ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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志賀高原、最新スキー事情

2020年01月26日 | 旅行

  今週は21日から今年2回目のスキーに出かけていました。志賀高原です。実は八方尾根に行く予定でしたが、雪不足で急きょ志賀高原に変更しました。八方尾根は普通なら長野県でも雪が豊富で、1月下旬に雪不足なんて記憶にありません。同じ長野県にあって長野盆地を挟んだ反対側の志賀高原には十分に雪があり、天気にも恵まれパウダースノーでのスキーを楽しむことができました。

  志賀高原のポスターが傑作です。ふもとの温泉に来る温泉猿が「人類よ、これ以上のパウダーを求めるのか」と言っている中、スキーヤーが滑っているというポスターです。温泉猿は外人旅行客には大うけで、きっとみなさんもご存知だと思います。写真はこちらで見られます。https://shigakogen.co.jp/

 

  今回驚いたのは志賀高原にもオーストラリア人が大量に進出してきたことです。八方尾根や野沢温泉スキー場が雪不足だったことが理由かもしれません。我々は彼らの進出は大歓迎です。さびれてきた日本のスキー場を活性化してくれるからで、それはスキーヤーの増加というだけでなく、資本も投下してくれるからです。もっともニセコではそのおかげで地価上昇率が日本一になったり、家賃が上昇したり、レストランなどの値段が上がってしまい、地元の人はほどほどにしてくれという意見が多くなっているようです。

 

  志賀高原での泊りは昔から一泊2食付き1万円程度の安ホテルを使っているのですが、今年は異変がありました。それは安いスキー宿に初めてオーストラリア人のグループが2・3組宿泊していたことです。スキーはかなり疲労するので、だいたい午後3時から4時には終え、お風呂に入ったあと夕食までの時間、暖炉のあるロビーで飲みながら歓談するのですが、我々と一緒にオーストラリア人グループもその輪に参加してきました。「どうして志賀に来たの」と彼らに聞いてみると、前はニセコに行っていたけど、オーストラリア人が多すぎていやになった。野沢や八方尾根にも行ったけど、あそこもオーストラリア人が多くなってきたから今回は志賀にしたとのこと。

  そういえばその昔、年末年始のハワイが日本人であふれ、あそこはやだと思ったのと同じことが日本のスキー場にも起こっているようです。リフトで乗り合わせたオーストラリア人もまったく同じことを言っていました。しかし志賀高原までオーストラリア人に本格占領されることは、まだ当分はないだろうというのが私の見立てです。理由は志賀高原にはナイトライフがないからです。スキーをしていると夕方は寒くなるので3時から4時には終えますが、その後はアフタースキーの楽しみが始まります。ニセコや野沢温泉の街はそれからが賑わうのです。野沢温泉ではとても寒いのに海外からのスキーヤーはわざわざ浴衣を着流して下駄をはき、タオルを持って13か所の町営無料温泉を訪ね歩き、その間に地ビールを立ち飲みする。しかも地ビール屋はイギリス人が作った店だったり、オーストラリア人のバーだったりします。

  志賀高原は昔ながらのスキー宿に毛の生えた程度のホテルが多く、街と言うものがなく、ナイトライフがないのです。ヨーロッパやアメリカのスキーリゾートはレストラン、バー、ナイトクラブ、ディスコ、ブランドショップまでが軒を連ね、夜も楽しめる街があります。それが志賀高原には皆無なのです。それらは自然発生するので、志賀高原に出来上がるにはかなり時間がかかると思います。

 

  我々のホテルのロビーには暖炉のそばに大きなテレビがあって、ちょうど相撲中継をやっていたのですが、オーストラリア人グループも興味津々で観戦していました。私がオーストラリアのどこからきたのかと話しかけたのをきっかけに、相撲談義がはじまりました。といってもほとんど一方的な質問攻めです。彼らは歌舞伎とスポーツを融合したような、不思議さを相撲に感じているようです。質問はたとえば、なんで仕切りを繰り返すのか。まわしの前に垂れている何本もの紐はなんだ。垂れ幕のようなものを持ってクルクル回るのはなんだ。あれは賞金だというと、誰が出すんだ、一ついくらだ。力士はいくら稼いでいるんだ。試合がない日は何をしているんだ、白人レスラーもいるがオーストラリア人のレスラーはいないのか、などなど質問は止まりません。

