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白い恋人達から黒い疑惑へ

2022年02月21日 | 冬のオリンピック2022

  冬季オリンピックが終わりましたね。日本選手たちはこれまでで最多のメダルを獲得し、多くの感動を与えたくれました。メダルを取れなかった選手にも心から「お疲れ様」、そして「感動をありがとう」と言いたいです。

 

  冬季オリンピックのテーマカラーは、いつだって白でした。

   「白い恋人達」は1968年のフランス、グルノーブル冬季オリンピック記録映画のタイトルですが、今や「白い恋人」として北海道土産の定番としか認識されていないかもしれません。でも私の世代以上の方々はクロード・ルルーシュ監督、レイモン・ルフェーブル音楽によるオリンピック映画のタイトルであることを知っていると思います。なにせあの「男と女」の名コンビが作った作品ですからね。

 

  そしてそれ以前にも映画「白銀は招くよ」がありました。世紀の美男子スキーヤー、トニー・ザイラー主演の映画です。彼は56年のコルチナダンペッツオ大会で回転、大回転、滑降の3冠王になりましたが、回転競技の銀メダリストこそわれらが猪谷千春でした。そして次回の冬季オリンピックは半世紀を過ぎてそのコルチナダンペッツオに戻ります。

 

  今一度、冬季オリンピックのテーマカラーはいつも「白」でした

  その白さから一転、今回のオリンピックのなんと黒いこと、本当に残念です。ロシアのフィギュアスケート選手のドーピング疑惑。高梨沙羅ちゃんをはじめ女子ジャンプのスーツのおかしな裁定。

  さらにオリンピックの政治利用はいけないとIOCは宣言しているはずなのに、疑惑の渦中の中国女子テニスプレヤーと直接会談し、疑惑払拭を演出したバッハ会長の行動。恥も外聞もなく聖火リレーの最終ランナーに新疆ウイグル出身のウイグル人を起用するというこれまた完璧なる政治利用。何という黒いオリンピックでしょうか。

  IOCに関しては以前から行き過ぎた商業主義や招致にブラックマネーが乱舞するなどの黒い疑惑が絶えません。

 

  もしサッポロがオリンピックを再度開催するなら、是非とも真っ白なオリンピックにしてほしいものです。

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アルペン競技、日本人がダメな理由を健策に聞いてみた

2022年02月17日 | 冬のオリンピック2022

  アメリカの長期金利が2%を上回っていますね。私の予想は外れでした。もっと先になれば2%もあり得るという程度に考えていました。この水準で投資するか否か、悩まれるところですね。2%を目標に置いている方であれば、投資もありだとは思いますが、その場合でも今後さらに金利が上昇する可能性も頭に入れて、めいっぱいではなく時期の分散を考えて、ある程度の投資に抑えることをお勧めします。

 

  ではスキーの話に戻ります。北日本は大雪警報が出っぱなしですね。その中で今季5回目のスキーも良い天気に恵まれ、昨日野沢温泉スキー場から戻りました。今年もスキーツアーの晴天率およそ3分の2で、往復のドライブも含め豪雪には遭遇せずに楽しんでいます。

 

  さて、私からの問いかけ「日本人は何故アルペンはダメなのか」に対して救われた投資家さんから回答をいただきました。救われた投資家さんは、次のように解説されています。

 

施設不足のようです

アルペン競技者の不在は施設不足と聞いたことがあります。
まず、日本ではコースの斜度不足、反証可能と思われるオリンピックコースも札幌はオリンピック限定の造成コース、長野は八方尾根を上から下まで全部使って滑降コースにしたとのこと、富良野のワールドカップも限定の一部造成コースで、造成コースは何も現在使えないとのこと。
そして、一流選手が育つようなコースは名寄ピアシリ、八方尾根、雫石位で強化選手なら貸し切りで練習出来ますが、一般では無理です。
皆川さんも良い環境を求めて北海道の高校に転校しているとのこと。確か苗場あたりの出身ですが、上を目指すには不足だったのだと思われます。

