たいへんお待たせしました。
定年はまだまだの地方勤務医さんですが、私なりのアドバイスを差し上げたいと思います。
まず現状と将来を概観してみましょう。
現状
預金6,000万円
まずはよかったですね。何もせず、失敗もなく、トラの子が安全に保たれていて。それがなによりですよ。
>5年前に8000万で自宅を購入し残債が3000万程度となっております。
地方で8千万とは、すごいおうちなんでしょうね。52歳という年齢と年収を考えると、きっと残債は65歳の定年退職までに返済できると想像します。先走って返済する必要は全くありません。借金はインフレヘッジですので。
将来
65歳からは年金収入だけでも暮らせるはずです。持ち家があって当初の10年が40万であればなおさらです。75歳を過ぎたら、必要なおカネは少なくなります。
もっともその前に、ご自身が医師で定年退職後も働く気があれば、かなりの年収を得られるはずです。勝手な推測ですが、70-75歳くらいまでなら年金と同等どころか、それよりはるかに多く収入を得られるでしょう。
医師不足の日本ですから、元気でいる限り是非とも世のため人のため、お仕事の継続をお願いしたいと思います。リタイアはそれからで(笑)。
そう考えるなら、現在の預金と退職金はかなりの部分を安心安全のためドルでヘッジされることをお薦めします。「定年退職さん」へのアドバイス、あるいは著書でもお示ししたように、円への偏りがなによりもリスクです。
預貯金・退職金の全部をドルにしたところで、不動産や今後の収入を足し上げた額の半分以下です。では
提案その1.大胆案 代替案ではありません(笑)
6千万円をすぐに超長期の米国債、それも利付債へ全額投資。
ちなみに今、珍しく野村証券のサイトに、30年の3%クーポン付きが出ています。
それを買うと、円貨ですが半年ごとに90万円、年に180万円が30年入り続けます。税引きでも144万円、毎月12万円もらえて、最後に6千万が償還されます。その間の円リスクはフルにヘッジできます。別に円安に振れなくとも、よい投資だと思います。一つぜいたくな難点は、82歳で6千万円ものキャッシュがもどってしまうことです。
といってもそこまでは踏み切るのはかえってストレスになる可能性がありますので、
提案その2.普通案
今後1年かけて6千万の半分から3分の2程度、3千万から4千万を徐々にドルに転換してはいかがでしょう。
偶然にもFRBによる利上げ機運が高まっていて、長期債の金利も上昇しています。為替と金利の難しい変動予測などせずに、ドルへの転換即米国債への投資をお薦めします。つまり直接ドル建て米国債を買うのです。
例えば今の114円、10年債2.45%は好条件です。
今後もし円安になったときには金利高になっているはずだし、逆に円高だと金利は低いけど、ドルを安い時に買えることになります。
こう考えれば、1年を何回かに区切って投資タイミングを決め、トランプ相場を楽しむのも手でしょう。
何故数年でなく1年なのか。理由は、これだけいい加減な大統領のいい加減な政策が続く時代に、適切な為替予測や金利予測は誰にもできませんし、この1年で大揺れしそうだからです。そして数年に分けると、日本の破たんが始まってしまう可能性があり、ヒヤヒヤするかもしれないからです。
例えば1千万円を4回、合計4千万円を1年間で投資するとします。
対象の米国債は将来の楽しみに備えて10年物から5年ごとくらいの長期債に分散して満期時期を分け、5年ごとのボーナスを楽しむのです。10年債の次は15年債、20年債・・・というように。
そして私の地方勤務医さんへのお薦めはゼロクーポン債ではなく、大胆案にもあった「利付債」です。多額の預金があって、今後も長く収入の見込める方は、元本を増やす必要がありません。
例えば1年後に最後の1千万で25年債を買うとします。すると満期を迎えるころに78歳になっています。そこで大きなボーナスをもらっても使いきれません。今の金利でも元本がおよそ2倍にもなってしまいます。それよりも利付債で半期に一度、小さいながらもボーナスが出ていたほうが、楽しいですよ。そのたびに奥様と旅行を楽しむことができます。そうでもしないとこれまでの地方勤務医さんの生活同様、たぶんお金を使わないと思うからです。
「金利はすべて使い切る」。
「宵越しの金利はもたねー」ことにするのです。
ここまでのアドバイスは私流のアドバイスです。そのまま従う必要は全くありません。投資時期、購入金額、満期時期などはご自分の生活設計、遺産の計画をしながら、じっくりと考えてみてください。わくわくした将来像を描けるはずです。
なんだか将来必ず当たる宝くじ、「取れるタヌキの皮算用」をしているようで、うらやましいですね(笑)。
今後も金利が上昇してくれば、利付債は実に素晴らしい投資対象です。
他のみなさんも今一度、利付債を検討対象に加えてみてください。
以上が地方勤務医さんへの私からのアドバイスです。
ご質問などあれば、いつでもどうぞ。
ただし、私はあさって日曜日から10日ほどコロラドのヴェイルというスキーリゾートにでかけます。今年何と6回目のスキー。我ながらあきれます(笑)
でもトランプちゃんが「貿易戦争中につき、日本人出入り禁止」などとご乱心しないうちに行ってきます(笑)。
ブログはもちろんチェックするつもりですが、返事が遅くなるのは、どうかお許しください。