  私はそれに必死に答えながらも彼らの興味がどこにあるか知ることができ、炉辺の会話を楽しむことができました。そして驚いたのはあの小兵力士炎鵬が出てきた時の反応です。彼ら全員が炎鵬の番だと喜んでいるのです。知っているんですね。そして大男の朝の山を土俵の外に出したとたん、「やったー!」と大拍手。取組後の国技館内の炎鵬コールに合わせて手拍子をしていました。オーストラリア人は全員炎鵬の大ファンでした。

  志賀高原にも海外スキーヤー呼び寄せを先取りするホテルが現れました。スキー場で困るのはランチで、古いスキー場にはおいしいレストランが少ないのです。特に志賀高原は古いスキー宿ばかりで、スキー板で滑り込める場所のレストランはレトロというよりはっきり言って古くさい食堂しかありません。メニューも昭和レトロメニューのオンパレード。定番のカレーライス、カツカレー、豚汁、ラーメン、ナポリタン、オムライスのたぐいです。

 

  ところが今年一ノ瀬ゲレンデ近くに新しいリストランテ・アルトピアノが登場しました。昼のメニューはハンバーガーとピザだけなのですが、ハンバーガーのサイズは高さ15㎝もある国際サイズで、内容も様々。ピザも石窯でしっかり焼いて、ゴルゴンゾーラを含め本格的チーズを使っていておいしいのです。我々が入っていくと初老のフロア係の人が大歓迎してくれました。先月やっとオープンし、昼間の客はまだ少ないようです。その人は実は隣の比較的新しいHotel Japan Shigaのオーナーでもあり、今後レストランに力を入れるとのこと。外人が食べて喜ぶメニューをしっかりと知っているようです。いろいろ聞いてみると、実はディナータイムは外人客で満杯になるとのこと。彼らはやはり昭和レトロの宿に泊まりながらも、平均一週間の逗留ですから毎日代わり映えのしない鍋料理などに飽きてしまうのでしょう。渡されたホテルの案内パンフレットを見ると、ホテル内のレストランには高級和牛の焼肉レストランやエスニックレストランまでありました。シーズンオフはどうするのか心配でしたが、パンフレットには音楽関係者向けにグランドピアノを備えたホールなどがあり、特に夏は標高1,700mの地の利を生かした工夫もあるようです。志賀高原の振興のためにも頑張ってほしいものです。

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香港と台湾選挙2

2020年01月17日 | ニュース・コメント

  前々回の記事で私は「次は香港の区議会選挙についてです」と申し上げましたが、ゴーンの言いたい放題に反撃を食らわせたくなって「公開質問状」というアイデアを出しました。ゴーンについてはその後の個別インタビューなどもあり、報道が続いていますので、言いたい放題に一撃を与えるためにも早くマスコミが私のアイデアに乗ってくれることを希望します。

  では中国と香港の問題に戻ります。台湾の総統選挙は「今日の香港は明日の台湾」という追い風があって、民主派の蔡英文氏が大勝利を飾りました。めでたしめでたし。中国はその勝利を報道しないといういつものブラックアウト戦術に出ています。海外のニュース番組の途中でヤバい画面になると放映を中断するというミエミエの手を使っていますが、やればやるほど民意は離れるということをわかっていないようです。いや、正確に言えば、わかっていても反政府の動きを封じるためにやらざるを得ないのでしょう。

   現在の香港の若者たちのデモ隊の活動とそれに対する香港当局の鎮圧は、SNSのおかげで手に取るように見ることができます。いきなりの銃撃も世界に衝撃を与えました。それでも動画だけでは若者たちが何を考え、将来どうしたいのかついて把握するのは難しいと思います。NHKBSの番組、「激動の世界を行く」はそんな中、11月24日に行われた香港の区議会選挙の様子を長期取材し、詳細にレポートしてくれました。それをかいつまんで以下に紹介しながら、私のコメントをまとめてみました。

