今回からは年金のお話です。日本の年金システムはとても複雑なので、ごくごく簡単にしてお話をさしあげることにします。
年金の代表選手として、厚生年金・国民年金を取り上げます。
そもそも日本の公的年金は、自分で積み立てた分を自分で取り崩すのではなく、現役世代が積み立てた分をリタイア世代が年金でもらう賦課方式という構造になっています。高齢化が進めば、当然そのシステムは成り立たなくなるので、システムの改定が時々行われ、支払い開始年齢を引き上げたりします。
と書いたものの、なんかヘンなことを書いたな、と思っています。
何故なら団塊の世代が生まれた以降の出生率低下を見れば、高齢化の進展など小中学生でも計算できるのに、オクニはそれを甘く見ていたことになるからです。それと、運用利回り計算をタヌキの皮算用でやっているのです。
「えっ、オクニは将来の支払いを約束してくれているんじゃないの」
約束しているはずなのに、見込みが違ったってことで条件を悪くする改定をたびたびするんですよ。
「だって人口が減ったりするのは、わかってんでしょ」
もちろんです。でもはっきり言って、見栄えがいいように出生率を甘めに見た計画を作っては改定する、というのを繰り返しています。
それに人口ばかりじゃなくて、運用利回りの見通しもおお甘にして、「ごめん、計画通り儲からなかった」ってやるんです。
その上に社会保険庁の職員がドロボウしたりするので、ますます計算が狂っています。そう言えば、ドロボウ職員は処罰を受け、全部返済したんでしょうかね?
「じゃ、今後年金制度は破綻するの?」
いいえ、破綻はしません。支給開始年齢をどんどん上げて支給額も減らし、現役世代からの保険料をどんどん上げて行けば破綻はしません。しかし世代間の不公平さはとんでもないレベルにまで達し、支払い拒否が起こってもおかしくないレベルになるでしょう。
国民年金はすでにそのレベルに達していて、現役世代の支払い率はたったの4割です。
「えっ、6割って聞いたけど?」
それはね、大本営の発表です。これにも役人がよくやるゴマカシがあるんです。払うべき人の数を分母としないで、払う能力のない人の数を除いた人数を分母としているので、2割も差が出るんです。
「へー、半分以上の人が払ってないんだ」
そうです。これじゃ国民年金がもつわけありませんよね。それで国民年金は維持不能ってことで、厚生年金にくっつけたのです。つまりサラリーマンが国民年金分も含めて支えなきゃならない、ってことになったのです。これが非常に大雑把に見た日本の年金システムです。
私は年金の専門家ではありませんので、制度運営の細かいことまで見ているわけではありません。ただし、そうしたことを専門にしている大学の先生方の論文などを確認しながらみなさんになるべくわかりやすく実態を見てもらっています。
つづく
年金の代表選手として、厚生年金・国民年金を取り上げます。
そもそも日本の公的年金は、自分で積み立てた分を自分で取り崩すのではなく、現役世代が積み立てた分をリタイア世代が年金でもらう賦課方式という構造になっています。高齢化が進めば、当然そのシステムは成り立たなくなるので、システムの改定が時々行われ、支払い開始年齢を引き上げたりします。
と書いたものの、なんかヘンなことを書いたな、と思っています。
何故なら団塊の世代が生まれた以降の出生率低下を見れば、高齢化の進展など小中学生でも計算できるのに、オクニはそれを甘く見ていたことになるからです。それと、運用利回り計算をタヌキの皮算用でやっているのです。
「えっ、オクニは将来の支払いを約束してくれているんじゃないの」
約束しているはずなのに、見込みが違ったってことで条件を悪くする改定をたびたびするんですよ。
「だって人口が減ったりするのは、わかってんでしょ」
もちろんです。でもはっきり言って、見栄えがいいように出生率を甘めに見た計画を作っては改定する、というのを繰り返しています。
それに人口ばかりじゃなくて、運用利回りの見通しもおお甘にして、「ごめん、計画通り儲からなかった」ってやるんです。
その上に社会保険庁の職員がドロボウしたりするので、ますます計算が狂っています。そう言えば、ドロボウ職員は処罰を受け、全部返済したんでしょうかね?
「じゃ、今後年金制度は破綻するの?」
いいえ、破綻はしません。支給開始年齢をどんどん上げて支給額も減らし、現役世代からの保険料をどんどん上げて行けば破綻はしません。しかし世代間の不公平さはとんでもないレベルにまで達し、支払い拒否が起こってもおかしくないレベルになるでしょう。
国民年金はすでにそのレベルに達していて、現役世代の支払い率はたったの4割です。
「えっ、6割って聞いたけど?」
それはね、大本営の発表です。これにも役人がよくやるゴマカシがあるんです。払うべき人の数を分母としないで、払う能力のない人の数を除いた人数を分母としているので、2割も差が出るんです。
「へー、半分以上の人が払ってないんだ」
そうです。これじゃ国民年金がもつわけありませんよね。それで国民年金は維持不能ってことで、厚生年金にくっつけたのです。つまりサラリーマンが国民年金分も含めて支えなきゃならない、ってことになったのです。これが非常に大雑把に見た日本の年金システムです。
私は年金の専門家ではありませんので、制度運営の細かいことまで見ているわけではありません。ただし、そうしたことを専門にしている大学の先生方の論文などを確認しながらみなさんになるべくわかりやすく実態を見てもらっています。
つづく