前回は、米国債投資を実例をもとに勉強してみました。あまり違わない年限の債券でも、既発債にはクーポン利率が高いものもあれば、低いものもあります。その両者の選択の要点を説明しました。キャッシュフロー収入を多めに受取りたい方は、クーポン利率の高めのものを、クーポンは高くなくても最後にキャピタルゲインを欲しいという方には、クーポン利率の低めのものがお薦め、ということでした。
みなさんがリタイアされているのであれば、5年債と言わずに、もっともっと長期のクーポン利率の高い債券をお薦めします。30年債だと4.5%くらいのクーポンが毎年入ります。
もしクーポン収入以上の現金が必要になったらどうするか?
米国債なら1,000ドル単位でいくらでも解約料などなしに売却できますので、必要な分だけ売却すればいいのです。それが例えば5年後とします。5年後に金利が多少高くなっていても、お持ちの債券の残存の年限が25年になっていますから、それほど大きなキャピタルロスは心配しなくても大丈夫です。10年後なら、もっと残存年限が短く20年です。金利の上昇に対して、長期であればあるほど値下がりは大きいのですが、毎年残存年限は短かくなり、リスクは軽減されていきます。あまり心配せずに長期を買うべきでしょう。
では次に、もっと若い年齢層の方向けで、『クーポン収入はいらない。その代わりに複利で運用して、大きなキャピタルゲインが欲しい』という方向けの投資案内です。
ぴったりくるのはゼロクーポン債です。また大手証券会社のサイトで、投資商品から債券、そして既発外債を選択すると、たくさんの米国債のゼロクーポン債が出てきます。以下はそのいくつかの例です。
償還日 年限 価格 利回り
①アメリカ国債(ゼロクーポン) 2040/02/15 28年9カ月 27.98 4.47
②アメリカ国債(ゼロクーポン) 2031/02/15 19年9カ月 43.19 4.29
③アメリカ国債(ゼロクーポン) 2021/02/15 9年9カ月 72.37 3.33
①は年限が28年9ヶ月で、27.98%で買うと100%で償還してくれます。利回りは年率4.47%。要するに買ってほっておけば、29年後には3.6倍ほどになるということです。19年9ヶ月なら2.3倍、10年弱でも30%近いリターンがあります。
これが、寝て暮らせるリスクフリー投資のリターンです。世界一安全な金融資産でこんなにもリターンがあります。大手の証券会社に行けば、どこでも簡単に買えます。コストは、毎年の手数料はかからず、外債口座の管理料だけです。
あとは為替のリスクをどう考えるかで、それについては最初の頃の金利と為替のシミュレーションのところを参考にしてください。30年後とはいえ、円が果てしなく強くなることは、考えづらいと私は思っています。むしろ日本の財政や国債に非常事態が発生することのほうが、ありそうなシナリオです。その場合、米国債は災害特約付(日本国債や円の暴落)ですから、大きな保険料(円安)が入る可能性があります。
米国債投資の実例での勉強、いかがでしょう。およその要点はつかんでいただけましたでしょうか。
私は連休中しばし旅に出て、日本経済の復活に貢献してきます(笑)。ですのでしばらくブログをお休みします。5月の連休は、海外のヘッジファンドにとって、とてもオイシイ季節です。FXで言えば、あの震災直後同様2匹目のドジョウを狙って、舌なめずりしていることと思います。みなさんも、もしそんなことがあれば一緒に舌なめずりして、オイシイくて安いドル債でも仕込んでみてください。
では、よいゴールデン・ウィークを!
みなさんがリタイアされているのであれば、5年債と言わずに、もっともっと長期のクーポン利率の高い債券をお薦めします。30年債だと4.5%くらいのクーポンが毎年入ります。
もしクーポン収入以上の現金が必要になったらどうするか?
米国債なら1,000ドル単位でいくらでも解約料などなしに売却できますので、必要な分だけ売却すればいいのです。それが例えば5年後とします。5年後に金利が多少高くなっていても、お持ちの債券の残存の年限が25年になっていますから、それほど大きなキャピタルロスは心配しなくても大丈夫です。10年後なら、もっと残存年限が短く20年です。金利の上昇に対して、長期であればあるほど値下がりは大きいのですが、毎年残存年限は短かくなり、リスクは軽減されていきます。あまり心配せずに長期を買うべきでしょう。
では次に、もっと若い年齢層の方向けで、『クーポン収入はいらない。その代わりに複利で運用して、大きなキャピタルゲインが欲しい』という方向けの投資案内です。
ぴったりくるのはゼロクーポン債です。また大手証券会社のサイトで、投資商品から債券、そして既発外債を選択すると、たくさんの米国債のゼロクーポン債が出てきます。以下はそのいくつかの例です。
償還日 年限 価格 利回り
①アメリカ国債(ゼロクーポン) 2040/02/15 28年9カ月 27.98 4.47
②アメリカ国債(ゼロクーポン) 2031/02/15 19年9カ月 43.19 4.29
③アメリカ国債(ゼロクーポン) 2021/02/15 9年9カ月 72.37 3.33
①は年限が28年9ヶ月で、27.98%で買うと100%で償還してくれます。利回りは年率4.47%。要するに買ってほっておけば、29年後には3.6倍ほどになるということです。19年9ヶ月なら2.3倍、10年弱でも30%近いリターンがあります。
これが、寝て暮らせるリスクフリー投資のリターンです。世界一安全な金融資産でこんなにもリターンがあります。大手の証券会社に行けば、どこでも簡単に買えます。コストは、毎年の手数料はかからず、外債口座の管理料だけです。
あとは為替のリスクをどう考えるかで、それについては最初の頃の金利と為替のシミュレーションのところを参考にしてください。30年後とはいえ、円が果てしなく強くなることは、考えづらいと私は思っています。むしろ日本の財政や国債に非常事態が発生することのほうが、ありそうなシナリオです。その場合、米国債は災害特約付(日本国債や円の暴落)ですから、大きな保険料(円安)が入る可能性があります。
米国債投資の実例での勉強、いかがでしょう。およその要点はつかんでいただけましたでしょうか。
私は連休中しばし旅に出て、日本経済の復活に貢献してきます(笑)。ですのでしばらくブログをお休みします。5月の連休は、海外のヘッジファンドにとって、とてもオイシイ季節です。FXで言えば、あの震災直後同様2匹目のドジョウを狙って、舌なめずりしていることと思います。みなさんも、もしそんなことがあれば一緒に舌なめずりして、オイシイくて安いドル債でも仕込んでみてください。
では、よいゴールデン・ウィークを!