  区議選の焦点は民主派と親中派の正面切っての対決でした。そもそも区議会選挙という名が、我々日本人にとっては地方の小さな選挙でしかないというニュアンスのため、何故そこまで注目されるのかよくわかりません。そこで香港の政治体制をちょっとお知らせします。構造は以下の3層になっています。

1.行政長官;トップに君臨。本来は07年に市民による普通選挙に移行するはずがそうはならず、04年の選挙から少数の選挙人による名ばかりの選挙で実質は中国政府の思うがまま。それに抗議して始まったのが14年の「雨傘運動」でしたが、鎮圧されています。

2.立法会;日本の国会に相当。議席の半数は香港市民による選挙、あとの半数は職能団体による選挙であるが、実質は中国政府の思うがまま。

3.区議会;日本の地方議会に相当。香港全体で18選挙区、479議席。うち94%の452議席が市民による選挙であるため、市民の声を反映できる唯一の選挙。

  番組では中国取材のスペシャリストともいうべきNHKの鎌倉千秋キャスターがマイクを持って取材をしていました。彼女は母親が台湾人で、慶応大学の総合政策学部を卒業していますが、その他に台湾や中国の大学院などにも留学し、中国語、英語、日本語のトライリンガルの才媛です。番組ではデモ隊と警察部隊の衝突を間近で取材したり、ある選挙区の民主派候補と親中派候補の戦いぶりを選挙の開始から投票結果まで追いかけていました。ご承知の通り、もちろん民主派の勝利に終わっています。

  前回選挙では民主派が得た議席はわずか3割、親中派は7割を占めていましたが、今回の選挙では民主派が8割へと大幅増になり、親中派はたった2割に終わりました。半年前に始まった「犯罪者の中国送還反対運動」をきっかけに始まった若者たちによる運動と警察による過剰とも思える警備が、香港市民全体を動かしたのでしょう。投票率も71.2%と高い投票率となり、親中派は大敗北を喫しました。

 

  一国二制度を確約して97年に始まった中国による香港統治ですが、行政長官の普通選挙の約束は履行されず、立法会も中国の思うがまま、学校教育は中国色を強めるなど、この20年余りで2制度の約束はどんどんくつがえされ、中国共産党による独裁色がどんどん強まっています。

  しかし私は現在の学生を中心とした破壊行為を伴う反政府デモのやり方に賛成はしません。もっと非暴力的行動に徹しないと、どこで天安門事件の二の舞になるかわからないからです。店舗や駅舎への破壊行為は中立的な人々の反感まで買うことになります。彼らはスマホの地図上でひとつひとつの店舗に民主派と親中派のレッテルを張りつけて、破壊対象を特定しています。たとえ親中派の店舗であっても、デモの参加者に対して害を及ぼしているわけではありません。そのテンポを襲撃対象にする行為は香港のみならず国際的にも支持を得られるものではないと思います。

  中国という国、そして共産党のひどさを見くびってはいけない。その実態をみなさんにもお知らせしたいと思い、わざわざ30年も前の天安門事件のドキュメンタリーに触れたのです。デモの続く過程で香港は観光客を失い、アジアの金融センターとしての地位も失ってしまいそうです。それだけでなく、この状態が続くと中国共産党は香港全体を収容所にしかねない。ウィグルやチベットをみれば、それが決して杞憂ではないと思うのです。

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ゴーンに一撃を食らわせる法

2020年01月12日 | ニュース・コメント

  ゴーンが相変わらずマスコミを手玉に取りながら言いたい放題を言っています。彼の日産再生に対する貢献は非常に大きいものがあるのは認めるし、称賛もしましょう。しかし上場されている大企業である日産の私物化と私腹を肥やす違法行為は許せません。そこでこの強欲経営者に一撃を加えましょう。