 

これに対して私のコメントは、

>救われた投資家さんのご指摘、長いコースを滑る滑降だけでしたらそのとおりですね。しかし日本は短い距離の回転も大回転も全然ダメです。

 

というものでした。

ちなみに長野オリンピックで使用した大回転と回転コースは、

・男子大回転⇒17.3度、30.9度(志賀高原東館山)

・男子回転⇒21.3度、30.1度(志賀高原焼額山)

 いずれも現在そのまま使用可能ですし、私は今年もこのコースをゆっくりと滑っています(笑)。ですので競技施設の不足は一面の真実ですが、すべてではないようです。

 ではいったいダメな最大の理由は何か。前回の投稿の最後で私はこう書いていました。

『明日から私は野沢温泉スキー場に行き、宿泊はハウス・サンアントンという小さなホテルですが、そこの若き2代目のオーナーシェフ、片桐建策に聞いてみる手がありました。彼の父親幹夫さんは全日本アルペン滑降競技で4連覇していて、野沢温泉スキー場の現社長、健策自身も大回転で全日本2連覇を達成しているアルペンスキーヤーです。』

  昨日その野沢温泉スキー場から戻りました。素晴らしい天気に恵まれ、スキーと美味しい料理を堪能できました。そして肝心な質問への回答も、食事の後片桐建策君にしっかりと聞いてきました。彼の回答は、我々の知らない世界のことでした。ダメな理由は、

 

「日本スキー界の閉鎖性と、指導者不足だ」とのこと。

バッサリ切り捨てた彼の解説を引用しながら説明します。

  そもそも日本のスキー界はアルペン競技より、技術競技に偏っていて、技術選手権が盛んなのです。多くの方は、「技術選手権って何?」だと思います。スキー競技の中でタイムを競わず、滑走スタイルの素晴らしさだけを競う競技で、日本スキー連盟(SAJ)はそれに重点投資し、アルペンは二の次なのです。技術競技はそのまま各地で行われているSAJによるスキー技術の「級」の認定試験に通じています。

  ジャンプで言えば飛距離はそっちのけで、飛形と着地姿勢だけを審査するようないびつな競技です。それがいびつであることを認識できない日本スキー界のドンたちが支配しているのが日本のスキー界なのだそうです。しかもそれに改革を挑む若手の有力スキーヤーなどを排除してしまったとのこと。 

  前回名前を出した猪谷千春以降唯一の男子オリンピックアルペン入賞者であり上村愛子の旦那である皆川賢太郎理事と北野理事長を20年12月に解任しました。北野氏はスキー界の最有力スポンサーである北野建設社長です。

  解任のきっかけは、彼ら二人が旧態依然としたスキー連盟の改革に挑んだからです。スキー界と連盟を衰退させないための新たなプロモーション努力、デジタル化、連盟人事の多様化を目指しガバナンス改革に挑んだことを古参理事たちが拒否し、20年12月に二人を突然解任してしまいました。

  こうしたドンの存在は日本全体がダメな理由の大きな割合を占めていますが、それがスキー界にもあるのだそうです。

  もう一つの指導者不足について彼が指摘したのは、自身のオーストリアでのスキー留学の経験からです。オーストリアではスキーの指導者はすべて国家資格を有していて尊敬される存在だそうです。資格大好きな日本なのに、スキー界は国の支援を全く得られていないのが実情だとのこと。

  こうしたこと、我々はつゆ知らずの真相ですね。とても勉強になりました。

以上、「健策に聞いてみた」でした。

 

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日本人は何故アルペン競技はダメなのか

2022年02月13日 | 冬のオリンピック2022

  オリンピックは佳境に入っていて、日本人選手がメダル取っていますね。毎日観戦を楽しんでいます。しかしスキーのアルペン競技では全く話になりません。

 

