人、たとえばななしさんです。ななしさんは2%の保険料をもらったばかりに、ソニーが全壊したら、保険金を100%支払わなくてはなりません。つまり投資額の全額をもっていかれます。豪ドルだとゼロにはならないでしょうが、50%くらいの値下がりはあるかもしれません。
これがこうした債券の原理です。とても簡単ですよね、おわかりいただけましたか?
ななしさん、ご自分が保険会社にされているなんて、きっと思ってもみないことでしょう。
次回は、証券会社は何故絶対にもうかるのかを説明します。