   彼の今回の懇親会と称する記者会見の仕切り役は、フランスで一流のPR会社だったそうです。海外報道や一般人へのインタビューを見ていると、今回の勝敗は明らかにゴーンの勝ちです。100%ではないですが、80対20くらいでしょう。

   救いはレバノン国民の多くは意外にも反ゴーンだというところです。現在多くの国民は反政府デモを行っている最中で、デモの焦点は政府要人や金持ち財界人の腐敗です。経済的に困窮している国民の多くは腐敗した政治家と強欲な財界人によって自分たちが困窮していると非難しデモをしているのです。そしてゴーンもその一派とみなされており、デモ参加者から見れば非難の対象で、彼らへのインタビューでも反ゴーンの言葉が多く聞かれました。ベイルートは彼にとって決して安住の地とは言えないようです。現政権は彼の取り扱い方法を誤ると、転覆につながりかねません。

  ゴーン問題では国際的には分が悪い日本の検察です。国際的スタンダードと乖離していることは認め、改革の必要はあるでしょう。しかし私には逃げおおせたゴーンに対して一矢報いたいという思いがあります。そこで以下の提案をします。それは「公開質問状」です。

 

  彼は懇親会と称する会見で、自分に掛けられた容疑は濡れ衣だというだけで、具体的証拠は示せていません。そこでこうなったら日本の検察の有する証拠とともに罪状をすべて並べ立て、「反論してみろ」と公開質問状を世界に向けて発するのです。その場合、日本側の主張だけでは彼は相手にしない可能性があるので、世界の主だったマスコミを巻き込むべきでしょう。検察は自ら質問状は出せないでしょうから、日本のマスコミに世界のマスコミを加え連名で質問状を突き付けるのが効果的です。そこにヨルダンのマスコミが加わってくれればなおよし。

  質問の中身では、言い逃れが可能な質問はせず、明白に容疑を立証できるものだけにすべきでしょう。例えば、陰謀か否かなどというのはあいまいですので出さない。しかしカネの流れから証明できている以下の点などは有効打になるはずです。

 

・     すでに起訴されているゴーン夫人へのカネの流れ

・  個人で実行した為替のデリバティブ損失18億あまりを会社への付け替えた件

・     自分の息子の会社へ資金を流した件

・     今ベイルートで住んでいる家をはじめ日産名義の6軒、計60億円あまりの高級住宅やクルーザーを私物化している

などなど。その家に今居住しているとは、盗人猛々しいとはこのことです。

  逆に当初の容疑である収入の有価証券報告書への虚偽記載などは会社の行為であり言い逃れが可能なのでやめ、上記の個人の特別背任に焦点を合わせるべきでしょう。彼の悪党としての人間性を暴くほうが腐敗を糾弾しているヨルダン人には特に有効です。

  彼はトランプ同様自分は絶対に間違っていないと思っているサイコパス人間なので、自分にかけられた嫌疑の公開質問状に黙っていられないはずです。そしてこの公開質問状は、世界のマスコミが報道していない、あるいは知らない悪事を報道せざるを得ないようにする効果を持つはずです。

  厳密にいえば犯罪行為の挙証責任は検察側にあり犯人側にはありません。でもあの会見で反論したと自慢するゴーンへの有効なカウンターパンチにはなるでしょう。世界のマスコミが彼の犯罪の内容を詳しく知ることになり、これに反論できなかったり拒否すれば、矛先が日本からゴーンへと方向転換するきっかけにはなると私は思っています。

  この事件にはもう一人、ケリーという被告がいて、彼も自分への嫌疑はすべて否定し、検察と戦う意思を示しています。その裁判が控えているため、検察がゴーンの悪事の証拠をすべてマスコミに公開するのは難しいでしょうが、特別背任にあたるゴーン独自の悪事は、検察が思い切れば公開できないことはないと思われます。