  アルペン競技とはスキーの回転、大回転、スーパー大回転、滑降の各競技を指します。世界的にスキー競技といえばジャンプやモグル、そしてノルディックは脇役で、スピードだけを純粋に争うアルペンが花形競技です。我々もスキーに行くといえば2本の板の乗って滑るアルペンのことを意味します。スキーの本場ヨーロッパでは最も人気があり、オリンピアンでも一番人気はアルペンスキーヤーなのです。最近はボードにも人気はあるものの、100㎞を超えるスピードで争うアルペンは間違いなく頂点にある競技です。

  ところがどうしたわけか日本人は今回もアルペン競技の有力選手はほとんどいません。今回だけでなく、1956年に猪谷千春が回転で銀メダルを取って以来半世紀以上、男女を通じアルペンスキーのメダルは全くないのです。2006年のトリノで4位に入賞した皆川賢太郎が唯一入賞は果たしています。彼はモグルの女性選手上村愛子の旦那さんです。しかし最近は入賞すらなく、かすりもしません。いったい何故でしょう。どなたか教えてください。

 

  一般的に言われるのは以下のような要因ですが、ほとんどは反論・反証可能です。

〇 体格で劣る・・・最近は体格のいい若者はいくらでもいます。大きな選手が有利とはいえませんし、キン肉マンが有利でもない。アルペンでも最高スピードで争う滑降(ダウンヒル)はある程度体重と筋力が必要ですが、回転(スラローム)は非常に急速かつ細かいターンが必要で、大男には逆に不向きです。

〇 お金がかかる・・・これは事実ですが、リンクを貸切る必要があるフィギャスケートに比べればましですし、板とブーツを自分用に誂えても、百万円を超えることはありません。

〇 施設が不足・・・ある程度の規模のスキー場には競技用のポールを立てたエリアがあって、時折私も滑ります。日本はオリンピック2回、世界選手権は何度も、そして毎年日本選手権を開催していますから、これも当たりません。

〇 指導者不足・・・他のスポーツでは指導者がいなければ海外留学などで補いますし、スキーも同様です。カーリングでもロコソラーレのコーチはカナダ人、フィギャスケートもコーチの多くは外国人です。スキーよりもっとマイナーなボードの女子アルペン競技で唯一銀メダルを取った竹内智香は、日本をあきらめスイスに拠点を移してメダルを取るまでになっていますので、大きな理由にはなりません。

〇 スキー人口不足・・・日本人の若者の誰もが「私をスキーに連れてって」と言っていた80年代後半でも、メダルを取れるような選手はいませんでした。

 

  というように、どの理由も決定的とまでは言えません。

  なのに何故?

 今私はテレビでオリンピック男子大回転を見ながら書いているのですが、日本人選手は今回参加者すらいません。さびしー!

  どなたか理由を是非教えてください。

 

  そうだ、明日から私は野沢温泉スキー場に行き、宿泊はハウス・サンアントンという小さなホテルですが、そこの2代目の若きオーナーシェフ、片桐建策に聞いてみる手がありました。

  彼の父親片桐幹夫さんは全日本アルペン滑降競技で4連覇していて、健策自身も大回転で全日本2連覇を達成しているアルペンスキーヤーです。

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沙羅ちゃん、あんたは悪くない!

2022年02月10日 | 冬のオリンピック2022

  私はスキーばかりしていて、投稿がお留守ですみません。1月初めに志賀高原から始まり、尾瀬岩鞍、白馬八方尾根、先週も妙高赤倉といずれも2泊3日でスキー仲間とのツアーを楽しんできました。このあともまだ2回予定しています。

  冬のオリンピックが真っ盛りを迎えていますね。

  その中、スキーのジャンプ競技では小林陵侑選手が金メダルを取りましたが、もう一人、期待の高梨沙羅選手が混合団体で失格となり、日本中が愕然となりました。いったい何が起こったのか、その理由を詳しく解説している元ジャンプ選手竹内択氏の解説をみなさんにもご覧いただきたいと思います。非常に的確な解説で、「そうだったのか」と分かりやすい内容ですが、それでしかたないと納得するかは皆さん次第です。

 