  以上、ときどき出てくる私の「腹立ちまぎれ」でした。

林 敬一

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香港と台湾選挙

2020年01月10日 | ニュース・コメント

  今年のスキー初すべりから戻りました。行ったのは群馬県の丸沼高原スキー場です。いつもシーズン最初はこのスキー場に行っています。理由は他が雪不足でも比較的雪があるからです。ロープウェイ到着地点の高度が2千メートルととても高く、シーズン初めでも雪がしっかりと付いていました。私が好きでよく行く八方尾根でも最高地点の高度は1,800メートルですから、ここの高さが際立っているのがわかります。12月下旬になってもゲレンデの一部が雪不足で閉鎖されていたため心配だったのですが、年末年始の荒れた天気でかなりの降雪があり、一気にほとんどの滑走コースがオープンしました。スキーヤーやスキー場にとっては嬉しい雪も、雪国の方にとってはあまりよろこばしいことではないかもしれませんね。

 

  どのニュースもゴーンと米国・イランのニュースばかりですが、それは置いておき、今回は天安門事件から香港の問題、そして台湾の総統選挙についてです。蔡英文再選を目指す民主派と、親中派が激突していますね。民主派には「今日の香港は明日の台湾」という追い風が吹いたため、勝利は間違いないようです。

 

  一方、昨年から香港の惨状は目に余るものがありますね、本当に憂慮されます。国際金融におけるアジアの中心の一つであったはずが、97年の中国への返還でいったん潮が引くような場面はありましたが、その後は中国資本の本格進出により不動産が息を吹き返し、それが他の産業にも波及していました。しかし今回の混乱で国際的地位がもう元に戻ることはないと思われます。共産中国支配の香港から国際社会は離れるのみでしょう。

  97年の返還まではアジアの金融拠点としての機能を有し、多くの金融機関とそこで働く関係者が居住していました。アメリカの投資銀行も拠点を構えていましたが、返還とともに香港を脱出する動きが見られました。金融だけではなく、香港は中国の出島としての機能を持っていました。海外企業が中国に出る際の窓口であったり、逆に中国が外に出る時の窓口でもありました。しかし中国本体から海外への資本や人の移動が自由になるにしたがって、中国は出島であった香港を必要としなくなったのでしょう。それが中国の香港に対する厳しい対応からうかがえます。

 

  年末に2つのNHKBSのドキュメンタリー番組を見ました。一つは「天安門事件」。もう一つは香港の区議会選挙と台湾の選挙についてです。候補者への密着取材で、二つの別番組を連続放映していました。天安門事件は30年も前の事件ですが、現在の香港の状況に共通性を見出し、連続放映したのでしょう。

  「天安門事件」のドキュメンタリーは相当なカネと時間を使い、様々な立場で事件にかかわった人たちの取材に成功した優れた番組でした。様々な立場とは時の政府側で民主化への道を模索し、最後には失脚した趙紫陽総書記の側近やその他政府の要人。逆に鄧小平の側にいて、鄧小平によるデモ隊排除と戒厳令を発動、実行する側にいた人。彼の「排除するため武力行使しろ」という指示が書かれた内部文書も出ていました。やはりトップの命令だったことがうかがわれます。

  また実際にデモを行った側では、主導的な人々やデモ参加者で撃たれ負傷した人たち、戦車のキャタピラーに巻き込まれ両足を失った人もインタビューされていました。この人はあの有名な買い物袋を持って戦車に立ち向かった「戦車男」あるいは「無名の反逆者」と呼ばれた人ではありません。また、危険を顧みず現地で取材を続けたBBCの取材陣、そして逆に学生を包囲した軍人の中で実際に学生に向かって発砲し、いまだ中国に留まっている人。軍人でも海外に逃れて今回初めて発砲の事実を告白した人までいました。両サイドからこれだけ多くの関係者が含まれていたので、かなり真相に肉薄したものだと感じました。

   この番組のおかげで私はいままで知らなかった多くのことを知ることができました。特に元兵士でデモ隊に向け発砲をした人の証言は衝撃的でした。彼は今アメリカに住んでいるので顔も出していましたが、発砲に関して次のように証言していました。「我々はデモ隊への発砲などしたくなかった。しかし軍には我々を見張るいわば憲兵隊がいて、発砲しなかったりすると反逆者とされ罰せられるため、無差別的に発砲せざるを得なかった」。同胞を無差別に撃った一兵卒の実態とはこうだったのだということを初めて知り、衝撃を受けました。