引用

14年ソチオリンピック(五輪)ジャンプ団体で銅メダルを獲得した竹内択(34=チームtaku)が8日、日刊スポーツの取材に応じジャンプスーツ規定違反問題について、一問一答の形で解説した。

Q 計測の手順は

A 事前に国際スキー連盟(FIS)に身長や手足の長さ、スーツや板のサイズを登録しておく。試合当日は、自分の番の5人ほど前にスーツを着た状態で股下の長さを測られる(股下が長いと空気抵抗が生まれ飛距離が出やすい)。そして飛んだ後、抜き打ちで検査がある。

Q 検査員は選手の性別によって分かれているか

A 男子選手には男性の、女子選手には女性の検査員がいる。

Q 抜き打ち検査の流れは

A 指名されたらコントロール室までスーツを触ってはいけない。検査員がボディーチェックをして、主観でおかしいなと思うところをチェックする。次にスーツを脱いでチェックされた場所を再計測する。沙羅ちゃんの場合は実際の太ももと、スーツの太もも部分を測る。

Q 測る道具は

A メジャーで測る。ここで検査員の個人差が出る。

Q 1試合にどれぐらいの選手が検査を受ける

A 決まっていないが、今回は多い気がする。

Q スーツは何着ぐらい持って行くのか

A 五輪ではだいたい4着ぐらい。でもチームにはスーツを縫う職人が帯同し、生地もミシンも持って行くのでそれ以上にスーツを作ることもできる。

Q サイズを小さくする必要がある場合はミシンで縫うこともあるのか

A ある。選手控室にまでミシンを持って行く

Q 横川ヘッドコーチが「試合前にパンプアップをして筋肉を膨らます」と話したが、そのようなことはあるのか

A 私の経験談に限って言えば、したことがないし、そうしている人を見たことがない。普通は選手の体にスーツを合わせていく。スーツに選手の体を合わせていくことはあまりない。

Q 横川氏が「標高が高いから体重が減りやすい」と言っていたがそうなのか

A 体重が減ることはあると思うが、体重減でサイズが変わるのはウエストで太もも回りはそう変化しない

Q 選手自身もしっかりチェックしなければならないのか

A もちろんそうだが、沙羅ちゃんはプロフェッショナル。しっかりチェックもしている。スーツは五輪用に新調しているが、サイズは今季ワールドカップ(W杯)で使用してきたものと同じ。今回の問題点は計測側にあると見られる。

Q 問題点とは

A まずはルールの曖昧さだ。私もオーバーしていた時「今日はいいけど明日は直して来いよ」と言われたことがある。逆に不信感を持った。検査員によっても測り方が違う。

Q 検査員はどのような人が担うのか

A FISのスタッフだ。基本的にはサマージャンプシーズンから同じ人が担当する。なのになぜ五輪になって急に厳しくしたのかが不思議でしょうがない。

 

そしてこう続けました。

 

「この4年に一度のオリンピックで、しかも個人戦が終わった後で・・メダル有力の強豪国が軒並み失格、しかも女子だけ、、、色々と選手の近い立場である僕も疑問が残ります。こんなの一般人の方なんてもっと分かるはずがありませんよね」

引用終わり

 

  このようにかつての選手も裁定方法にはかなりの疑問を感じているようです。高梨沙羅選手の落胆ぶりは本当に気の毒に思えたし、他の有力国も含めいきなりこの種目だけ4か国5人の失格という事態には大きな疑問を感じます。

  やはり失格選手を出したドイツチームのコーチは、「個人戦で銀メダルを取ったアルトハウス選手は個人戦と同じスーツを着ているのに失格とは何故だ」と指摘。実は失格の5人はいずれも個人戦と同じスーツを着ていました。ということは、女性の審判員だけが、しかも団体戦の時だけ厳しかったのです。そんなのありでしょうか。

 

  竹内択氏の指摘のように、今後のためにもこのままほっておいてはいけないと思います。

 

  「沙羅ちゃん、あんたは悪くない。めげないでね!」

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