 

  次回は香港の区議会選挙の番組内容について記します。

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ゴーン ウィズ ザ ウィンド 2

2020年01月04日 | ニュース・コメント

  みなさま、あけましておめでとうございます。

 今年も「ストレスフリーの資産運用」ブログを、よろしくお願いいたします。

  年末にはカルロス・ゴーンの「逃げるが勝ち!」、年始にはトランプによる「暗殺」といずれもオレ様男たちによる犯行に驚かされましたね。 

  トランプによる攻撃は軍幹部への一撃にとどまらず、第二撃で民兵組織もたたきました。そして同時にこの地区へ3千名の兵力増強も発表しています。トランプのやり口は決して戦闘行為とはみなされないよう、ドローンなどの攻撃にとどめることで、戦闘開始はあくまでイラン側の責任にしようとしているにちがいありません。イランの宗教指導者ハメネイさん、大統領のロウハニさん、トランプの挑発に乗りそうなので言っておきます。「決して挑発に乗らないこと」。

  トランプの狙いは挑発を続けてイランが軍事力で反撃してきたところを本格攻撃することです。数日間あればテヘランを木っ端みじんにするのはアメリカの軍事力をもってすればいとも簡単です。金正恩クンも気を付けないとあきまへんで(笑)。

   さて、カルロス・ゴーンとトランプ、はっきり言ってこの二人似たもの同士です。オレ様の言うことはすべて正しい。法律違反を犯しても、「法律が悪い。オレは悪くない」。ゴーンについては1月8日に犯行の手口を明かすと言っていますし、法律の問題は詳しくないので専門家にお任せします。私が言いたいのは、こうした人間をトップにいただいていると、世の中ろくなことにならないということです。

   二人ともいつも塀の上を歩きながら様々な芸当をして、塀の中にかろうじて落ちない人生を歩んできました。あえて批判を覚悟で言いますが、この二人「根っからの悪党」だと私は思っています。トランプは言うまでもなく3千件もの訴訟を抱えたまま大統領をやっているし、ゴーンも法令違反を犯しながら「日本の法制度が悪い」と他人に責任を押し付け生き延びようとする。

   さすがの辣腕弁護士弘中氏も、まさかのクライアント逃亡にあきれ返り、逃亡発覚の当日30分ものインタビューでフランスのパスポートを2つ持っていたことを忘れて、「パスポートは自分が預かっている。渡してなんかいない」と言い切ってしまい、あとで「もう一つ彼が持っていたのを失念していた」と訂正しました。彼としたことが、よほどあわてたに違いありません。

   なにせ彼がこれまで手掛けた案件というよりクライアントのリストは錚々たるもので、ほとんどが勝利に終わっているのです。以下にウィキペディアから引用しますので、とくとご覧あれ。

 三浦和義守屋武昌小沢一郎叶姉妹・花田勝・川崎麻世村上正邦村木厚子佐村河内守中森明菜武井保雄堀江貴文野村沙知代矢野絢也鈴木宗男東国原英夫長嶋一茂木村剛鳥越俊太郎高畑裕太カルロス・ゴーン

 

   自分の弁護士を騙しコケにするゴーンにやり口にはあきれると同時に、人を人とも思わぬ彼の悪辣さには驚く以外ありません。さすがの弘中氏も発覚当日のインタービューでは「寝耳に水。なんでこんなことになるのかわからないし、連絡も取れない。今後のこともわからない」の連発でした。

   そのゴーンも本質部分は、「会社の物はオレの物、法律なんかクソくらえ、捕まらなきゃこっちのもんだ」と、トランプと同じ種類のサイコパス人間であると思えば、腑に落ちるのです。 

  ゴーン ウィズ ザ ウィンド、まさかその2が出るとは思いもよりませんでした。

   年始にあたってもうちょっといいニュースが欲しいですね!(ニガ笑)


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